こんにちは。トトオです。
私はこれまで、20年以上音楽を趣味にしてきました。
ヘヴィメタルが好きですが、
ロックや、テクノやポップスも聴きます。
所持しているCDは約2,000枚、
iTunesには25,000曲ほど入ってます。
そんな私ですが、
最も好きなアーティストは、
イギリスのヘヴィ・メタルバンド、
『アイアン・メイデン/IRON MAIDEN』です。
高校で彼らのファンになってから、
そのあとも色々な音楽を、
ジャンルを問わず聴きましたが、
彼らより好きになったバンドはありません。
これから、不定期ですが、
彼らの全作品のレビューを行います。
レビューに合わせて、
私のメイデン愛を語らせていただきます。
この記事は、
以下のような方にオススメです。
メイデンが三度の飯より好き
メタルよりパンクの方が好き
概要『Iron Maiden/鋼鉄の処女』(1980年発表)
アイアンメイデンは、
80年代初頭、
イギリスで盛り上がった、
NWOBHM
(New Wave Of British Heavy Metal)
というムーブメントの、
中心的バンドです。
当時人気だったパンクより、
ハードロックをやりたかった人たちが、
パンクに対抗して開発した新しい音楽、
それがNWOBHMですね。
なんか、
口に出したくなりませんか、
『エヌ・ダブリュー・オー・ビー・エイチ・エム』。
(※発音は諸説あり)
『Iron Maiden(鋼鉄の処女)』は、
80年に発表された、
彼らのファーストアルバムです。
メンバーは、以下の通りです。
ギター:Dave Murray/デイヴ・マーレイ
ギター:Dennis Stratton/デニス・ストラットン
ベース:Steve Harris/スティーヴ・ハリス
ドラム:Clive Burr/クライヴ・バー
デニス・ストラットンが参加している、
唯一のアルバムになります。
彼はのちに、
同じNWOBHMのバンド、
プレイング・マンティス/Praying Mantisに、
加入します。
このアルバムジャケットのキャラクターは、
『Eddie the Head/エディ・ザ・ヘッド』という、
彼らのマスコットです。
最初見たときは、
気色悪い事この上なかったですが、
今やとても愛くるしいです(私には)。
このファーストのジャケットですが、
なぜか微妙にエディーの顔が違うものが、
複数発売されています。
私は自分の所持しているCDの顔が、
一番好きです。
このファーストで使われたバンドロゴは、
このあとも30年使われ続けることになります。
ユニークなバンドマスコットやロゴなど、
彼らは最初から、
セルフプロデュースが上手かったですね。
全曲レビュー
デビューアルバムの一曲目です。
さすがに気合が入ってます。
速いです。
ボーカルはポールですが、
のちのボーカルである、
ブルースのように、
歌い上げるタイプではなく、
シャウト気味に歌うのが格好いいです。
ツインリードギターや、
前面に出たベースなど、
既に彼らオリジナルのバンドスタイルが、
できあがっています。
メタリカがカバーしていたように思いますが、
冒頭のリフなんかは、
確かにメタリカにハマりますね
(特にギターのワウ)。
これを二曲目に持ってくるのは、
なかなかの冒険ではないでしょうか。
メロウなアルペジオをバックに、
まったりとポールが歌い上げます。
中盤はテンポチェンジして、
楽器隊がドラマチックに盛り上げます。
これまたメタリカが、
最近カバーしてました。
(『Hardwired… To Self-Destruct』の3枚目)、
これを選ぶあたりは、
さすがにセンス良いですね。
NWOBHMオタクの、
ラーズ・ウルリッヒ/Lars Ulrich
(メタリカのドラマー)の、
選曲でしょうか。
メタリカはこのところ、
自分の曲より他人の曲のカバーの方が、
