トトオです。
今回は、今年2022年に発表されたハドソン・モホークの新作『Cry Sugar』をレビューします。
この記事のポイントはこちらです。
ポイント
2022年最新型エレクトロニカ!
結論
先に本作の結論を述べます。
です。
では、レビューに移ります。
「ハドソン・モホーク」て誰?
全くノーマーク
私はこれまで、今回紹介するハドソン・モホークというアーティストは、全くノーマークでした。
老舗のWarp Recordsに所属しているため、名前くらいは聞いていた気もしますが、少なくとも音源を積極的に聴いたことはなかったです。
スクエアプッシャー来日の僥倖
遡ること約一ヶ月。
スクエアプッシャーの来日公演チケットを、公演日の数日前にゲットできました。
幸運にもチケットが手に入ったその顛末は、こちらのライブレポに記載しました。
そのスクエアプッシャー来日公演のオープニングアクトの一組が、ハドソン・モホークでした。
ここで初めて、彼の音に触れました。
タダものではない「前座」
初めて聴いたハドソン・モホークは、スクエアプッシャーの尋常ではないプレイに勝るとも劣らない、素晴らしいパフォーマンスでした。
スクエアプッシャーは、独自の世界観をゴリッゴリに押し出した、えげつないくらい自由なプレイでした。
ハドソン・モホークは前座であるため、まずフロアを温める役目があります。
彼のプレイはフロアを十二分に盛り上げるものでしたが、それだけではなく、音楽マニアの耳に刺さるエッジも効いていました。
ライブ終わりの帰り道、気づけば今年発表された新作をポチッとしていました。
Hudson Mohawke『Cry Sugar』
ジャケット
本作のテーマは「アメリカの衰退」とのことですが、ジャケットの出来が秀逸です。
私が今年見たアルバムジャケットで、間違いなくナンバーワンです。
インパクトの凄まじさだけではなく、このアルバムの音を完璧に表現しています。
Spotifyでは「推して」くれない
Spotifyは、私の好みにチューニングして、色々な未知のアーティストをオススメしてくれます。
これが大変便利です。
しかし、そのチューニングが上手すぎるため、私にとっては予定調和なものが多く、どこか物足りなく感じます。
(贅沢な話ではある)
そんな私ですが、本作には非常に新鮮な驚きを感じました。
ポップかつキャッチーなメロディ
ヒップホップ譲りのグルーヴ
これらが高次元でマッシュアップされています。
最初に結論で述べたとおり、ここ数年のエレクトロニカ作品において、最大の衝撃でした。
大国の衰退とエレクトロニカ
コンセプトの「アメリカの衰退」は、本作の音を端的に表現しています。
表層的には明るく楽しいノリに見えながらも、不気味な薄暗さが作品全編に通底しており、病的な感じすらあります。
収録された楽曲は様々ですが、上記コンセプトに沿ったアレンジが絶妙です。
散漫になりがちなこの手の作品には珍しく、一枚通してしっかりとしたストーリーが感じられます。
メインストリームとWarp Records
ハドソン・モホークは、カニエ・ウエストのような、ドメジャーなアーティストもプロデュースしています。
当然と言うべきか、さすがは時代の最先端と思わせる、洗練された美しい音作りは驚異的です。
しかし、Warp所属のアーティストらしく、しっかり「クセ」が凄いです。
メインストリームではありえない、尖りまくった「オルタナ」アレンジが、そこかしこに散りばめられています。
圧倒的な才能さえあれば、どんな表現でも突き抜けられる、現代の音楽シーンの象徴のようなアーティストです。
オススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『Rain Shadow』
2位『Intentions』
3位『Is It Supposed』
終わりに
私の文章力でその素晴らしさを伝えるのが難しいジャンル、それがエレクトロニカです。
本作の魅力が一ミリでも伝えられれば、というところです。
とにかく、一度で良いので作品を通しで聴いてもらいたいですね。
音楽好きなら、絶対に後悔はしないはずです。
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