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【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『The X Factor(X ファクター)』

IRON MAIDEN X ファクター 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

メイデンレビュー第10弾です。

記念すべき10枚目ですが、

世間的には暗黒時代と見られます。

本作から、

ボーカルが、

ブレイズ・ベイリーに変わります。

前回記事はこちらです。

【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』
トトオです。 メイデンレビュー第9弾です。 エイドリアンが抜けたメイデンは、 八作目で大きく方向転換しました。 八作目と同体制で作られた九作目は、 ブルースの最後の作品になります。 (その後、結局戻りますが) 前回記事はこちら...

この記事は、

以下の方にオススメです。

メイデンの黒歴史を知りたい
ゴシックメタルやプログレッシブロックが好き
トトオの一番の愛聴盤を知りたい

【メイデンと私⑩】仲間

突然客電が落ちたと思った瞬間、

後ろから人塊の波が押し寄せて、

もみくちゃに。

息しそうになった瞬間、

ステージから発せられる爆音。

目前5-6mくらいの距離に、

メンバーがいました。

一瞬何の曲かわかりませんでしたが、

数秒して、それが、

新作の一曲目、

『Futureal』であることが認識できました。

周りに合わせて無我夢中で、

縦ノリに合わせます。

「なんや
 なんなんやこれは
 めちゃくちゃ楽しいやん!」

高校時代、

来る日も来る日も聴いたメイデン。

周りを見ると、

本当にみんな嬉しそうに、

曲に合わせてノリまくっています。

この時、初めて気づきました。

そうや、俺ずっと一人で聴いてたな。

誰ともメイデンの話なんかで、

盛り上がったことなかったな。

こんなに好きな人おったんや…。

めっちゃええやつらやんか、みんな…

知らんけど。

息つく暇もなく、

立て続けに新作からの曲が、

演奏されていきます。

概要『The X Factor(X ファクター)』(1995年発表)

95年発表の10作目です。

前作でブルースが去り、

新しくブレイズ・ベイリーが加入しました。

私は、リアルタイムでは、

この時期聴いていませんでした。

(この翌年くらいに聴き始めた)

スーパーシンガー・ブルースの後任として、

ブレイズの評判はすこぶるわるく、

この新作は、

こきおろされていたようです。

私は、

そもそもブルースが現役だった時代を、

リアルタイムで知りませんでした。

最初にハマったのは、

『Best of the Beast』という

ベスト盤です。

そのため、

ブルースがどうとか、

ブレイズがどうとかは、

メイデンを聴き始めた当初は、

あまり気になりませんでした。

楽曲構成

このアルバムの楽曲は、全11曲です。

全体として、

スティーヴ単独:4
スティーヴ・ヤニック共作:2
スティーヴ・ヤニック・ブレイズ共作:4
ブレイズ・ヤニック共作:1

上記、全11曲となっています。

まず、

ヤニックの貢献が目立ちます。

今作では、

7曲でクレジットされています。

また、

新メンバーのブレイズも、

5曲にクレジットしており、

新人にしては大貢献しています。

それに引き換え、

我らがデイヴは、

クレジットなしです。

国内盤ボーナスディスク

しかし、ご安心ください。

私が持っている国内盤には、

三曲入りのボーナスディスクが付属しており、

その中にデイヴ曲が含まれます。

Justice of the Peace (Harris,Murray)
I Live My Way (Harris,Bayley,Gers)
Judgement Day (Bayley,Gers)

の三曲です。

『The X Factor』用に

レコーディングされたのは、

これら三曲を含めた、

14曲だったようです。

しかし、

結果的に収録されなかったようで、

こういったことはメイデンとしては、

珍しかったようです。

なぜ本編から外されたのでしょうか…。

収録時間

本作の注目すべき点は、

収録曲の時間です。

11分:1曲
8分  :1曲
7分  :1曲
6分  :2曲
5分  :5曲

となっています。

3分台・4分台の曲が皆無です。

このあたりが、

この作品の評価にも、

影響を与えているように感じます。

アルバムジャケット

アルバムジャケットは、

ダークな作風にピッタリの、

立体造形エディーです。

まるでH・R・ギーガーのようです。

ELPを思い出します。

メンバーのジャケ写も、

なにか陰鬱な雰囲気漂います。

当時スティーヴは、

家庭の問題を抱えていたり、

色々な要素が重なった結果、

このようなムードになったと想像できます。

それでは、全曲レビューです。

全曲レビュー

#1 サイン・オブ・ザ・クロス/Sign Of The Cross(Harris)[11:17]

