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【(最高)傑作です】イン・フレイムス/In Flames『I, the Mask』(2019)

イン・フレイムス アルバム 写真 7 ブログ用 音楽

トトオです。

今回は、イン・フレイムスの13作目の作品『アイ、ザ・マスク』をレビューします。

前回の記事はこちらです。

今回の記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

「これ以上」は、あり得るか?

結論

本作の結論を述べます。

本作は「現時点」における、イン・フレイムスの最高傑作です。
では、レビューに続きます。

『I, the Mask』(2019)

『Battles』という転機

私は本作の一作前の作品、『バトルズ』で衝撃を受けました。

2010年代に入ってからのイン・フレイムスは、方向性を見失っているように見えました。

しかし、この作品を聴いて、「やはりこのバンドは凄い」と再びファンになりました。

その数年後に、本作は発表されました。

プロデューサー続投

まず、本作の最も重要な点は、前作に引き続き、プロデューサーがハワード・ベンソンであることです。

イェスパー脱退後の二作品、『Sounds – 』『Siren – 』は過去の作風を引きずって、新路線に振り切れない、ややどっちつかずの印象でした。

三作目にあたる前作からプロデューサーがハワードになったことで、いわゆる旧来メロデスの部分を抑えつつ、新路線の歌えるサビを明確に打ち出しました。

本作は、その路線を引き継ぎます。

古株イワース脱退

メンバーは、まずドラマーがタナー・ウェインに変更になっています。

しかし、レコーディングの大半は前作から引き続きジョー・リカルドです。

また、ベースのピーター・イワースが、ブライス・ポール・ニューマンになっています。

ピーターが抜けたことで、古くからのメンバーはアンダース・フリーデンビョーン・イエロッテの二人になりました。

ちなみに、ピーターを含む旧イン・フレイムスメンバーが組んだバンドが、ザ・ヘイロー・エフェクトです。

上記レビューで書きましたが、イン・フレイムスというより、〇〇寄りです。

楽曲レビュー

「鋭くもメロディック」なリフ

本作最大の特徴は、近作では失われていたメロディックで鋭いリフが復活している点です。

但し、90年代特有の土着的なメロディではありません。モダンにブラッシュアップされた「メロデス」です。

特に、タイトルトラックのメロディは白眉です。

デスラッシュ系のストレートなリフと、激烈にメロディックなリフを交互に挟みつつ、キャッチーなボーカルの裏まで格好良いフレーズが山盛りです。

さらに凄いのがアレンジで、緩急を絶妙に付けて、一曲の中に山場が何箇所もあります。

ギターソロ終わりの2:56あたりのアレンジは、「らしく」なくて最高に痺れます。

ちなみに、ほんの、ほんのちょーっとだけ、V系に聴こえなくもないです。

アンダースの「別次元」ボーカル

本作のもう一つの目玉は、アンダースのボーカルパフォーマンスです。

元々は典型的な「吠える系」デスボイスのボーカリストでしたが、本作ではアクセル・ローズ顔負けの多彩な声色を披露します。

グロウルの凄まじさはシングルカットの『I Am Above』で体感できます。

このPVが評判になるのは、よくわかります。

それにしても、凶暴なグロウルなのに、なぜか心地良く感じられるのが不思議です。

クリーンボイスとのスイッチも絶妙で、ダーク・トランキュリティのミカエル・スタンネと並び、神の領域に達しています。

本作のハイライトはラストの『Stay With Me』です。

前作にもバラード調の楽曲はありましたが、ここまでストレートに歌い上げる曲はバンド初ではないでしょうか。

歌詞もメロディも素晴らしく、過去最高レベルの感動を味わえます。

アンダースの最後の絶叫は鳥肌もので、人類の限界を突破しつつあります(4:38あたり)。

敏腕プロデューサーの「改善」

聴きどころの多い本作ですが、作品全体のバランスも練られています。

2010年代の最初の二枚は、全体の構成に偏りがあり、通しで聴くとやや厳しい印象でした。

前作『Battles』は、プロデューサーの手腕が発揮され、全体のバランスが改善されました。

楽曲はバラエティに富み、どの曲もとっつきよくなりました。

しかしその反面、彼ららしいエッジが減少し、丸くなりすぎたような節もありました。

本作は、鋭く耳に刺さる楽曲を要所要所に配置しながらも、その周りに「聴かせる」系の手堅い楽曲を並べています。

この点は、明らかに前作よりも改善されています。

結果、2010年代の作品では最も完成度の高いアルバムとなりました。

総評

「2010年代でベスト」と書きましたが、それどころか、彼らの全カタログでもナンバーワンではないでしょうか。

オールドファンがこれを聴いて物足りないと感じる可能性は、やはりあります。

しかし、私にとって、イン・フレイムスというバンドの格好良さの全てが詰まった作品です。

このバンドの作品を一枚だけ人に紹介するなら、自信を持って本作を選ぶでしょう。

「メロデスのバンド」という説明は不要で、「格好良いロックバンド」の傑作です。

万人に受け入れられる、現代メタルのマスターピースではないでしょうか。

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トトオ
トトオの
オススメ
ランキング

1位『I, the Mask』
2位『Stay with Me』
3位『I Am Above』
4位『Burn』

終わりに

本作がイン・フレイムスの最高傑作と書きました。

しかし、彼らは現役バンドであり、本作は現時点(2023年1月)での最新作です。

つまり、さらに凄い作品が生み出される可能性があります。

次作は2023年2月発売予定です。

すでに一部楽曲は公開されています。

かなり「オールド寄り」の作風であることは明らかです。

新旧ファン両方取り込める傑作の可能性が高く、今から楽しみです。

コメント

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