格好いいですね。
ドラムのタムが印象的なイントロです。
ポールのボーカルだからこそ活きる曲ですね。
のちのメイデンでは考えられないほど、
構成がシンプルです。
ライブ定番曲として、
未だに残っているのもうなづけます。
彼らは、キャリア中期以降、
長尺の曲ばかりになってしまいましたから。
前の曲からは打って変わって、
複雑な展開の長尺曲です。
プログレメタルと言っても、
いいんじゃないでしょうか。
楽器隊のコンビネーションが素晴らしいです。
序盤、ギターメロに合わせた歌メロですが、
やはりポールがハマってますね。
中盤テンポが変わって、
ミュート気味のアルペジオのパートは、
バックコーラスが印象的です。
後半、リズムがシャッフルになってからの、
ギターリフの展開は、
まさにスティーヴの王道パターンですね。
このパターンを30年以上続けて、
未だにファンからの支持が厚いのは凄いです。
相当な信念がないとできません。
楽器のみのインスト曲です。
初期メイデンは、
一つのアルバムに一曲は、
インスト曲を入れている印象です。
この曲は次のアルバムに入っていても、
おかしくないクオリティですね。
クライブ・バーのドラムは、
のちのニコ・マクブレイン/Nicko McBrainよりも、
スネアが力強く感じられます。
前曲のアウトロから曲間なしで続く、
バラード曲です。
ギターはハーモニクス多用で、
雰囲気を盛り上げます。
しかし正直なところ、
この曲はかなり古臭く聴こえます。
NWOBHMというより、
70年代ハードロックという感じで、
ウィッシュボーン・アッシュ/Wishbone Ashの、
アルバムに入ってたほうが、なじみそうです。
(余談ですが、
このアルバムに入っている、
『Sometime World』は必聴です)
悪い曲ではないですが、
これぞメイデンのスタイル、
という曲ではないですね。
ここに来て、
また速くてシンプルな曲です。
これもライブの定番曲ですが、
この曲も、のちのブルースのボーカルより、
ポールの方がハマってますね。
ある種パンクっぽい曲です。
ちなみに、
この曲はオリジナルのイギリス盤には、
入っておらず、
私の持っているアメリカ盤には、
入っています。
日本盤には、
1998年リマスター盤には二曲目に、
入っていたようですが、
2018年のリマスター盤からは、
外されたようです。
これ、どういった経緯なんでしょう・・・。
このアルバムの隠れ名曲が、
この曲です。
メイデンのアルバムには、
たまにギターのデイヴが書いた曲が入ります。
彼の書いた曲は、
メインのソングライターである、
ベースのスティーヴや、
のちに加入するギターの、
エイドリアン・スミス/Adrian Smithのような、
超名曲ではありません。
しかし、デイヴの曲は、
彼らとまた一味違う雰囲気で、
面白いです。
この曲は、
ギターリフから展開して作ったような曲で、
歌メロも独特です。
短い曲ですが、
途中無理やりテンポを変えたりして、
結構せわしないですね。
長らくメイデン聴いてると、
定番曲でない、
こういう地味な曲も、
しみじみ良いなと思います。
彼らのバンド名をタイトルにした曲です。
冒頭のツインギターが、印象的です。
歌詞にも『アイアン・メイデン』と入っています。
この曲も、
3や7と同様にライブ定番の、
短く速い曲です。
ちなみに、
このアルバムに入っているバージョンは、
上述の私が初めて買った、
ベスト盤に入っているものとは違います。
私が最初に聴いた、
ベスト盤のバージョンは、
メジャーデビュー前の『The Soundhouse Tapes』に、
収録されているものでした。
(※現在の一枚組のものには、
そもそもこの曲が入っていませんので注意)
個人的には、
そっちのバージョンのほうが好きですね。
ここからボーナスディスク!
