『Senjutsu』をランキングに追加しました。
【2021/9/25:追記】
最新作早速レビューしました。
トトオです。
本ブログでは、アイアン・メイデンの全17枚のアルバムの全曲レビューを行いました。
今回は、そのアルバム全17枚を、レビューで採点した順に並べて、「アイアン・メイデン 全17アルバム オススメランキング」として紹介します。
この記事は、こちらの方にオススメです。
手っ取り早く最高傑作だけ聴きたい初心者
来日公演まで気持ちを高めたいファン
- 発表前の注意点「ランキング16位~1位 プラス 1枚」
- アイアン・メイデン『全アルバム オススメランキング』
- 16位 『Piece Of Mind(頭脳改革)』/ 83点
- 15位 『No Prayer for the Dying(ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング)』/ 84点
- 14位 『Killers(キラーズ)』 / 85点
- 13位 『VIRTUAL XI(バーチャル・イレブン)』 / 86点
- 12位 『Iron Maiden(鋼鉄の処女)』 / 87点
- 11位 『Dance Of Death(死の舞踏)』 / 88点
- 10位 『Powerslave(パワースレイヴ)』 / 89点
- 9位 『The Final Frontier(ファイナル・フロンティア)』 / 90点
- 8位 『Brave New World(ブレイヴ・ニュー・ワールド)』 / 91点
- 7位 『Senjutsu(戦術)』 / 92点
- 6位 『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』 / 93点
- 5位 『A Matter of Life and Death(ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記)』 / 94点
- 4位 『The Number of The Beast/魔力の刻印』 / 95点
- 3位 『The Book of Souls(魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜)』 / 96点
- 2位 『Somewhere In Time(サムホエア・イン・タイム)』 / 97点
- 1位 『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』 / 98点
- 特別枠/裏1位 『The X Factor(X ファクター)』 / 99点
- 終わりに
発表前の注意点「ランキング16位~1位 プラス 1枚」
全アルバムレビューでは、私自身の嗜好や思い入れで記事を書きました。
今回は、その全アルバムレビューで行った採点順に、ランキング形式で紹介します。
しかし、一枚だけ特殊な作品が含まれており、このアルバムだけ別カウントとすることとします。
そのため、1位~16位までのランキングと、ランキング外に1枚という形式で発表します。
アイアン・メイデン『全アルバム オススメランキング』
16位 『Piece Of Mind(頭脳改革)』/ 83点
最下位は、1983年のアルバム『Piece Of Mind』です。
これが最下位というのは、メイデンファンには意外に感じる人が多いかもしれません。
しかし、私が一番聴かない作品はコレです。
有名曲『The Trooper』がありますし、他にもいくつか良いのあるんですけど、パッとしないんですよね。
薄暗いジャケットのせいもちょっとあるかもしれません。
この一曲
『Die With Your Boots On』
15位 『No Prayer for the Dying(ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング)』/ 84点
15位は1990年の『No Prayer for the Dying』です。
これの低順位は、まあ納得の人が多いのではないでしょうか。
この前が名盤の『第七の予言』で、その後エイドリアン・スミスが抜けて、ヤニック・ガーズが入っての心機一転作でしたが、こちらも全体的に地味です。
良い曲もあって、実は結構好きな作品ですが、アルバム全体だとやはり厳しめです。
この一曲
『Hooks in You』
14位 『Killers(キラーズ)』 / 85点
14位は、1981年のセカンドアルバムです。ボーカルが初代のポール・ディアノですね。
この二作目までのメイデンは、ややパンクっぽく感じられる曲調でもあり、これはこれで格好良いです。
但し、良い曲とそうでない曲の差が激しくて、中弛みしてしまうのがややもったいないです。
この一曲
『Murders In The Rue Morgue』
13位 『VIRTUAL XI(バーチャル・イレブン)』 / 86点
