トトオです。
今回のオールタイムベストは、ナイン・インチ・ネイルズの『ザ・ダウンワード・スパイラル』です。
前回の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
誰にでもオススメはしません!
結論
結論です。
では、レビュー行きましょう。
機械でも良くない?
以前の記事ですでに書きましたが、私はインダストリアルメタルにどっぷりハマった時期があります。
→テクニック凄い
→これ機械でも良くない?
→インダストリアルメタル
→人間超えてて凄い!
という感じです。
やはり大御所ミニストリーに、ガッツリハマりました。
同ジャンルで色々聴いてみましたが、他のインダストリアルメタルバンドとは毛色が違う、特殊なバンドがNine Inch Nails(以下、NIN)です。
今回はそのNINのセカンドアルバム『The Downward Spiral』を紹介します。
Nine Inch Nails『The Downward Spiral』(1994)
「血の通った」インダストリアル
インダストリアルメタルは、メタルをさらにエクストリームにするための手法として、打ち込み(機械)を使う、という発想が根底にあります。(私見です)
80年代から90年代初期のミニストリーの進化が、まさにそれを体現しています。
NINも初期は似たような方向性でしたが、本作で大きく方向転換します。
本作(以降)の特筆すべき点は、
インダストリアル(メタル)を採用した
というところです。
結果、インダストリアルいう言葉からは想像もつかない、血の通ったオーガニックな作品に仕上がっています。
非常に興味深いのは、本作発表が1994年だということです。オルタナティヴロックの歴史の転換点となった年です。
本作もその文脈で語られるべき、重要な一枚です。
残るエレポップの下地
前作『Pretty Hate Machine』は、インダストリアルメタルらしいディストーションギターと軽快なビートが鮮烈な作品ですが、曲のベースはエレポップそのものです。
ミニストリーの最初期の作品をそのままインダストリアルメタル化したら、あんな感じになったのではないでしょうか。
この辺とか。
メタルでは全くないですが、この時期の楽曲が最高に好きです。
話をNINに戻して、『Pretty – 』の次作となる本作のその下地には、前作で培ったポップさがしっかり残されています。
その結果、本作には、
という特殊性が備わっています。
この点は、表現手法こそ違えど、ニルヴァーナ辺りのグランジ勢にも通じるところがあり、当時のトレンドとも言えるでしょうか。
オススメ「しない」楽曲
本作ラストには、『Hurt』という楽曲が収録されています。
強烈な楽曲が多い本作のラストに相応しい、パンチの効いた楽曲です。
しかし、私はこの曲は万人にはオススメしません。
メンタルが落ち込んでいる人や、感受性が豊かで繊細な若者には、劇薬になる可能性があります。
本当はそういう人こそ、この作品を楽しめる可能性は高いのですが、個人的にはこの楽曲は一線を超えていると感じるので、要注意とさせていただきます。
(つまるところ、自己責任で)
トトオのオススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『Ruiner』
2位『Piggy』
3位『March Of The Pigs』
※条件付きで
1位『Hurt』
終わりに
トレント・レズナーの大昔のインタビューで、ストリップ劇場で『Hurt』が流れているのを聴いて落ち込んだ、というものがありました。
(うろ覚えですが)
これほど内省的で個人的な作品にも関わらず、想像を超えて広く世の中に受け入れられたということが、とてもよくわかるエピソードです。
しかし、時代を超えて大勢に受け入れられる作品とは、実はこういったものなのかもしれません。
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