ツアーパンフレット買いました。マニア向けです。
小室哲哉復活記念記事を別に書きました。
【一目でTMの最高傑作が分かる!】TM NETWORK『全12アルバム オススメランキング』
トトオです。
今回は、小室哲哉の復帰と同時に発表された、TM NETWORK初の配信ライブ、『How Do You Crash It?』を鑑賞しましたので、早速レポートしたいと思います。
内容に深く言及しますので、これから観るつもりの方は、鑑賞後に読むことをお勧めします。
TM NETWORK 配信ライブ『How Do You Crash It? one』
配信ライブのコスパは如何に
いくつかのサイトでチケットが売られていますが、私はチケットぴあで購入しました。
これまでお金を払って配信ライブを見たことはありましたが、ぴあで購入したのは初めてでした。リアルなチケットを買うのと同じで、Cloakを使う形式でした。
お代金はチケット代4,800円とシステム利用料220円を合わせて、合計5,020円です。ライブ映像は、配信開始から一週間はアーカイブ配信されますので、その期間中は何回でも見ることができます。
さて、この配信ライブに5,000円払う人は、一体どの程度いるのでしょうか?
ちなみに、約七年前に『QUIT30』に伴うライブツアーに参加しましたが、その時のチケットは税込で9,000円でした(全席指定)。
実際に見に行って9,000円で、配信映像見るだけで5,000円です。普通の感覚なら、やはり高く感じるのではないでしょうか?
自腹を切った人間として、この配信ライブのコスパを確かめたいと思います。
久々揃った三人のメンバー
お馴染み三人がひさしぶりに揃いました。
正直なところ、小室哲哉がいなくても、スーパー弟子である浅倉大介がいれば、TMの楽曲はライブできるわけです。
しかし、やはり小室哲哉の存在感は半端ではないです。
彼がいると、ピリッと空気が変わります。宇都宮隆(以下、ウツ)と木根尚登(以下、木根さん)の表情が違うというか、良い意味でアーティストの表情に変わる気がします。
三人とももう六十を越していますが、驚くほど見た目が若いです。特にこの十年くらいはほぼ不変ではないでしょうか。
『How Do You Crash It? one』セットリスト
約一時間のライブで、全9曲です。
オープニング ~ ELECTRIC PROPHET
一曲目に『ELECTRIC PROPHET(以下、エレプロ)』を持ってきた時点で、オールドファン全員ほぼ満足ではないでしょうか。
オープニングは、宇宙船の帰還をイメージしていて、三人が地球に降り立つ演出です。これでエレプロが始まったら、そりゃもう文句の付けようがないでしょう。
一曲目から難しい歌ですが、ウツの声は高音までしっかり出ています。
I am
エレプロが終わって、四つ打ちのビートが鳴り響き、2010年代の復活曲『I am』に続きます。
エレプロはもう三十年以上前の曲ですが、その流れでこの(比較的)新しい曲につなげても違和感がないことには驚きました。
正直なところ、『I am』発表当初、初めてこの曲を聴いた時はやや厳しめの感想を抱きました。しかし、今となってはこの曲は新しいTMの定番だと感じます。小室と木根さんのコーラスが気持ちいです。
ステージセットはかなり凝っていて、無数のパネルが宙を舞い、さながらドローンのショーのようです。また、衣装も宇宙服っぽいディティールまで作り込まれたもので、復活一発目のライブにふさわしい演出です。
How Crash?
