2023年最新ライブレポート、アップしました!
トトオです。
FANKSの皆さんおめでとうございます。そうでない皆さんもおめでとうございます。
小室哲哉が復活し、三人のTMがまた見られることになりました。待ってた甲斐がありましたね。
今回はTM復活記念として、過去私が行った全作品レビューに基づいて、
TM NETWORK『全12アルバム オススメランキング』として紹介します。
この記事は以下の方にオススメです。
TMはGET WILDしか思いつかない人
ただ黙って待っていたFANKS
TMのディスコグラフィーを一瞬で振り返る
TM NETWORKは1984年に小室哲哉、宇都宮隆(以下ウツ)、木根尚登(以下木根さん)の三人でデビューし、1980年代は下記6枚の作品を発表しました。
CHILDHOOD’S END
GORILLA
Self Control
humansystem
CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜
1990年代に入り、TMNに改名したのち下記二枚の作品を発表します。その後、1994年に一旦活動休止します。
EXPO
1990年後半に活動を再開し、2008 年に再び活動休止するまでに、下記の三作品を発表します。
NETWORKTM -Easy Listening-
SPEEDWAY
さらに2010年代前半に再々始動して、下記の作品を発表するも、2018年に小室哲哉が引退を表明します。
そして、2021年、めでたく再々々始動(何回目?)が決まりました。
ということで、紆余曲折ありながらも、現時点までで計12枚のオリジナルアルバムを発表しています。
それぞれのアルバムはすでに個別のレビューで採点していますので、今回はそのレビューの点数順に全作品並べて、ランキング形式で発表します。
では、早速いきましょう!
TM NETWORK『全アルバム オススメランキング』
12位 『SPEEDWAY』/ 88点
最下位は2007年の、11作目『SPEEDWAY』です。アルバムタイトルの「SPEEDWAY」は、TMの前身となったバンドの名前から取られました。
2008年のとある事件(もう忘れました)の直前に発表された作品ですが、このタイトルを付けたことからもわかるように、TM結成の原点を強く意識した作風です。
この作品は、人間・小室哲哉を深く知りたいコアなファン向けの一枚で、万人にはオススメしません。
この一曲
『N43 -1983 Edit-』
11位 『NETWORKTM -Easy Listening-』/ 89点
11位は、2004年発表の10作目『NETWORKTM -Easy Listening-』です。
私の大好きな小室哲哉のプロジェクトにGABALLがあります。本作は「TM meets GABALL」とでもいうような、小室のトランス趣味全開の作風になっています。
リメイク曲が多く、オリジナル曲が少ない点が残念ですが、トランスアレンジのクオリティは高く、ここでしか聴けないTMは確かにあります。
この一曲
『CASTLE IN THE CLOUDS -ALBUM MIX-』
10位 『QUIT30』/ 90点
10位は、2014年の12作目『QUIT30』です。2010年代の唯一のオリジナルアルバムであり、現時点(2021年)の最新作になります。
2000年代以降、小室哲哉は激しい浮き沈みを繰り返したため、メンバーの関係性にも波がありました。本作は、90年代以降、メンバーの関係が最も良好な環境で作られたこともあり、三人の個性がバランスよく発揮されています。
80年代の尖ったTMの姿はありませんが、今のTMにしかない魅力が十分に楽しめます。
この一曲
『君がいてよかった』
9位 『Major Turn-Round』/ 91点
第9位は2000年発表の9作目『Major Turn-Round』です。1990年代後半に復活したTMの、復活後第一作目となります。
小室哲哉の趣味全開の作品で、「もしもTMがプログレッシブロックバンドだったら」、というコンセプトの作品です。
その筋の超一流ミュージシャンがゲスト参加していることもあり、演奏クオリティは凄まじく、作品へのこだわりは全作品中間違いなく一番です。
ある意味、全くファンの方を向かずに作り上げたと言ってもおかしくない作品ですが、木根バラ(木根さん作曲のバラード)のおかげで絶妙なバランスに仕上がっています。
この一曲
『CUBE』
8位 『CHILDHOOD’S END』/ 92点
8位は85年の二作目『CHILDHOOD’S END』です。本作はいわゆるGet WildなTMになる前の、初期の過渡期的な作品です。
時代を反映したリゾートっぽい雰囲気(プラスSF)が全編に漂っており、歌詞も曲調もどこかウェットで、全作品中でも異色の作品です。
彼らならではの個性はまだ薄いですが、すでに小室哲哉の才能は発揮されており、隠れた名曲が多い一枚でもあります。
この一曲
『8月の長い夜』
7位 『RAINBOW RAINBOW』/ 93点
7位は1984年発表のデビューアルバム『RAINBOW RAINBOW』です。
当初のメンバーの個性の付け方が面白く、木根さんのサブキャラ感も良いアクセントで(?)、今見ても謎めいた三人組でした。色々な要素を曲ごとに盛り込んでいますが、基本的には当時の洋楽の影響が色濃いです。
デビューシングルになった『金曜日のライオン』からは、のちに日本の音楽の歴史を変えることになる、天才小室哲哉の才能の萌芽が感じられます。
この一曲
『金曜日のライオン (Take it to the Lucky)』