いきなり一曲目から、

本アルバムのハイライトです。

荘厳なコーラスに続き、

語りのようなブレイズの歌唱に入ります。

そのあとの展開が、長い。

盛り上がるまで、溜めに溜めます。

シンセサイザーの使い方や、

ギターのエフェクトなど、

世界観の構築に、相当手が込んでいます。

このアルバムの音質面での特徴は、

ギターの音がかなり抑えられていることと、

ドラムの音が大きすぎることでしょう。

個人的には、

この曲の展開や構成、

メロディなど、とても気に入っています。

前作の『Fear of the Dark』路線を、

更に進めたように感じられます。

この曲を聴くと、

プレイステーションの名作アクション、

『悪魔城ドラキュラX~月下の夜想曲~』を、

思い出します。

ゴシックホラー的な雰囲気が、

どちらも素晴らしいです。

ブレイズの歌唱は、

確かにブルースとの比較になると、

やはり厳しいですが、

このアルバムの雰囲気には、

ハマっていると思います。

#2 ロード・オブ・ザ・フライズ/Lord Of The Flies(Harris,Gers)[5:03]

シングルカットもされた二曲目です。

スティーヴとヤニックの共作ですが、

ヤニック作曲であろうギターリフが、

とても格好良いです。

サビのメロディも良く、

独特のムードも、

個人的にお気に入りですが、

これはやはり売れないでしょう。

各楽器の音量のアンバランスさや、

ブレイズの歌唱力の低さが露呈しています。

ブルースが歌っている、

この曲のライブ版を聴くと、

完全にブルースの曲になっていて、

驚きます。

但し、私はこのブレイズ版も大好きです。

比喩的な歌詞ですが、

かなりネガティヴですね。

#3 マン・オン・ジ・エッジ – Man On the Edge(Harris)[4:13]

こちらもシングルカットの三曲目です。

このアルバムで、

ほぼ唯一の疾走曲です。

ブレイズとヤニックの曲ですが、

この二人でも驚くほどメイデンしています。

しかし個人的には、

このアルバムの中では一番退屈な曲です。

悪くはないんですが、

取り立てて良いところもないんですよね…。

また、

曲順がよろしくないと思います。

この曲が三曲目で、

そのあとラスト11曲目まで、

ダーク・ダウナーな長尺曲だけの構成です。

三曲目だけ、

流れから浮いたように感じます。

#4 フォーチュンズ・オブ・ウォー/Fortunes Of War(Harris)[7:23]

スティーヴ単独曲です。

すでに書きましたが、

ここから11曲目まで、

8曲連続で陰鬱・長尺曲が続きます。

構成が全て似通っており、

ギターのアルペジオで暗く始まり、

途中からディストーションサウンドに入り、

長めの中間パートがあって、

サビからギターソロに入ります。

全てこんな感じです。

戦争テーマの曲で、

前作の『Afraid To Shoot Strangers』

通じるものがあります。

#5 ルック・フォー・ザ・トゥルース/Look For The Truth(Harris,Gers,Bayley)[5:10]

スティーヴ・ヤニック・ブレイズ、

三人の共作です。

陰鬱・長尺曲の二曲目です。

冒頭のアルペジオの繊細な響きは、

聴き込まないと、

良さが伝わらないと思います。

途中から、アンバランスな音量のドラムで、

ディストーションパートに入ります。

コーラスが印象的な曲で、

ライブで客も盛り上がったはずです。

(やっていればの話ですが)

#6 ジ・アフターマス/The Aftermath(Harris,Bayley)[6:20]

スティーヴとブレイズの共作です。

これまたギターのアルペジオから始まります。

パッと聴いただけでは、

この三曲なんかは、

それぞれ覚えられない人が、

多いのではないでしょうか。

これも戦争テーマで、

かなり重たい歌詞ですね。

#7 ジャッジメント・オブ・ヘヴン/Judgement Of Heaven(Harris) [5:12]