13位は1998年に発表された、ボーカルがブレイズ・ベイリーの二作目です。
メイデンファンなら、これを最下位にする人が多いのではないでしょうか。
メイデンのキャリアでは、黒歴史とされているブレイズ時代ですが、私は彼の時代にファンになったこともあり、思い入れが強いです。
全体的にプロダクションが貧弱ですが、良い曲が多く、とても駄作などと呼ばれるような代物ではありません。
この一曲
『The Clansman』
12位 『Iron Maiden(鋼鉄の処女)』 / 87点
12位は1980年のデビュー作です。ここから全てが始まった訳ですが、ライブの定番になる曲がいくつも収録されています。
デビュー作で、これだけ完成度が高い作品を出すなんて、やはりメイデンは最初から別格的存在です。
メタラー以外にも十分受け入れられる内容ですし、普遍的なロックの格好良さがあります。
ただしやはり、今聴くと古臭さは感じてしまいますね。
この一曲
『Phantom Of The Opera』
11位 『Dance Of Death(死の舞踏)』 / 88点
11位は、2003年のブルース・ディッキンソン復帰後二作目です。
2000年代のメイデンの作品では、実は世間的な評価が一番高いかもしれません。
しかしながら、他の作品に比べるとやや捨て曲が多い印象です。
意欲的な取り組みもあり、もう少し絞り込めば、六人体制メイデンの一つの完成形だったと思います。
この一曲
『Dance Of Death』
10位 『Powerslave(パワースレイヴ)』 / 89点
10位は1985年の人気作です。
なんといっても『Aces High』が入ってます。曲単位では、メイデン史上ナンバーワンの人気曲ではないでしょうか。
他にも、『2 Minutes To Midnight』や、『Powerslave』、『Rime Of The Ancient Mariner』など、文句なしの名曲揃いです。
エイドリアン・スミス作曲の楽曲がもっとあれば、更に順位はあがりましたね。
この一曲
『Aces High』
9位 『The Final Frontier(ファイナル・フロンティア)』 / 90点
9位は2010年の作品です。
2000年代後半から、全世界的にメイデンの人気が高まっており、好セールスを残しました。
しかしながら、その中身は賛否両論ある内容となっており、どれだけの人がこの作品を気に入ったかは疑問です。
本作は前半が弱いことがもったいないですが、中盤から後半にかけて素晴らしい楽曲ばかりです。
特にラストの二曲は、ブルース復帰後のメイデンの最高傑作だと思います。
この一曲
『The Man Who Would Be King』
8位 『Brave New World(ブレイヴ・ニュー・ワールド)』 / 91点
8位は、2000年発表のブルース復帰後第一作目です。
私はタイムリーにブルース復活劇を誌面等で見ており、本作を発売日に聴いた印象が今でも強烈に残っています。
ブルースの歌は素晴らしく、楽曲もプロダクションも文句なしです。
ただ、突出した曲がない点が、今ひとつ順位が上がりきらなかった理由です。
この一曲
『The Thin Line Between Love & Hate』
7位 『Senjutsu(戦術)』 / 92点
7位は、2021年発表の最新作『Senjutsu(戦術)』です。
本作は、2000年代以降の六人体制メイデンの作品としては、最も偏った内容の作品であり、明らかにとっつきにくいです。
しかし、PVが超絶クオリティの『The Writing on the Wall』や、タイトル曲『Senjutsu』など、パンチの効いた楽曲が複数収録されています。
なかでも『Hell on Earth』は、2000年代以降に発表された全楽曲中No.1と言っていい出来で、全メタラー必聴です。
結果、近作にも関わらず、高めの点数となりました。
この一曲
『Hell on Earth』
6位 『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』 / 93点
6位はブルース脱退前最後の一枚です。
アルバムで見るとやや散漫な印象で、捨て曲もあります。
しかし、個別曲で見ると、『From Here To Eternity』、『Afraid To Shoot Strangers』、『Fear Of The Dark』など、傑作と言える楽曲が山盛りです。
アルバム全体のダークな雰囲気も素敵でお気に入りです。
PVも珍しく(?)格好良かったです。
この一曲
『From Here To Eternity』
5位 『A Matter of Life and Death(ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記)』 / 94点
ここからトップ5です。
2006年発表のブルース復帰後の三作目です。完全にメイデンマニア向けの一枚です。
