【ARTIST INDEX】アーティスト名記事検索はコチラ
スポンサーリンク

【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『A Matter of Life and Death(ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記)』

IRON MAIDEN ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記 写真1 ブログ用 音楽

トトオです。

今回は、

復活ラインナップの第三作であり、

2000年代の最終作になります。

前回記事はこちらです。

この記事は、

以下の方にオススメです。

史上最重のニコのドラミングについて
メイデン史上随一のスルメ作品を知りたい
2000年代メイデンの最高傑作とは

概要『A Matter of Life and Death(ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記)』(2006年発表)

本作を楽しむコツ

2006年に発表された、

通算14作目のフルアルバムです。

前作からちょうど三年ほど経っています。

メンバーは変わらず、

安定のトリプルギター編成です。

このアルバムは、

楽しみ方にコツがあるので、

先にそれをお伝えします。

「とにかくデカイ音で聴く」

これです。

私は、本作を発売日に買いましたが、

メイデン熱が、やや冷めている時期でした。

そのため、正直なところ、

特に何も心に引っかからず、

数回聴いただけで、仕舞い込んでしまいました。

しかし、メイデン熱が復活してきた数年後、

改めて聴く機会がありました。

その際、音響設備を整えて聴いたら、

初めて聴いた当時と、印象が変わりました。

安いBluetoothスピーカーなんかではなく、

それなりのアンプに、

それなりのスピーカーで、

出来る限りでかい音で聴いてください。

ちなみに私は下記の環境で聴いています。

Windowsのノート
 →USB DAC
  →プリメインアンプ
   →スピーカー

それぞれ3万くらいのものです。

この程度でも、

はっきりと違いが感じられます。

自宅環境的に難しい場合、

一番手っ取り早いのは、

2-3万くらいのヘッドフォンを使って、

アンプ経由で聴くことでしょうか。

史上最重のドラミング

この作品は、過去最高にヘヴィです。

特筆すべきは、ニコのドラミングで、

重戦車のような凄まじい爆音です。

『バーチャル・イレヴン』の、

あのペコペコドラムと同一人物なんて、

到底信じられません。

スティーヴのベースは

相変わらずバキバキですが、

本作ではベースよりも、

ドラムのパワフルさが際立ちます。

また、トリプルギターのコンビネーションも、

これ以上ないバランスです。

三人のギタリストがいるわけですが、

一人が三本のギターを使い分けているような、

全体の整合性があります。

そしてブルース。

おそらく、彼のキャリアで、

もっとも脂が乗っていたのは、

この時期ではないでしょうか。

などなど、

この作品は過去最高のコンディションで、

作られています。

コンセプトアルバムのとっつきにくさ

また、本作はコンセプトアルバムであるため、

一つ一つの曲を取り出して楽しむよりも、
アルバム一枚を一曲として聴く

そんな楽しみ方が適当です。

しかしこれが、

この作品のとっつきにくさの要因です。

ラジオ向きの曲や、キャッチーな曲がないために、

退屈なメリハリのない作品として、

受け取られる可能性が高いです。

ただ、メイデンファンなら、

間違いなく楽しめる作品です。

先に説明したように、

それなりの環境を整えて、

腰を据えて聴き込んだください。

楽曲構成

全10曲とやや少なめの曲数ですが、

これは一曲が長いからです。

スティーヴ単独:1
エイドリアン・スティーヴ:1
ブルース・スティーヴ:1
デイヴ・スティーヴ:1
ヤニック・スティーヴ:2
ブルース・エイドリアン・スティーヴ:4

例の如く、全曲スティーヴが参加していますが、

今回もニコを除く全員が作曲しています。

特筆すべきは、

スティーヴ・エイドリアン・ブルースという、

強力なソングライター三人の共作が、

四曲もある点でしょう。

収録時間

また、曲時間は、

4分台:1
5分台:2
6分台:1
7分台:3
8分台:1
9分台:2

となっており、

6分以上が大半を占める構成です。

9分以上が二曲もあります。

正直なところ、

もっと長い曲ばかりという印象だったので、

4-5分の曲なんてあったかな?

と今回調べた時に思いました。

サウンドプロダクション

プロデューサーは、

連続登板中のケヴィン・シャーリーです。

もはや専属プロデューサーですね。

アルバムジャケット

テーマ通りの戦場のエディーですが、

アメコミのイラストレーターらしく、

なかなか格好良いですが、やや地味ですね。

と、長くなりましたが、

ようやくここからレビュー本編です。

全曲レビュー

輸入盤(Disc1)

#1 ディファレント・ワールド – Different Worlds (Smith/Harris) [4:17]

