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【時代を超えた最高傑作】YMO『BGM』/ トトオのオールタイムベスト㊼

YMO アルバム 写真 ブログ用 オールタイムベスト

トトオです。

今回のオールタイムベストは、YMO『BGM』です。

前回の記事はこちらです。

今回の記事のポイントはこちら。

トトオ
この記事の
ポイント

三人の天才の最高傑作

結論

結論です。

本作がYMOの最高傑作です。

では、レビューに行きましょう。

YMOといえば?

YMOの代表作は?

「YMOの代表作は?」という質問に対する答えは、だいたいファーストセカンドに集中するのではないでしょうか?

楽曲ではやはり、『東風』『RYDEEN』あたりが代表曲としてしっくりきます。

YMOの最高傑作は?

では、「YMOの最高傑作は?」と問われると、私は迷わず『BGM』を選びます。

YMO『BGM』(1981)

タイムレスな名盤二枚

YMOのオリジナルアルバムは、全八作です。

この八枚の中で、時代を超えた普遍的な価値を持つ作品が、『BGM』『テクノデリック』の二枚だと思います。

 

この二枚はどちらも突き抜けて素晴らしいですが、個人的には『BGM』の方をよく聴きます。

天才的なその「センス」

彼らの凄さの一つは、その類稀なるセンスだと思いますが、本作のタイトルに『BGM』と名付けるあたり、本当に天才的なものを感じます。

聴いてもらわないとこの意味は伝わらないと思いますが、普通これに『BGM』とは付けない(付けられない)でしょう。
(命名の経緯はリマスター盤ライナーに記載あり)

ミニマルテクノの発明

本作はドラムパターンがループする楽曲が大半で、楽曲が少しずつ展開する構成です。

ミニマルロックの傑作Talking Heads『Remain In Light』が本作の前年発表ですが、それを進化させたミニマルテクノが本作でしょう。

日本の音楽が、世界最先端だった時代といえます。

本作におけるミニマルテクノは、さらに発展して、デトロイトテクノジェフ・ミルズにも通じるように思います。

本当に素晴らしいものは、国境を越えますね。

狂気の一曲『U.T』

『U.T』は、本作のハイライトです。本作中最も中毒性が高い一曲です。

リバーブをかけたミニマルなドラムのループが果てしなく続きます。

その上に乗るアンビエントなメロディがまた美しい。

この曲では、

徐々に展開していきそうに思わせつつも展開せず、
それにも関わらず尻上がりに盛り上げる

という、発表した時代を考えると、極めて斬新なことをやっています。

アンビエントミニマルハードコアテクノとでも言えばいいでしょうか。

それにしても、天才的な彼らのその発想に、いまだに衝撃を覚えます。

ユキヒロさんの「最高傑作」

細野さんにして高橋幸宏の最高傑作と言わしめた楽曲が、『U.T』に続く楽曲、『カムフラージュ』です。

こちらはユキヒロさんの歌がフィーチャーされており、ミニマルハードコアテクノポップとでもいえる一品です。

私には、どちらかというと地味な楽曲という印象ですが、細野さんがこの楽曲を「ユキヒロ最高傑作」とまで称する理由が気になりますね。

YMOユーモアと世代

YMOの代表作は初期の二作、最高傑作は中期の二作(特に『BGM』)としました。

では「それ以外はどうなのか?」という点ですが、『増殖』『サーヴィス』に関して、そこに込められたアバンギャルドなユーモアが、私にはあまり理解できません。

私はYMO世代よりもだいたい一回りくらいは下なので、完全に後追いファンです。

この作品が発表された時代の空気を吸い、その文脈に生きた同世代の人にしか、この面白さはわからないのではないでしょうか。

『千のナイフ』と教授

この記事を書いているのは、2023年4月です。

先日ユキヒロさんが亡くなったばかりですが、坂本龍一(教授)も亡くなってしまいました。

ちなみに、本作の制作では、教授は一歩引いた形での参加だったようです。
(意図的にサボったらしい)

