トトオです。
今回のオールタイムベストは、Theピーズ(現「ピーズ」)の『とどめをハデにくれ』です。
前回の記事はこちら。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
改めて、ほんまに凄いバンド
結論
先に結論です。
では、レビューいきましょう。
20年不動で一位のバンド
なぜか夏はピーズ
他記事でも描きましたが、私はピーズが好きです。
日本のロックバンドでは、間違いなく一番好きなバンドです。
もう二十年以上聴いているので、今更毎日聴いたりはしないのですが、無性に聴きたくなる時期があって、それが夏です。
Theピーズの最高傑作
実際、ピーズには夏にまつわる曲がいくつかあるのですが、なかでも『井戸掘り』と言う曲が印象に強く残っています。
この楽曲が入っている、『とどめをハデにくれ』というアルバムは、Theピーズの最高傑作です。
Theピーズ『とどめをハデにくれ』(1993)
日本人で良かったと思える
私は洋楽邦楽どちらも好きですが、バランスで言うと「洋楽8:邦楽2」くらいの偏りがあります。
しかし、私は英語ネイティブではないので、洋楽の歌詞の深いところまではどうしても理解できません。
訳詩を見て、できる限り深く理解できるように努めるだけです。
日本人なので、やはり深く理解できるのは邦楽です。
しかし、邦楽で歌詞に魅力を感じるバンドは多くありません。
そんな私にとって、ピーズの詩は本当に衝撃的でした。
初期のバカロック的な歌詞もセンス抜群で素晴らしいのですが、四作目に当たる本作の歌詞は本当に神がかっています。
あまり適切ではない表現かと思いますが、この歌詞の素晴らしさは、誰にでもわかるようなものではないと思います。
若くても、年食っても、刺さる
この作品を初めて聴いたのは、10代の最後でした。
青春と言える年齢でしたが、思い描いたような明るく楽しいものではなく、モヤモヤした日常を過ごしていました。
そんな当時の自分には、この作品で描かれる「葛藤」がすごくしっくりきたのです。
それから二十年以上が経過し、心の繊細さや機微が少しずつなくなり、感受性も乏しくなった40代になった今でも、この作品はやはりしっくりくるのです。
本作発表時のボーカルのはるは、まだ20代後半だったわけで、ここまで深い歌詞をその年齢で書けてしまうのは、才能の成せる技としか言いようがありません。
自伝『思い出すのが面倒だ』の中で、「正直な表現しかできない」という発言があります。
本作を聴くと、「正直な表現は普遍的な価値をもたらす」ということが、実によくわかります。
Theピーズの「正式メンバー」
本作発表当時のピーズは、はる、アビさん、ウガンダの三人で構成されています。
本作が大名盤たり得たのは、間違いなくこの三人で制作されたからです。
特に本作におけるウガンダのドラムプレイは素晴らしく、天才的なセンスを感じます。
彼より上手いドラマーは、それこそ数えきれないほどいると思いますが、当時の彼より格好良く叩けるプロのミュージシャンは、滅多にいないでしょう。
自伝の中ではるは、ウガンダが抜けて違うドラマーが参加したとしても、「正式なドラマーはウガンダしかいない」と語っています。
また、本作製作時のバンドについて「人生全部みんなで同じ船に乗る三人組」という発言もあり、当時のこの三人のケミストリーが、本作の音になって現れているのだと思います。
この作品を聴くたび、やっぱりバンドって良いなあ、としみじみ思います。
(但し、制作時は地獄だった模様)
トトオのオススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『映画(ゴム焼き)』
2位『シニタイヤツハシネ~born to die』
3位『日が暮れても彼女と歩いてた』
4位『井戸掘り』
5位『手おくれか』
終わりに
このレビューでも何回か引用したピーズの自伝ですが、これが本当に素晴らしい、ファン必携の一冊です。
自伝では、バンドメンバー他関係者がインタビューに答える形で歴史を振り返ります。
飾りっ気なく、しかし情熱的なインタビューを読むたびに、こんな奇跡みたいなバンドなかなかないよなあ、と胸が熱くなります。
久しぶりにライブに行って、今のピーズを楽しもうと思います。
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