スティーヴとエイドリアンの共作です。


2ndシングルにもなっています。

謎のおたけび「アイー」で始まり(ニコ?)、

そこから「テテッテッテッテー」という、

リフで幕を開けます。

しかし、このリフのパンチが弱い。

アルバム一曲目の出だしとしては、

かなり弱い。

さらに、曲のスピードもミドルテンポで、

つかみはイマイチです。

これがこのアルバムをとっつきにくくしている、

最大の要因かもしれません。

冒頭のリフは弱いですが、

サビの歌メロは格好良いし、演奏も文句なしです。

既述ですが、

ニコのドラムの爆音が半端じゃないです。

スネアもタムもバスドラも、

最高によく鳴っていますが、

ライドやシンバルも大迫力です。

ギターの音色は、シンプルながら、

芯の太いディストーションで、

歌のメロディーが際立ちます。

#2 ディーズ・カラーズ・ドント・ラン〜軍旗の下に – These Colours Don’t Run (Smith/Harris/Dickinson) [6:52]

スティーヴ・エイドリアン・ブルース、

強力トリオの一曲目です。

イントロの、

ミュート気味のアルペジオが渋いですが、

そのあとは前曲とかなり似た色付けです。

このアルバムは、

どの曲も似たような雰囲気で、

これも難度が高い理由ですが、

この曲もサビがめちゃいいです。

中間パートの三連符の、

ギターのユニゾンのリフがスリリングです。

ここで重ねるギターソロは誰でしょう?

エイドリアンでしょうか、上手いです。

オーディエンスも歌えるパートもあり、

盛り沢山ですね。

ただし、この二曲目あたりで、

すでに脱落している人も多いかもしれません。

それくらい、地味で渋めな曲です。

#3 ブライター・ザン・ア・サウザンド・サンズ〜黄色い太陽 – Brighter Than a Thousand Suns (Smith/Harris/Dickinson) [8:44]

強力トリオの二曲目です。

これまた、前曲に似たイントロのため、

二曲目で退屈に感じた人は、

寝てしまうのではないでしょうか。

しかも、8分以上もあります。

しかし、恐ろしくヘヴィなリフです。

ギターソロもこの曲は特に良いですね。

そして、過去最大級のドラムの爆音です。

後半盛り上げて、疾走するという、

曲の構成まで前の曲に似ているので、

区別がつかない人も多いかもしれません。

ブルースの歌唱は、高音も凄いですが、

低音もとても繊細に歌えて、絶品です。

これぞベテランの技ですね。

あと、この曲は意外にも、

シンセがかなり使われています。

#4 ザ・ピルグリム〜巡礼者達 – The Pilgrim (Gers/Harris) [5:07]

ここにきて、

強力トリオの二人とヤニックが交代です。
(スティーヴは不動)

前作『死の舞踏』で、

株が爆上がりのヤニックですが、

この曲もめちゃくちゃいいです。

アルバム全体のダークなムードが、

ヤニックのメロディにも影響しており、

特有のダサさを抑え込んでいます
(ヤニックファンごめんなさい)

この曲もサビが良くて、

ブルースも歌い甲斐があったでしょう。

ギターソロも、

ヤニックらしいインプロっぽい部分が、

アルバムの予定調和的な雰囲気を、

良い意味で壊しています。

#5 ザ・ロンゲスト・デイ – The Longest Day (Smith/Harris/Dickinson) [7:48]

強力トリオの三曲目です。

イントロが地味です。

もはやイントロが弱いのは、

このアルバムの特徴ですね。

しかし、この曲も歌が素晴らしい。

歌メロが素晴らしい曲が多いこのアルバムでも、

一二を争う良サビです。

ブルースは単に歌がうまいだけではなく、

彼にしかない独特の声質があって、

本当に唯一無二ですね。

この曲は、スティーヴのベースが特に映えます。

バッキバキです。

そして、相変わらずの爆音ドラム。

やはり、戦争テーマだからでしょうか、

後半なんか爆撃のような演奏です。

この曲で前半五曲終了ですが、

完全に評価は二分するだろうと思います。

#6 アウト・オブ・ザ・シャドウズ – Out Of the Shadows (Dickinson/Harris)[5:36]

ここにきて、

強力トリオのエイドリアン抜きです。
(というか、スティーヴとブルース)

ここで一旦トーンダウンします。

グッとスピードを落として、

グルーヴに重きを置いた、

ある種バラードとも言える一曲です。

言うまでもなく歌がいいです。

やや前曲に似た、歌い上げる感じの一曲ですが、

シンプルで渋いです。

#7 ザ・リインカネイション・オブ・ベンジャミン・ブリーグ〜輪廻 – The Reincarnation of Benjamin Breeg (Murray/Harris)[7:21]

スティーヴとデイヴの共作です。


第一弾のシングルカットです。

なぜこれが、

最初のシングルになったのでしょうか?