スティーヴ単独の曲です。

比較的速めの曲になります。

この曲のサビは、

ここ数曲よりもキャッチーで、

リフもギターソロも格好良いです。

この前の数曲で退屈していても、

この曲でハッとする人も、

多いのではないでしょうか。

この曲では特に印象的ですが、

ギターの音色は前作に近い、

ナチュラルに近い、

ディストーションサウンドです。

歌詞は、

これまでの自分の人生を、

複雑な心境で振り返るもので、

やはり、

スティーヴの、

当時のプライベートの状況を、

想起させます。

#8 ブラッド・オン・ザ・ワールズ・ハンズ/Blood On The World’s Hands(Harris)[5:57]

これまたアルペジオで始まります。

ただし、クリーントーンっぽいです。

このアルバムを作っているときに、

メンバーは何も思わなかったのでしょうか。

「どれも似たり寄ったりだぞ」と。

これまたスティーヴ曲です。

展開が4・5・6曲目あたりとほぼ同じです。

サビは結構印象的なのですが、

ブレイズの歌唱がやや浮いて聴こえます。

しかし、個人的には、

これが彼のスタイルだと、

言い切ってもいいんじゃないか、

と思います。

比較的ギターソロが長めで、

ソロ後の展開なんかも、

とても良いメロディがあります。

しかし、

さすがに8曲目までこんな感じだと、

普通の人が集中して聴くのは、

しんどいのではないでしょつか。

#9 ジ・エッジ・オブ・ダークネス/The Edge Of Darkness(Harris,Gers,Bayley)[6:39]

スティーヴ・ヤニック・ブレイズ、

三人の共作です。

SEから曲が始まり、

おっ、ようやく変えてきたな、

と思う間もなくアルペジオです。

冒頭、かなり抑えて歌いますが、

ここでも、

ブレイズのボーカルレンジの狭さが、

露呈しており、

ブルースだとどう歌ったかな、

などと想像してしまいます。

途中から、

やや風変わりなギターリフが差し込まれて、

盛り上げます。

このあたりは、

ヤニックのセンスっぽい気がしますね。

ギターソロは格好良く、

細部までよく練られている印象です。

#10 2AM/2 A.M.(Harris,Gers,Bayley)[5:37]

これまた同じ三人の共作です。

この曲の歌詞は、

ブレイズが自身へ向けた、

メッセージソングのような感じもあり、

ブレイズのソロでも演奏していました。

(最近のブレイズの変わりようといったら…)

展開に関しては、

他と大きく変わらないので、

もう説明しません。

ギターソロもシンプルながら、

味があり、とても良いです。

サビのメロディ及び歌詞は、

他の曲よりもブレイズにハマっており、

アレンジ次第では、

もう少し映える曲になったようにも、

思います。

一曲だけ取り出して聴いても、

この曲は好きになれる人も、

多いのではないでしょうか。

#11 ジ・アンビリーヴァー – The Unbeliever(Harris,Gers)[8:10]

ラストは、

8分の大作で、

スティーヴとヤニックの共作です。

最後に来て、

ややラウドなイントロかと思ったあとに、

ギターとベースのユニゾンに、

ドラムのチンドン屋のようなアレンジに、

ずっこけます。

途中の展開もやはり他同様なのですが、

この曲はラストだけあって、

アレンジは相当こだわったようで、

途中のベースソロでは、

スティーヴの最高のプレイが聴けます。

こんな格好良い

ベースラインを弾けるプレイヤーは、

世界中探しても、彼だけでしょう。

この曲の歌詞もかなり内省的で、

アルバム最後の最後まで、

暗いまま終わりました。

ここまでで、本編は終了です。

国内盤ボーナスディスク

ここから、

ボーナスの三曲をレビューします。

IRON MAIDEN X ファクター 写真 2 ブログ用

Bonus Disc #1 ジャスティス・オブ・ザ・ピース/Justice Of The Peace(Murray,Harris)[3:34]

来ました。

我らがデイヴ、

唯一のクレジット曲です。

作中では、

『Man on the Edge』に近いような、

ロックンロールっぽいナンバーです。

ブレイズの歌唱もハマっています。

ボーナス曲であっても、

音質は、本編収録曲と遜色ないです。

『Fear of the Dark』には、

後半、没個性な曲がありましたが、

それらの曲と比べても、

悪くない仕上がりです。

Bonus Disc #2 アイ・リヴ・マイ・ウェイ/I Live My Way(Harris,Bayley,Gers)[3:48]

スティーヴ・ヤニック・ブレイズの

共作です。

この曲も、

割とロックっぽいナンバーで、

ノリが良いです。

しかし本編の曲と比較すると、

やや作り込みに欠ける気がします。

但し、前曲同様に、

ブレイズにはハマっているように思います。

Bonus Disc #3 ジャッジメント・デイ/Judgement Day(Bayley,Gers)[4:02]