来ました。予告で少し流れていた新曲です。
キャッチーなサビと、ややダウナーな他パートの対比が印象的です。詳細情報ありませんが、おそらく、作詞作曲小室哲哉で間違いないと思います。
非常に短い一曲ですが、『QUIT30』に収録された楽曲と曲調がかなり近いです。途中、『QUIT30』のライブで使用された映像を取り込む演出もあって、あの時期のライブとの繋がりが印象付けられます。
ACTION
はい、来ました。『ACTION』。原曲もビートが強い楽曲でしたが、ライブアレンジも同様で、原曲にかなり忠実な演出です。
この楽曲は、まさに今のTMに一番しっくりくるかもしれません。「それでも前を向く」、というポジティブなメッセージがハマります。
後半、小室のキーボードソロが少し差し込まれますが、正直言ってここは衰えをやや感じました。病気のこともありますが、やはり、まだ本調子ではないのかもしれません。
1/2の助走
安定の木根バラです。
(※映像は初期TMのものです)
まさに名曲中の名曲ですが、ウツのボーカルが本当に素晴らしいです。微塵も衰えを感じません。
今の年齢のTMには、やはりこういう聴かせるバラードが一番ハマりますね。ウツのアコギも良いです。
正直、この配信ライブで一番良かったのがコレです。涙腺が刺激されて、かなり危なかったです。
今後のライブでは、さらに木根バラ増やして欲しいですね。
Green Days
幻(?)の一曲、『Green Days』です。
この曲は比較的最近(2010年代)の楽曲ですが、オフィシャル音源が簡単に手に入らないため、よほどのファンしか知らない一曲でしょう。
落ち着いたアレンジで優しいメロディの曲ですが、歌詞が深いです。辞世の句のようです。
アルバム『SPEEDWAY』に入っていてもおかしくない、等身大小室哲哉な一曲です。
Get Wild
来ました。ゲワイです。
一瞬『’89』のようなイントロが挟まれますが、そのあとに続く、
「ゲワイさえ言わせとけば、あとは何してもゲワイ」
的な展開は、DTMアレンジが強烈だった『2015』バージョンに近いです。
ブレイクして木根さんのギターで入るところは、『2015』同様に好きなアレンジです。これはもう『Get Wild 2021』としか言いようないですね。
屋内でも凄まじいパイロ(炎)の演出で、ちょっとびっくりしました。
We Love the EARTH
他でも書きましたが、個人的にTMで一番好きな曲の一つです。
特にこのアルバム『EXPO』のハウスアレンジバージョンは、天才小室哲哉の真骨頂です。
配信ライブバージョンは、今までにないアレンジで新鮮ですが、特に三人のボーカルハーモニーが素晴らしいです。
しかし、こんな難しい楽曲をウツはよく音を外さずに歌えますね・・・。
SEVEN DAYS WAR
意外にもこの曲でライブは締めます。
シンプルなアレンジで、小室哲哉のキーボードが今日一素晴らしいです。後半のコーラスは時代を超越していて、感動的です。歌詞が染みました。
トトオのオススメ名曲ランキング
1位 『1/2の助走』
2位 『ELECTRIC PROPHET』
3位 『We Love the EARTH』
一人のFANKSとしての感想
TMもFANKSも年を重ねて
おそらく、この配信ライブまで観ているファンは、メンバーと同世代からやや下くらいの人が多いと思います。
TMの音楽を聴きながら、FANKSも歳を取り、色々なことがそれまでの人生であったはずです。その間、TMの浮き沈みをずっと観てきたようなファンでしょう。
復活までの経緯も含めたドキュメンタリー
ここ数年でも、色々なゴシップで、また地獄に落とされた小室哲哉でした。
しかし、周りにどんなことを言われても、自分には音楽しかないと。また一から音楽をやりたいと。それにウツと木根さんが応えて、このライブをやったわけです。
そんな、復活までの一部始終まで全てひっくるめたものが、今回の配信ライブだと思います。
そりゃ、泣けますよ、これは。単なるライブじゃなくて、もう完全なドキュメンタリーですね。
言いたいことは、音楽で伝える
新曲のテーマは、「Everyone makes mistakes, How do you crash it?(直訳:誰もが間違いを犯す、どうやってそれを壊していく?)」だそうです。
「それを自分で言うか?」と突っ込んでしまいそうですが、自分でそれを言わざるを得ないくらい、音楽ではなくそれ以外にばかり関心が寄せられる彼ら(というか彼)です。
(ちなみに、私は小室哲哉のプライベートに一切関心がありません)
ミュージシャンだからこそ、「言いたいことは、音楽で伝える」という姿勢は、実に清々しいです。
FANKSには、値段を付けようがない
合計9曲、約一時間しかないライブで、正直もうちょっと聴きたいな、という感じでしたが、復帰第一弾ならこのくらいがちょうどいい塩梅かもしれません。
配信ライブ一時間に約5,000円と聴くと、一般的にはコスパが悪いように思えるかもしれません。
しかし、このTM NETWORKの復活劇という壮大なドキュメンタリーの一部に、自分も参加していると思えるかどうかで、その価値は変わってくるでしょう。
コスパに対する私の意見は、
とします。
『Get Wild』くらいしか知らない若い人には、80年代後半のライブ映像をオススメします。
最高に格好良いです。
終わりに
この配信ライブは、これから『two』や『three』と続くようです。今後のライブでは、木根バラや初期の名曲を中心にやってもらいたいですね。
マイペースでも良いので、少しずつ走り出して、コロナが開けた時期に、本格的に再開できたら、また見に行きます。
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