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【割を食いまくった名盤】Marilyn Manson『Holy Wood』/なぜか好きなアルバムなんなん⑭

マリリン・マンソン ホーリー・ウッド アルバム 写真 ブログ用 好きなんなんなん

トトオです。

『好きなんなんなん』、今回はマリリン・マンソン『ホーリー・ウッド』を紹介します。

前回の記事はこちら。

今回の記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

アーティスト魂に痺れる

結論

先に結論です。

とっつきにくさが仇!不遇な三部作の最期

では、レビューいってみましょう。

恐ろしく「割り食った」名盤

三部作どれが一番好き?論争

マンソンの人気のピークは、90年代後半~2000年でした。

この時期に発表した三部作は、キャリア上最も売れた作品になります。

Antichrist Superstar (1996)
Mechanical Animals (1998)
Holy Wood (2000)

私は運良く全てタイムリーに体験しました。

だいたい、一番人気があるのは『Anti – 』か、『Mechanical – 』で、かなり落ちて『Holy – 』という印象です。

マンソン氏の慧眼

今振り返ってみて、マンソンの凄さを改めて感じるのは、『Anti – 』の次の作品として、『Mechanical – 』を制作した点です。

これ↓

の後に、

これ↓

です。

大成功した『Anti – 』の続編に、作風の異なる『Mechanical – 』を発表することは、かなりチャレンジングな試みだったはずですが、見事に成功しました。

しかし、この二作の流れがあまりにも完璧すぎて、結果的に割を食ったのが、続く『Holy Wood』です。

Marilyn Manson『Holy Wood』 (2000)

「インダストリアル」回帰、ではない

『Anti – 』はトレント・レズナープロデュースということもあり、音楽的にはわかりやすいインダストリアル・メタルでした。

続く『Mechanical – 』はグラムロック路線で、インダストリアルからもメタルからも、やや離れています。

続く本作は、当時は『Anti – 』の作風への回帰(つまりインダストリアルメタル)と評されました。

確かに本作は、『Mechanical – 』よりは、『Anti – 』に近いサウンドプロダクションです。

しかし、同じではありません。

本作のプロデューサーはデイヴ・サーディーです。

ヘルメットシステム・オブ・ア・ダウンヴィジョン・オブ・ディスオーダーなんかのプロデューサーです。

久しぶりに聴きましたが、脳天直撃ですね・・・。

この人選からわかることは、本作はハードコア寄りのヘヴィロックを志向して制作された、ということです。
(個人的見解です)

本作には、確かにインダストリアルと言えるような、ハードな打ち込みも一部には見られます。

しかしそれ以上に、楽器本来の音にかなりこだわっています。

当時は、前二作と比較するとやや地味な音に感じましたが、今改めて聴くと、大変丁寧に作り込まれていることがわかります。

ジョン5という怪物

過去二作と比較して、本作はギターサウンドに重きを置いています。

これまで同様、SEやキーボードも多用していますが、よりストレートなディストーションギターを中心に構成していきます。

ギタリストは本作で初のスタジオアルバム参加となる、ジョン5です。
(最近、モトリーでミックの後釜に決定)

彼は、『Mechanical – 』の後に発表したライブアルバム『The Last Tour on Earth』収録の新曲で、その超絶プレイをお披露目していました。

このギターソロは衝撃でした、当時。

その実力を買われてか、本作では全編において大活躍です。

緻密でストレートなギターサウンドが重厚で、マンソンの歌に深みを与えています。

聴かせる構成とその完成度「ゆえ」

本作は満を辞して、三部作の最終作として発表しました。
(但し設定上は三部作の一枚目)

既述のとおり、『Anti – 』から『Mechanical – 』の流れが上手く、そのため本作への期待値は相当なものでした。

しかし、わかりやすさに振り切った『Mechanical – 』とは、本作は対照的な作風でした。

本作の作り込まれた世界観と作風は、リスナーに対し、しっかりとその音楽と向き合うことを求めています。

結果、本作は前二作と比較して、商業的にも人気の面でも苦戦します。

その後、マンソンは次の『The Golden Age of Grotesque』では、反省を生かし(?)、より戦略的に売れる作品を作り上げました。

そして、しっかり結果を残しています。

これは売れますよね。いや、これは売れますよ。

これを『Mechanical – 』の後にやっても良かったと思うんです。でも、やらなかった。

三部作の最後に、これほど嗜好性の高い作品を作り上げた、マンソンのアーティスト魂には痺れます。

その後の盤石の地位は、このような音楽に向き合う真摯な姿勢が、「信頼に足りる」とリスナーにしっかりと伝わったからではないでしょうか。

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トトオ
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ランキング

1位『Valentine’s Day』
2位『The Nobodies』
3位『Disposable Teens』

終わりに

マンソンは『The Golden – 』以降は円熟期に入ったようで、さらに趣味性の高い作品にシフトしていきます。

自分の青春を彩った、ヘヴィロックというムーブメントの一端という意味においても、本作を含む三部作は、私にとってはいまだに特別な作品です。

コメント

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