トトオです。
ワイルドハーツレビュー二回目です。
前回はこちらです。
今回は彼らの本邦デビューEP
『Don’t Be Happy… Just Worry』です。
私が一番最初に買った、
ワイルドハーツの作品で、
これを聴いて、
いきなりファンになりました。
今思うと、最初に買ったのがこれで、
本当に良かったですね。
(初心者向けでない時期も一部あるので)
この記事は、
以下の方にオススメです。
マキシマムザ亮君が好きな方
青春時代にパンテラを聴いた方
Earth vs The Wildhearts vs 私②
中古の
『Don’t Be Happy… Just Worry』を買って、
ファンになってから、
過去作を買い漁りました。
当時、彼らは活動休止中でしたが、
すぐに再始動することになり、
それに合わせて新作EPが発売されたので、
早速買いました。
『Riff After Riff After Motherfucking Riff』
というEPで(傑作なタイトルですね)、
日本向けの限定仕様でした。
個別レビューは別途しますが、
キャッチーなワイルドハーツで、
復活してくれて、嬉しかったです。
(休止前最後の作品がアレだったので)
個人的には、当時大学生で、
これを聴きながら学校に、
通っていました。
この時期の作品を聴くと、
思い出が、走馬灯のように蘇り、
自然と遠い目になります・・・。
『Don’t Be Happy… Just Worry』(1992年発表)
『Mondo Akimbo a-Go-Go』と同年に発表された、
八曲入りEPです。
メンバーは『Mondo -』と同じです。
前回も書きましたが、
八曲中四曲は『Mondo -』の再録です。
残り四曲は、
この作品に新しく収録された曲です。
前半四曲が丸々『Mondo -』ですが、
二つ違いがあります。
曲順とミックスです。
まず、曲順は、
『Nothing Ever Changes But the Shoes』と、
『Turning American』が、
入れ替わっています。
勝手な予測ですが、
『Turning – 』は、
少しずつフェードインしてくる、
イントロが長いため、
仮に『Mondo -』のように、
三曲目に入れると、
全八曲のEPとしては、
やや間延びしてしまうのではないでしょうか。
とにかく、
こちらの曲順でも、
全く自然に聴けます。
ミックスですが、
Terry Date/テリー・デイトが担当しています。
メタル界では有名なプロデューサーで、
彼の一番有名な仕事は、
Pantera/パンテラでしょう。
私の世代のメタル好きで、
このアルバム聴いてない人は、
まずいないんじゃないでしょうか。
とにかく、彼のプロデュースのおかげで、
『Mondo -』よりも、
かなりヘヴィな音になっています。
アレンジのせいで、
ギターの音がかなり整っており、
全体的に、こじんまりと、
まとまってしまっているように、感じます。
個人的には、
『Mondo -』の、
スタジオ一発録りのような、
あまりアレンジされてない
粗めの音の方が好きです。
但し、この人選からもわかるように、
彼らはハードロックよりも、
メタルっぽい音が好きだったのでしょう。
90年代中盤の彼らの作品は、
スラッシュメタルばりのエッジの効いた、
ギターサウンドに、
ポップな歌という組み合わせですが、
この時期から、
方向性は定まっていたのかもしれません。
それでは、
新録四曲のみレビューします。
全曲レビュー
#5 Splattermania(Ginger)[4:07]
キャッチーなサビが印象的な、
隠れた名曲です。
やや気怠げなメロがユニークです。
よく聴くと、
バックのギターやベースラインなど、
結構凝ってます。
ワイルドハーツの初期曲の中では、
一番好きな一曲です。
以前、この曲の中間パートのリフが、
Blondie/ブロンディの曲に似てると、
ジンジャーはファンから、
指摘されていました。
確かに、似てます。
ジンジャーは、
リフの盗用を否定していませんでしたね。
「ブロンディかっこええやんか」
みたいな、開き直った態度でした。
しかし、久しぶりに聴きましたが、
ブロンディ、
確かに死ぬほど格好良いですね。
#6 Something Weird (Going On in My Head)(Ginger)[4:51]
地味ながら、
こちらもサビが心地よい曲です。
本作の他の曲に、
やや似ているようにも思います。
並のバンドなら、
90点くらい付けたいところですが、
ジンジャー曲としては、
85点くらいでしょうか。
#7 Weekend (5 Long Days)(Ginger)[4:26]
初期の傑作の一つです。
100万枚くらい売れてもおかしくない、
スーパーキャッチーな超名曲です。
サビの後ろの、
ギターのアルペジオも素晴らしいです。
ライブでも定番曲で、
のちにリテイクした『Weekend ’96』には、
ライブ客のコーラスをミックスして、
擬似ライブのような曲になっていました。
しかし、リテイク版よりも、
オリジナルの、こちらの方が格好いいです。
Oasis/オアシスの『Rock’N’ Roll Star』のような、
ワイルドハーツのクラシックスタンダードですね。
#8 Dreaming in A(Ginger)[3:29]
ラストは、
ワイルドハーツとしては割と珍しい、
まったり歌い上げるバラードです。
しかし、ギターは結構歪んでますし、
ボーカルもかなりハードな歌い方なので、
全然甘ったるくないです。
ワイルドハーツの中では、
やや埋もれている曲ですが、
これも間違いなく名曲です。
採点
『Splattermania』
『Weekend (5 Long Days)』
総括
前作のリミックス四曲は、
ミックスは前作の方が好きです。
但し、曲自体は、
新録の四曲も素晴らしい出来で、
八曲全て捨て曲なしの、
さすがのクオリティです。
このEPを残して、
ドラムのバムが辞めますが、
彼のバタバタうるさいドラムプレイは、
私は結構好きでした。
終わりに
彼らは、このEPの翌年に、
初のオリジナルアルバムを発表します。
わずか一年後とは思えないほど、
更にクオリティが上がります。
私はジンジャーが天才だった時期は、
90年代前半から中頃までだと思っています。
この時期の作品は、
どれも超名曲揃いで、
ジンジャー自身でさえ、
この時期を超えることは、
できていないと思います。
どんな天才も、
本当に神懸っている時期は、
限られている、そう感じます。
次作は、まさに天才ジンジャーの、
最高傑作の一つです。
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