これまた、三曲目も速い曲です。

リフが次作収録の『Futureal』のようです。

ギターソロを弾きまくっていますが、

練り不足というか、

かなりインプロっぽいですね。

これはボーナス扱いで妥当かな、

と思います。

これでボーナス三曲が終了です。

結果的に外れた三曲ですが、

これらの曲を、

どこに入れたら良かったのか考えると、

やはりアルバムの流れからして、

難しかったように感じます。

採点 / オススメ名曲ランキング

『The X Factor(X ファクター)』 /99点
トトオのオススメ名曲ランキング
トトオの
オススメ名曲
ランキング

1位『Sign Of The Cross』
2位『Lord Of The Flies』
3位『2 A.M.』
4位『Judgement Of Heaven』

総括

正直な所、

このアルバムに点数をつけるのは、

とても難しいです。

ケチのつけようなら、

なんぼでもある作品で、

世間的には厳しい評価なのも、

よく理解できます。

一般の人の評価だと、

70点台かもしれません。

しかし、

私はおそらくメイデンの作品でも、

この作品を突出して聴き込んでおり、

軽く1,000回は超えていると思うので、

日本一、

下手したら世界一、

聴いているかもしれません。

この作品は、

一曲一曲取り出して評価するべきではなく、

アルバム全体で見たほうが、

その素晴らしさが伝わりやすいと思います。

少なくも20年以上、

飽きずに聴き続けられるような、

不思議な魅力のある名盤です。

これまでのメイデンの

ラインナップと比較するのは無意味で、

この作品は、

また全く別の文脈で、

語られるべきだと思います。

前作までで、

ある種ヘヴィメタルの

教科書を作り上げたような、

天才スティーヴ・ハリスが、

新たに挑んだ新境地が、

この作品だったと思います。

ブルースが抜けたことで、

挑戦せざるを得なかったわけですが、

そのおかげで、

これまでとは違った作品が、

出来あがりました。

過去最高に趣味性が高く、

聴くだけで、

別世界に連れていかれるような感覚に

陥ります。

この作品は、

旧来のメイデンファンや、

いわゆるメタラーには、

あまり魅力的に映らないと思います。

どちらかというと、

ゴシック系バンドが好きな人や、

アンビエントテクノが好きな人、

もしかすると、

シューゲイザーが好きな人、

音楽を楽しむ上で、

アルバムの世界観や雰囲気を重視する人に、

聴いてもらいたいです。

点数は99点ですが、

既述の通り、

『Man on the Edge』が、

あの順番で入っていることで、

序盤の流れが悪いので、

満点にはしませんでした。

この曲は、

ボーナスディスクに入れたほうが、

自然でした。

このアルバムは、

メイデン初心者には、

絶対おすすめしません。

ただ、私にとっては、

満点に近いような、

不思議な魅力に溢れた、

作品です。

ちなみに、

この作品を聴くのは、

夜が適していると思います。

前作『Fear of the Dark』もそうでしたが、

この作品も夜のイメージが強い作品です。

静かな夜に、

良いステレオでじっくり聴くと、

また違った一面が、

発見できると思います。

終わりに

これを読んだ人は、

2018年のM-1グランプリで、

ジャルジャルに99点つけた、

立川志らくを思い出したかもしれません。

私が一般のリスナーで、

ある種客観的な感じを装って、

点をつけたら、

80点台あたりで、

無難に終わらせたかもしれません。

しかし、

数々音楽を聴いてきた私にとって、

この作品はやはり特別であり、

他に代わりがないものでした。

もしこのレビューを機に、

世間的に評価が低いという理由で、

この作品を避けていた人が、

興味を持ってもらえれば、

このブログをやっていた甲斐が

あったというものです。

(実は、日本以外では、

新しいファンを中心に、

この作品は評価が高いようです)

次作は、

早くもブレイズの最終作です。

こちらは、

やはりこうなってしまったか、

という感じのアルバムです。

【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『VIRTUAL XI(バーチャル・イレブン)』
トトオです。 メイデンレビュー第11弾です。 前作『X ファクター』で、 ボーカルが、 ブレイズ・ベイリーに代わりました。 それから三年後に発表された、 11枚目となる『バーチャル・イレヴン』は、 ブレイズのボーカルとしては、...

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