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【真摯なバンドのダウナー傑作】THE YELLOW MONKEY『SICKS』/ トトオのオールタイムベスト㉝

ザ・イエロー・モンキー SICKS 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

今回のオールタイムベストは、THE YELLOW MONKEY(以下、「イエモン」もしくは「イエローモンキー」)の『SICKS』です。

前回記事はこちらです。

この記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

圧倒的に真摯なバンドの邦楽ロック傑作

私(の世代)にとってのイエローモンキー

通常の名盤紹介では、なるべく端的に長所を述べるようにしています。

しかし、イエローモンキーは、私の世代には特別なバンドです。

と言うことで今回は、私とバンドとの出会いまで遡って書くことにします。

洋楽メタラーにも「格好良い」

私は90年代中盤、高校生でした。

高校生時代はすでにメタラーと化していたので、いわゆる邦楽の流行曲にそれほど感化されませんでした。

そもそも、高校で洋楽(しかもメタル)聴いている人間なんて、邦楽をどこか下に見てる節あるんですよね(偏見)。

そんな私でも、「このバンドは格好良い」と思えた、数少ない日本のバンドの一つが、イエモンでした。

有能なイエモンの存在

90年代に高校・大学を経験した男子にとって、イエモンは超有能な存在でした。

ボーカルのキーが低い
ヒット曲はみんな知っている
しかも真っ直ぐ格好良い

こんな条件揃ってるバンド、なかなかないですよね。

流行りの邦楽に疎い私にとっては、カラオケで困った時はイエモン頼り、といった状態でした。

必然的に、カラオケで歌いやすいシングル曲ばかり聴いていました。

そういえば、以前こんな記事も書きました。

解散後、遅れてファンに

彼らの「解散」というニュースは、リアルタイムで知りました。

私の身近に大勢いた彼らのファンは、相当な衝撃を受けていました。

しかし、当時私はシングル曲中心にしか聴いてなかったので、ファンと言えるほどでもありません。

バンドの解散も、単なる一つのニュースでしかありませんでした。

その後、私は社会人になりました。

何がきっかけだったかわかりませんが、解散後の三枚組ベストを聴く機会がありました。

これがもう、めちゃくちゃ格好良かったんです。

既述の通り、シングル中心にしか聴いてこなかった人間なので、このコンピレーションの構成には衝撃を受けました。

リアルタイムでちゃんとアルバムを聴けば良かったと、大後悔です。

その後、改めてオリジナル作品を順に聴いていきました。

その中でも、イエモンの最高傑作だと感じたのが、1997年発表の通算6枚目のアルバム『SICKS』です。

THE YELLOW MONKEY『SICKS』(1997年)

バンド史上最高に「ハードロック」な作品

彼らのオリジナルアルバムは、アルバム毎にカラーが違っていて面白いです。

中でも本作は、日本人の手による、ブリティッシュハードロックの再構築作品として楽しめます。

特に影響を感じるのはやはりレッド・ツェッペリンです。

本作のバンドサウンドの真の太さや、特有のウェットな雰囲気に、強く共通点を感じます。

一曲目の『RAINBOW MAN』や、続く『I CAN BE SHIT, MAMA』から、モロに70年代風です。

『RAINBOW MAN』のギターのアルペジオなんか、こだわりが尋常ではないですね。

ギターリフが中心に据えられた『TVのシンガー』は、ハードロックファンにはたまらない格好良さでしょう。

ギターの格好良さもさることながら、リズム隊のストレートなグルーヴが素晴らしく、個人的にはこのバンドが一番「向いている」方向性だと思います。

媚びない日本語ロックと「毒」

本作はイエローモンキーの人気が絶頂期に発表されたフルアルバムにも関わらず、シングルカットは『楽園』だけです。

当時このシングル曲目当てで買った人は、

果たしてこのアルバムを楽しめたのでしょうか?

と、不安になるくらい、中盤以降の曲が攻めています。

天国旅行
創生児
HOTEL宇宙船
花吹雪

この四連発はえげつないですね。

この並びはイエローモンキー史上でも、最強のラインナップではないでしょうか。

特に『天国旅行』から『創生児』への流れは、邦楽ロックの歴史に残る完成度でしょう。

吉井和哉の歌謡曲的なセンスが爆発しており、日本語でここまで格好良く表現されたロックはそう見当たりません。

キャッチーな楽曲の中に盛られている「毒」がこれまた絶妙です。

いわゆるライトリスナーにギリギリ受け入れられるかどうか

という線をついています。

たくさん売ろうと思って作ったとは到底思えません。

シングルが売れすぎてしまった結果、ファンを選別しにかかったのではないか、とすら思えます。

真摯なバンドと『OK コンピューター』

レディオヘッドの97年作品『OK コンピューター』のライナーには、吉井和哉がコメントを載せています。
(菊池英昭も)

『OK コンピューター』は、90年代のロックのターニングポイントになった作品ですが、この作品に対する彼の感想が面白いです。

彼は『OK コンピューター』と『SICKS』を、同じ「ダウナー」な作品として取り上げています。
(「『OK – 』は『SICKS』の百万倍落ち込んでいる」と言っています)

1997年頃のUKのオルタナティヴロックのトレンドが、作品の「ダーク」化・「ダウナー」化でした。

当時イエローモンキーは、日本の音楽シーンですでに圧倒的に売れていた状況で、このトレンドも意識しながら、本作を制作したという点には驚きです。

当時「売れている」他のバンドで、これくらい視野が広いバンドはどれくらいいたでしょうか?

イエローモンキーなら、無難にもっと売れそうな作品を作ることだってできたはずです。

自分たちの音楽とリスナーに対して、ここまで真摯なバンドはそうそうないでしょう。

そして彼らを見て強く感じるのが、

「売れているからこそ、その音楽に説得力が伴う」

ということです。

終わりに

既述の通り、私が彼らにハマったのは、すでに彼らが解散した後でした。

そのため、ライブに行けなかったことが、本当に心残りでした。

しかし、信じられないことに、彼らは再結成しました。

いやー、後追いのファンでも、涙腺がやられましたね、目前にすると。

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