これで、全曲のレビューが終わりました。
私が持っているこのアルバムは、
アメリカ・キャッスルレコードの輸入盤です。
こちらには、
三曲入りのボーナスディスクがついていて、
二枚組です。
以下、ボーナスディスクのレビューです。
メイデンの最初期の曲です。
イントロのギターを聴いて、
日本のパンクバンド、
INUの曲を思い出しました。
(また余談ですが、
このアルバムの、
『ライト サイダーB(スカッと地獄)』、
という曲です。
久しぶりに聴いたら、
めっちゃ格好良いです、INU。
そもそも、
INUは、イギリスのPILから、
影響を受けてますけどね)
まだアイアン・メイデンが、
自分のスタイルを決定する前でしょうね。
中盤のギターのツインリードに、
のちの彼らの片鱗が垣間見えます。
3分足らずの短い曲で、
メタルとパンクの間のような曲です。
セカンドアルバムの、
『Killers/キラーズ』収録曲の、
ライブバージョンです。
音がかなり荒いですが、
この曲の雰囲気にはマッチしてますね。
後半の客との掛け合いが、
彼ららしくなくて面白いです。
サミー・ヘイガー/Sammy Hagarがいた、
モントローズ/Montroseの曲のカバーです。
原曲が格好良いので、
あまりアレンジのないそのままの演奏ですが、
十分格好良いです。
アメリカン・ハードロックの曲ですが、
この時期のメイデンには、
とてもはまっていて自然です。
B’zのTAKこと松本孝弘も、
ソロプロジェクトでカバーしていました。
採点 / オススメ名曲ランキング
全曲レビューは某B!誌にならって、
100点満点で採点します。
1位『Phantom Of The Opera』
2位『Prowler』
3位『Charlotte The Harlot』
総括
デビューアルバムでこの完成度、
というのが、高得点の理由ですね。
やはり荒削りなところが多分にあり、
その点が、
後に彼らが進化していく、
余地でもあります。
彼らは今や大御所となり、
洗練され尽くしてしまったため、
バンドサウンドとしては退屈となってしまい、
別ジャンルのファンからは、
魅力的に映りにくいのも事実です。
(これは、メイデンというより、
メタルというジャンルの宿命ですが)
今回聴き直してみると、
後々続いていく、
いわゆるアイアン・メイデンのスタイルが、
既に確立されていて驚きました。
ボーカルの特性もあってか、
3枚目以降のブルース加入後よりも、
ハードロック・ヘヴィメタル臭がやや薄めです。
そのため、
ポールが歌っている1枚目2枚目は、
メタル嫌いな人にも、
一定受け入れられるかもしれません。
私が持っている輸入盤は、
お世辞にも音が良いとは言えません。
特にギターの音が、
かなり薄く聴こえます。
ドラムとベースは前に出ていて、
ベーシストがリーダーのバンドならでは、
と感じます。
特にドラムは、
クライブのパワフルな演奏が素晴らしく、
初期メイデンは、
彼の貢献に寄るところが大きいですね。
彼らはこのとき二十代前半という若さです。
はっきり言って、
偉大なバンドは最初から凄いんだなと、
改めて感じました。
メイデンは、
イギリスのバンドらしい、
ウェットな雰囲気があり、
そのあたりも、
アメリカのバンドとは、
違っていて好きです。
終わりに
こんな感じで、
全アルバムレビューしていきたいと思います。
今回改めて聴いて、
色々と発見がありました。
最近ポール時代の曲を聴いてないな、
という人も、
聴き直すきっかけになれば、
嬉しいです。
【おまけコラム/メイデンと私①】メイデンとの出会い
私とメイデンの出会いを少し語ります。
高校生の頃、
私はメタリカ/METALLICAをきっかけに、
メタルを聴き始めました。
ちなみに、
私のメタリカ初体験は、
なぜかこの曲です。
当時は、
ネットが発達していなかったため、
新しいバンドを知る少ない情報源は、
CDに付属しているライナーノーツ、
もしくは雑誌(主にBurrn!誌)でした。
当時、メタル系大御所バンドのライナーの多くは、
伊藤政則が書いていました(未だに?)。
そこには、色んなバンドの名前が書かれてあり、
その中に、
アイアン・メイデンの名がありました。
初めて買ったメイデンのCDは、
ちょうどその当時出たばかりの、
『ベスト・オブ・ザ・ビースト/Best of the Beast』という、
彼らが初めて出したベスト盤でした。
これから聴き始めるには、
もってこいの一枚でした。
このベスト盤は、
当時のボーカル、
ブルース・ディッキンソン/Bruce Dickinsonが辞めて、
後任のブレイズ・ベイリー/Blaze Bayleyが、
加入してから発表した、二枚組ベストでした。
(※現在流通しているものは、
一枚組の通常盤のようです)
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