短い曲でもないですし、

地味な曲の多いこのアルバムでも、

最も地味な曲の一つです。

まあ、そもそもこのアルバムに、

シングルカット向きの曲なんか、

ないと言えばないのですが。

デイヴ曲ならではかもしれませんが、

ギターソロが良いです。

一瞬聴いただけで、

誰が弾いているか一発でわかるような、

国宝級のメロディです。

#8 フォー・ザ・グレイター・グッド・オブ・ゴッド〜御名に捧ぐ – For The Greater Good of God (Harris)[9:24]

本アルバム唯一のスティーヴ単独曲です。

さすがは、バンマススティーヴの渾身の一曲です。

歌が良いこのアルバムでも、

最もサビが印象的な一曲です。

また、展開の上手さや、

練られたメロディなど、

趣味性の高いこのアルバムでも、

一番ではないでしょうか。

2010年代のライブでも、

このアルバムからは、

この曲だけ生き残っていることからも、

彼らの自信の程がうなづけます。

#9 ロード・オブ・ライト〜光の主へ – Lord Of Light (Smith/Harris/Dickinson)[7:23]

強力トリオのラストです。

アルペジオで湿っぽく始まりますが、

その後は、ディストーションギターで、

勢いよく本編突入します。

このアルバムの特徴である、

歌の良さ、ヘヴィなギターリフ、

爆音のドラム、長い曲時間、

全部揃った一曲です。

#10 ザ・レガシー – The Legacy (Gers/Harris)[9:20]

ラストは、スティーヴとヤニックの一曲です。

『死の舞踏』で、存在感を示したヤニックが、

ここに来てまた大活躍します。

アコギをフィーチャーした曲で、

70年代プログレのようです。

その後ヘヴィなリフが始まりますが、

ラストなだけあって、

他よりも大仰なアレンジです。

ギターソロも、

本作随一の泣きっぷりですし、

ツインリードのメロディも格好良く、

ブルースの歌唱もこれ以上ないくらい、

高音まで伸びきっています。

ブルースはこの時点でもう五十前です。

こんな中年、他にいるかって話ですね。

超人です。

輸入盤特典(Disc2/ボーナスDVD)

私が当時買ったアルバムは、

メイデンの新譜としては、珍しく輸入盤でした。
(理由は忘れました)

これには、

DVDがボーナスディスクとして付いていました。

IRON MAIDEN ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記 写真2ブログ用

The Making of A Matter of Life and Death [30:15]
“The Reincarnation of Benjamin Breeg” Video [7:23]
Studio performance footage of “Different World” [4:17]
Photo Gallery [5:36]

上記の内容ですが、

一番の見どころは、

アルバムのメイキングビデオでしょう。

彼らのスタジオ収録風景ですが、

インタビュー満載で、見応えがあります。

如何にケヴィン・シャーリーが、

メンバーと良好な関係を気づけているのか、

このビデオを見ているとよくわかります。

他には、

『ディファレント・ワールド』の、

スタジオライブ風のビデオが貴重です。

『フォトギャラリー』では、

渋いおっさん達のスライドショーが楽しめます。

採点 / オススメ名曲ランキング

『A Matter of Life and Death(ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記)』 /94点
トトオのオススメ名曲ランキング
トトオの
オススメ名曲
ランキング

1位『For The Greater Good of God』
2位『These Colours Don’t Run』
3位『The Longest Day』

総括

このアルバムには、

『Aces High』『The Trooper』も、

『Wasted Years』もありません。

シングルカット向きの曲すらありません。

しかし、アルバム一枚として見た時に、

これぞアイアン・メイデンの作品と言える、

素晴らしいクオリティに仕上がっています。

アイアン・メイデンが作り上げた、

現代の芸術ではないでしょうか。

終わりに

当時の彼らの知名度と人気になれば、

もう新作を出さないで、

ツアーだけでも十分やっていけたはずです。

新作を作るにしても、過去作から、

人気のあるものと似せて作れば、

それなりの評価になるはずです。

しかし、彼らは自分達の信念の基に、

この作品を作り上げました。

売れ筋の曲はなく、

とっつきにくく、

そして、地味です。

それだけに、この作品の素晴らしさに、

いまだ気づいていないメイデンファンも、

多いと思います。

もしこの作品が棚の奥で眠っていたら、

私のオススメの聴き方で、

改めて聴いてみてください。

次作は少し時間が空いて、

2010年代に突入します。

 

【おまけコラム/メイデンと私⑭】今はなきZEPP OSAKA

『ブレイヴ・ニュー・ワールド』ツアー。

ZEPP OSAKAでの、

来日公演の日が来ました。

普段は一人でしか、

ライブに行かない私ですが、

今回は珍しく、

最近メタルを聴き始めた友人と、

一緒に参戦です。

この友人は、

メタルを聴き始めたばかりにも関わらず、

ガンマ・レイの来日公演に、

一人で行ってきたと言う猛者です。
(たしか、Power Plantのツアー)

ZEPP OSAKAは、

前回のIMPホールよりはかなり広く、

前のステージから、ホールの後方にかけて、

徐々に床が高くなっていました。

整理券の番号は、

大体前から三ブロック目くらいでした。

そんなに広いホールではありませんが、

ステージからはそれなりに距離がありました。

お客さんも一通り入って、客電が落ちるまで、

もうそろそろというところで、

友人が意外な行動を起こしました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました