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【眠気に耐え切れるか?】The Smashing Pumpkins『Adore』/なぜか好きなアルバムなんなん⑲

スマッシング・パンプキンズ アルバム 写真 ブログ用 好きなんなんなん

トトオです。

『好きなんなんなん』、今回はスマッシング・パンプキンズ(以下スマパン)の『アドア』です。

前回の記事はこちら。

今回の記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

眠気に耐え切れるか?!

結論

先に結論です。

ジミー不在でも、これは完璧にスマパン

ではいきましょう。

90年代バンドの栄枯盛衰

そこにドラマがある

90年代を代表するバンドには、ドラマティックなストーリーがつきものです。

ニルヴァーナしかり、ガンズしかり、メタリカしかり。

スマパンも同様で、90年代のどのアルバムも単なる音楽作品としてだけではなくそこに至る過程や背景までひっくるめて知ることで、当時の価値を正しく測ることができます。

スマパン人気の「鍵」

スマパンというバンドのブレーンはビリー・コーガンです。

このバンドの魅力は、彼の才能によるところが非常に大きいです。

しかし、「人気のあるスマパン」に必要不可欠な存在が、ジミー・チェンバレンというドラマーです。

この一人のドラマーの去就が、このバンドの運命を大きく左右します。

ある意味、彼の影響が最も大きかった作品が今回紹介する『Adore』です。

The Smashing Pumpkins『Adore』(1998)

ビリーがいれば成立するバンド

前作『Mellon Collie and the Infinite Sadness』が爆売れして、スマパンのオルタナティブロックがメインストリームを完全制覇したのち、ジミーが脱退します。

そのジミーが抜けた状態のまま、製作したのが本作です。

本作では、バンドメンバーとしてのドラマーは不在です。

しかし、このアルバムに収録されているのは、まさにスマパン以外の何者でもない楽曲です。

ビリーのソロや、他のプロジェクトとは違い、本作は完璧にスマパンというバンドの作品として成立しています。

しかし、そこにジミーのドラムがありません。

本作は、文字通り、スマパンからジミーのドラムを差し引いただけの作品として、奇跡的に仕上がっています。

スマパン版『Violator』?

本作はスマパン本来の格好良いグルーヴが皆無です。

ジミーのドラミングを失ったため、これは必然ですが、他のドラマーに大きく頼ることもしていません。

打ち込みベースの曲は、デペッシュ・モードのようなダークエレクトロポップに仕上がっています。

突然の路線変更ですが、完全に自分たちのものにしており、驚きのクオリティです。

また、ドラムありの楽曲もありますが、あくまで落ち着いたアレンジにこだわっています。

その結果、ボーカルを際立たせるメロウな楽曲が多く、バンド史上最もビリーの歌声を聴かせる作品となりました。

本作はフォークとエレクトロの融合がコンセプトの様ですが、派手さがなくシンプルなアレンジは、デペッシュモードの傑作『Violator』のようです。

替えの利かない天才ドラマー

この作品だけ見ると、セールス的にそこまで悪かったわけではないですが、やはり前作の驚異的な成功のあとでは、見劣りする売上となりました。

他複合的な要因が絡み合った結果、ビリーは本作の結果をバンドの敗北と結論づけ、次作を最終作にすることを決意したようです。

次作はベースがダーシーからメリッサに交代しますが、ジミーが復活します。さらに先、2000年代以降、ジミーは復帰と脱退を繰り返します。

正直なところ、ジミー以外のドラマーも、素晴らしいプレーヤーが参加した作品はあります。

これはマイク・バーンがドラムを叩いていますが、文句なしのプレイです。

しかし、ジミー不参加の作品を聴くたびに、ジミーのドラムプレイそのものに代わるものはない、という事実に打ちのめされます。

イハという、その存在

2000年代、バンド復活後の『Zeitgeist』には、ジミーはいてもジェームス・イハがいませんでした。

この『Zeitgeist』は、アルバムテーマの影響もありますが、怒りと躁で全編走りきっており、ある種イハの不在を痛感させる内容でした。

つまり、大衆がスマパンに求める最大公約数的な魅力には、ビリー・ジミー・イハという三人のケミストリーが必須だということです。

ジミーのようなわかりやすさこそありませんが、スマパンの魅力のコアの部分は、間違いなくイハの存在に依るところも大きいです。
(但し本作では作曲参加はなし)

君たちはどう聴き通すか

実は、スマパンの数ある作品の中でも、一番聴いたのが本作です。

本作の落ち着いた穏やかな作風は、横になって寝る前に聴くのが最適で、とてもリラックスできます。

しかし、横になって目を瞑って聴いていると、ほぼ間違いなく前半数曲で寝落ちしてしまいます。

本作は後半も良い曲が多いのですが、集中して聴き通すのは結構難度が高く、寝苦しい時にはオススメです。
(本当に眠くなります)

トトオのオススメ名曲ランキング

トトオ
トトオの
オススメ
ランキング

1位『For Martha』
2位『Ava Adore』
3位『To Sheila』

終わりに

紆余曲折ありながら、現在はビリー・ジミー・イハ三人が揃っています。

この体制になってからのわずか5年ほどで、すでにフルアルバムを三枚も発表しており、非常に良好な関係が保てているようです。

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