トトオです。
今回のオールタイムベストは、ドリーム・シアターの『イメージズ・アンド・ワーズ』です。
前回記事はこちらです。
この記事のポイントはこちらです。
時代を超えた100点満点プログレメタル
「メタルだから」で聴かず嫌いは一生損
聴く度に「最高」な唯一無二の作品
私は音楽が趣味なので、四六時中音楽を聴くわけです。
好きなミュージシャンや作品は山ほどあります。
しかしその中でも、今回紹介するドリーム・シアターの『イメージズ・アンド・ワーズ』ほど、完璧な作品はありません。
私は高校時代から、30年近く聴き続けていますが、この作品は数少ない100点満点の作品です。
プログレ「メタル」で人類は損をする
学生時代、この作品について熱く語ったんですよね。
「『イメージズ・アンド・ワーズ』は傑作や!」みたいな感じで。
すると、「こんなんプログレ違う」とピンク・フロイド好きなやつが言うてきたんですよ。
私は思いました。
プログレとかプログレ・メタルか、そんなんどうでもええやん?
ピンク・フロイドと比較して、これ楽しめないなんてもったいなすぎるやん?と。
ジャンル的に「メタル」という言葉が入ってしまうため、リスナー層を限定してる面は確実にあり、これは全人類のためにならないです。
本作は幅広いリスナーに受け入れられる、音楽の普遍的な美しさを持ち合わせています。
Dream Theater『Images and Words』(1992年)
メタルの「陽」の面全部入り
「メタル」と一言に言っても、色んなイメージがあるわけです。
このジャンルに明るくない人が「メタル」というワードを聞いて想像するのは、ネガティブなイメージの方が多いのではないでしょうか。
たしかに、そういうメタルもあります。
(画像はイメージです)
しかしメタルには、ポジティブな側面もあります。
繊細で心に響くキーボード
体幹も揺れる迫力のリズム隊
力強く表現豊かなボーカル
いわゆるメタルの陽の特長、はだいたいこんなところでしょうか。
(ディム・ボガーも備えてるけど)
並のメタルバンドだと、これらの特徴のいくつかに偏って力をかけてしまうことが多く、結果ダサくなりがちです。
(それも好きな人が、いわゆる「メタラー」)
本作は、これらのメタルの陽の特徴を、完璧なバランスで併せ持っています。
高校の時、これ初めて聴いた時は、ラジカセ壊れたんかなと思いましたね。
(唐突に終わるので)
そして驚くべきは、彼らはこれだけの表現力を持ち合わせているだけでなく、本作では楽曲の良さで真っ向勝負しているところです。
いやもう、格好良すぎるでしょう・・・。
ケヴィン・ムーアという稀有な才人
本作はドリーム・シアターの二作目ですが、次の三作目まで、ボーカル以外は同一メンバーです。
この三作目までのキーボード担当はケヴィン・ムーアですが、彼がこのバンドにもたらしたものは実に大きいものがありました。
ケヴィンが抜けた後のキーボードは、一瞬だけデレク・シェリニアンで、その後はジョーダン・ルーデスです。
どちらも素晴らしいプレイヤーで文句の付けようがありません。
私は、特にデレクが大好きです。
しかしケヴィンには、単なるプレイヤー以上の個性がありました。
それは「憂い」です。
ケヴィンが抜けた後のドリーム・シアターは、その後も素晴らしい作品を作り続けますが、私はどこか物足りなさを感じてしまいます。
これに関しては、ケヴィンが抜けた穴が大きかったのではないでしょうか。
彼が在籍した初期三作は、その後の作品と比較しても、独特の物悲しいムードがあり、これが病みつきになります。
端から端まで文句なしの「100点満点」
本作に点数を付けるなら、100点です。
彼らは現役なので、まだこれ以上の作品を出す可能性はあります。
そのため100点を付けるべきではないでしょう。
しかし、
「100点付けて後悔するよりも、100点付けなかったことで後悔する」
その可能性の方が高く感じます。
それくらいケチのつけようがない、完璧な完成度です。
数百回は聴いていると思いますが、未だに飽きません。
ライナーに、当時のアトコ・レコードの解説が記載されてあります。
そこでは、楽曲が三種類に分類されています。
“Melodic”『Another Day』 『Surrounded』
“Epic” 『Metropolis』 『Take The Time』
これはなかなか上手い分類です。
(『Wait For Sleep』と『Learning To Live』がなぜかない)
しかしながら、本作はこういった分類など用いずとも、端から端まで無駄なく完璧に構成されており、問答無用で楽しめる一枚です。
この楽曲で締めてる、ってのがまたもう最高で・・・。
終わりに
ドリーム・シアターは息の長いバンドで、まだコンスタントに新作を発表しています。
テクニックは鰻登りです。
しかし、本作ほど素晴らしい作品は、おそらくもう出ないでしょう。
それは本作が、「彼らがまだ音楽で成功する前に出した一作」であったということも、大きいかもしれません。
本作の再現ライブを見に行きましたが、あまりに完璧すぎて震えましたね。
(特にマンジーニは凄まじかった)
おまけで『A Change of Seasons』まで演奏してくれた時には、鳥肌が立ちました。
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