例えば、『Aces High』とか『The Trooper』が一番好きと言うような方には、まず楽しめないでしょう。
メイデン流のプログレメタルといってもいい重厚な作りで、過去最高にアルバムの完成度が高いです。
キャッチーな曲が少なく、アレンジも地味なのでとっつきにくいですが、聴けば聴くほど凄さがわかる、これぞ大御所アイアン・メイデンにしか作り得ない作品です。
この一曲
『For The Greater Good of God』
4位 『The Number of The Beast/魔力の刻印』 / 95点
4位は1982年のブルース加入一枚目です。
初心者向けアルバムランキングでは一位にしました。
メイデンで一枚選ぶなら、一般的にはこれでしょう。メイデンの作品フォーマットがこれで完璧に出来上がりました。
この作品の格好良さは、ドラムのクライヴ・バーに尽きると思います。
次のニコ・マクブレインになってからのメイデンとは、明らかにグルーヴが違います。
アルバム全体にあふれるエネルギッシュな魅力は、クライヴのパワフルなドラミングのおかげです。
この一曲
『Children Of The Damned』
3位 『The Book of Souls(魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜)』 / 96点
映えある第3位は、2016年発表の『The Book of Souls』です。
キャリア30年を超えても、バンド史上最高傑作に近い作品を作り出すなんて、本当に驚異的なことです。
本作の最大の魅力は、とにかくブルースの歌に尽きます。
この時点ですでに大病していたわけですが、命懸けでレコーディングに挑んでいます。
メイデン史上初の二枚組ですが、捨て曲なしの素晴らしい作りで、全メイデンファンが満足できる出来です。
この一曲
『Tears of a Clown』
2位 『Somewhere In Time(サムホエア・イン・タイム)』 / 97点
第2位は1986年の『Somewhere In Time』です。これを好きな人は多いでしょう。
最高にメロディック且つポップな作品で、独特のSFチックな世界観も素敵です。
メイデンの魅力の鍵を握るのは、ギターのエイドリアン・スミスだと私は思っていて、彼の作曲センスが最も爆発した作品です。
いつ聴いても、聴いた瞬間に作品の世界観に引き込まれる完成度の高さで、全くの初心者にも気軽に聴いてもらいたい一枚です。
この一曲
『Wasted Years』
1位 『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』 / 98点
映えある第1位は、1988年の『Seventh Son of a Seventh Son』です。
この作品の後にエイドリアンは脱退することになりますが、驚異的な完成度を誇るコンセプトアルバムです。
メイデンのソングライターの、スティーヴ・ブルース・エイドリアン、三人のバランスが奇跡的なレベルで融合されており、名曲だけで構成された夢のような一枚です。
コンセプトアルバムのため、2位の『サムホエア~』よりもやや敷居が高くなっていますが、楽曲は十分キャッチーで、誰にでも楽しめるヘヴィ・メタルの歴史上でも最高傑作の一枚です。
この一曲
『Infinite Dreams』
特別枠/裏1位 『The X Factor(X ファクター)』 / 99点
本編ランキング外の特別枠として、『X ファクター』を裏1位とします。
1995年のブレイズ加入後一枚目ですが、個別のアルバムレビューでは最高点の99点にしていました。
この採点には、狂っていると感じるファンが多いと思いますし、そういった意見は理解できます。
ブレイズの歌唱力はブルースより明らかに劣りますし、楽曲も似たようなものが多く、明らかにバランスが悪いです。
しかし、この作品は魔力というか磁力というか、強烈にリスナーを惹きつけるものがあります。全アルバム中一番聴いた作品です。
メイデンのバンマスである、スティーヴのこだわりが全作品中最も濃く、底なし沼のような不思議な魅力のある作品です。
但し、さすがに全作品並べて、これを1位というのはおかしいとも思うので、裏1位としました。
この一曲
『Sign Of The Cross』
終わりに
改めて振り返ると、メイデンには駄作が一枚もないですね。本当にどの作品にも聴きどころがあって、作品毎のカラーがあって、ガッカリするようなものは一枚もないです。
メタル界の王者という立ち位置ですが、正直彼らを超えるバンドはもう出てこないでしょう。メイデン自体が一つのジャンルと言えるくらい、別格のバンドだと思います。
まだ彼らが最高の状態で現役ですので、必ず次の来日があると信じて待ちましょう。
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