しかしながら、『千のナイフ』の別アレンジは素晴らしい出来で、本作のカラーにも完全にハマっています。

ただ、この楽曲に関して言うと、個人的にはソロ作の方が好きです。

いやー、これはもう反則的な格好良さです。

『コズミック・サーフィン』みたいに、ソロバージョンはちょっとトロピカルなんですよね。
(YMOバージョンはフュージョンっぽさがない)

YMOは3人の異なる個性が魅力だとすると、3人がそれぞれ自由に突き抜けながらも、一つの作品として作り上げられた本作は、名作となるのが必然だったと言えます。

トトオのオススメ名曲ランキング

トトオ
トトオの
オススメ
ランキング

1位『U.T/ユーティー』
2位『1000 KNIVES/千のナイフ』
3位『CUE/キュー』

終わりに

本作発表からすでに40年以上経過しています。

世界広しと言えど、これくらい時代を超越した作品はなかなか見当たりません。

本作の素晴らしさは、今後もずっと語り続けられることでしょう。

コメント

  1. ぼく、ブースカれす より:

    当時、前作のキャッチーな『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』から一転して、一聴すると地味に思える本作、何回となく聴くと良さが解ります
    私も初めて聴いた時は「えっ、何これ?」という感じでしたが、今では好きなアルバムです😊
    最初の『BALLET / バレエ』は、坂本龍一さんの元奥様であった矢野顕子さんが好きだったと後で知りました

    • トトオ より:

      >ぼく、ブースカれすさん
      やはりこれは多少聴き込まないと良さがわからないですよねー。
      矢野さんは『BALLET』が好きなんですか~。確かにこれも良い曲ですね!

  2. ぼく、ブースカれす より:

    推している皆様には申し訳ありませんが、当時人気あったお笑いの要素を「スネークマンショー」「スーパー・エキセントリック・シアター」と組んで取り入れた『増殖』『サーヴィス』は、当時ならともかく、確かに今だとピンと来ない側面があります…かつてのお笑い番組だと『8時だヨ!全員集合!』は今観ても笑えるのに、当時裏番組でドリフターズを打ち負かした『オレたちひょうきん族』は時事ネタが多過ぎて「タケちゃんマン」辺りはともかく、他のネタが「えっと…これって何のパロディだっけ…?」と傑作選DVDを借りて観たら、ポカーンとしてしまいました😅

    • トトオ より:

      >ぼく、ブースカれすさん
      この辺凄く難しいのですが、笑いの種類にもよるんでしょうね。
      ドリフのような大衆演劇的な笑いと、ひょうきん族のような当時最先端の笑いだと、賞味期限がかなり違う気がします。
      YMOの場合は、そもそも大衆に迎合しようと思っていないと思いますし(笑)。

  3. paya72000 より:

    YMO年代の私が高校生の頃、中古レコードを買い漁ってました。その時中古では唯一BGMが残っており、本作と出会いました。確かに今までのテクノミュージックとは、まったく違いましたが、中毒性が強く、聞くたびに次の曲が好きになっていく感じで10回以上聞くとアルバムの価値が変わっていく不思議なアルバムでした。暗いと最初感じても、サウンドのクオリティの高さに惹かれて全く別の印象に変わる、今でも他では味わえないBGMです。時が過ぎて映画が公開され、このアルバムは神サウンドになっていったと思います。この世代に生まれ本当に人生豊かになったと思う曲に出会えて3人には感謝です。

    • トトオ より:

      >paya72000さん
      コメントありがとうございます。
      私がこの作品を聴いたのは、2000年前後でしたが、その時代でも斬新なものを感じたくらいなので、リアルタイムで聴いた衝撃は凄まじかったでしょうね。
      あまりにも凄まじすぎて、よくわからないという人が多かったのでは、と想像します。
      日本の音楽(というか彼ら)が世界最先端だったわけで、洋楽と同じフィールドでアジア人がここまで存在感を示したことは本当に奇跡だと思います。

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