6位 『RHYTHM RED』/ 94点
6位は、1990年にTMNとしてグループがリニューアルして最初に発表された『RHYTHM RED』です。
(TM全体としては通算7作目)
本作は、当時の流行がダイレクトに反映された、ハードロックTMとでもいうような作風です。
演奏のヘヴィさは全作品中随一で、TMファンよりもむしろハードロック・メタル好きが聴くべき作品でしょう。
特に光るのがシングルにもなった『THE POINT OF LOVERS’ NIGHT』です。リニューアルTMに相応しい、ハード且つ非常に凝った一曲で、ファン人気も高い名曲です。
(但し、シングルはTM NETWORK名義)
この一曲
『THE POINT OF LOVERS’ NIGHT』
5位 『GORILLA』/ 95点
ここからついにトップ5です。
86年の三作目『GORILLA』です。本作で打ち出したFANKSという新路線が、次作『Self Control』で身を結び、彼らは一躍人気者になります。
本作はヒップホップやニューウェーブなどの洋楽のミクスチャーと日本のロックの融合ですが、その実験性にも関わらず、アルバムの完成度は非常に高いです。
彼らの特徴である、常に新しいものを取り入れる貪欲さが、顕著に現れた一枚です。
この一曲
『Come on Let’s Dance』
4位 『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』/ 96点
4位は1988年の6作目『CAROL 〜A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991〜』です。
本作は一般的にTMの最高傑作として取り上げられることが多く、4位の選出はファンには意外かもしれません。
しっかりとしたストーリーを基にしたコンセプトアルバムとなっており、アルバム全体のクオリティはTM史上でも随一です。
名曲ばかりで素晴らしい出来なのは間違いありませんが、私はこの落ち着いた作風よりも、尖ったTMが好みなので、敢えてこの位置としました。
この一曲
『COME ON EVERYBODY』
3位 『EXPO』/ 97点
ここからトップ3です。
第3位は、1991年に発表されたTMN時代のラストアルバム『EXPO』です。
(二作しかありませんが・・・)
この後、小室は本格的にプロデュース業に力を入れて大成功することになりますが、個人的には小室哲哉がまさに天才だったのがこの時期だと思います。
タイトルどおり、博覧会的に色々な要素を散りばめた作品ですが、特に色濃いのが欧米で流行していたハウスミュージックです。
共同プロデューサーのゲイリー・ライトの仕事ぶりのおかげもあってか、時代を超越した驚異的なクオリティに仕上がっています。
一曲目のイントロから続くハウスアレンジの『We Love The Earth』の完成度は白眉で、個人的にはTMの全曲中一番好きな楽曲です。
この一曲
『We Love The Earth (Ooh,Ah,Ah,Mix)』
2位 『humansystem』/ 98点
2位は1987年の5作目『humansystem』です。シングル『Get Wild』を出した直後のフルアルバムですが、このアルバムには『Get Wild』は含まれませんでした。
近未来感あふれるコンセプトがクールな作品で、『Children of the New Century』など、自分たちが日本の新しい音楽を背負って立つという気概も感じられます。
楽曲は文句なく素晴らしく、タイトル曲を筆頭に、『Kiss You』、『Be Together』、『Resistance』など、小室みつ子・小室哲哉のW小室楽曲が大充実です。
本作はアレンジがかなりロック寄りになっていて、B’zデビュー直前の松本孝弘のクールなプレイも必聴です。
この一曲
『Resistance』
1位 『Self Control』/ 99点
映えある第1位は、1987年発表の4作目『Self Control』です。
前作の『GORILLA』でFANKSという新しいスタイルを打ち出しましたが、本作ではグループのイメージもプロフェッショナルに作り上げて、TMのスタイルを完全に作り上げました。
イントロの『Bang The Gong』から『Maria Club』に続く流れは鳥肌もので、そのあとも名曲だけで構成された夢のような作品です。
表題曲『Self Control』は、『Get Wild』と双璧をなす人気曲ですが、私はこちらの方が好きです。
ウツのセクシーさが際立つロック曲『Don’t Let Me Cry』、ウツの格好良さにシビれる『All-Right All-Night』から、木根バラの名曲『Time Passed Me By』など、捨て曲なしの傑作です。
TM一枚だけ選ぶなら、私は文句なしでコレです。
この一曲
『Self Control (方舟に曳かれて)』
終わりに
私の一番の趣味は、30年近くずっと音楽です。これほど音楽が好きになったのも、TMひいては小室哲哉との出会いがあったからです。
このところ、音楽以外にばかりスポットライトが当てられてしまい、彼らの素晴らしい作品が、今の若い人の目に届きにくくなっているのは残念です。
ちなみにサブスク(Spotify・Apple Music)で、オリジナルアルバムはすべて聴くことができます。
全くの初心者には、『Gift for Fanks』という素晴らしい初期のベストがありますので、こちらから聴くことをオススメします。
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