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【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』

IRON MAIDEN フィア・オブ・ザ・ダーク 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

メイデンレビュー第9弾です。

エイドリアンが抜けたメイデンは、

前回の八作目で大きく方向転換しました。

同体制で作られた今回の九作目は、

ブルースの最後の作品になります。
(その後、結局戻りますが)

前回記事はこちらです。

この記事は、

以下の方にオススメです。

90年代の最高傑作を知りたい
夜道を歩くと気配を感じる
どうせなら、華々しく散りたい

概要『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』(1992年発表)

ブルースの(復活前)最終作

92年発表の九作目です。

前作と同様の布陣で発表されました。

この後、ブルースがメイデンを去ります。

彼がソロワークに注力したことが、

脱退の大きな原因です。

そんな背景にも関わらず、

このアルバムは素晴らしい出来です。

ブルースとスティーヴの関係性

楽曲構成は、

スティーヴ単独:5
ブルース単独:0
スティーヴ・ブルース共作:0
ブルース・デイヴ共作:1
デイヴ・ブルース共作:1
スティーヴ・ヤニック共作:2
ブルース・ヤニック共作:3

上記の全12曲となっています。

敢えて「0」でも書きましたが、

ブルース単独及び、

スティーヴとブルースの共作がゼロです。

前作との一番の違いがここです。

やはり、バンマスのスティーヴと、

この時期のブルースは、

微妙な関係だったということでしょう。

また、ブルースとデイヴの共作が二曲ですが、

クレジットのされ方がそれぞれ違います。

デイヴが先にクレジットされている、

8曲目の『Chains Of Misery』は、

よりデイヴが関わったということでしょう。

前作では作曲に関わらなかったヤニックが、

共作とはいえ5曲に参加しています。

ヤニックはブルースに連れてこられて、

メイデンに参加したはずですが、

ブルースがこういう状況にも関わらず、

バンドにかなり馴染んできているようです。

「この野郎、俺より馴染みやがって」とか、

ブルースは思わなかったのでしょうか。

メルヴィン作 木人エディー

前作は、おっさんとエディーの、

ツーショットのジャケットでした。

本作は木と一体化した、

木人エディーです。
(鉄拳を思い出します)

イラストレーターが、

長年のデレク・リッグスから、

メルヴィン・グラントに変わっています。

やはりおっさんの評判が、

良くなかったのでしょうか?

本作のアルバムタイトルや、

曲イメージにぴったりの、

素晴らしいジャケットです。

インナー写真に関しても、

真夜中の古城で棒立ちのメンバーが、

ある種ホラーなムードを醸し出しています。

全曲レビュー

#1 ビー・クイック・オア・ビー・デッド/Be Quick Or Be Dead(Dickinson,Gers)[3:24]

一曲目は、ブルースとヤニックの共作です。

冒頭、ニコのスネアが、

マシンガンのように炸裂します。

本作は、スネアの音が独特で、

他の作品と比較して、

緩めにドラムヘッドを張っているようです。

そのため、打音が太く感じられて、

独特のヘヴィさを演出しています。

一曲目にふさわしいファストナンバーで、

メイデンのオープニングとしても、

屈指の名曲ではないでしょうか。

PVも前作と比較すると、

それなりに格好良く撮れています。

#2 フロム・ヒア・トゥ・エタニティ/From Here To Eternity(Harris)[3:38]

二曲目は、スティーヴ単独曲です。

私は、『Wasted Years』が、

メイデンで一番好きな曲と書きましたが、

この曲が二番目に好きかもしれません。

スティーヴ作の曲の中でも、

屈指のポップなメロディーの曲です。

本作特有のギターの音色が、

この短いキャッチーな曲にハマっています。

ストラトならではかもしれませんが、

エッジは立っていないにも関わらず、

真の太いディストーションサウンドです。

若手のバンドには絶対出せない音ですね。

このアルバムは夜をコンセプトにしていて、

明るくなりすぎない独特のムードで、

これが病みつきになります。

#3 殺戮の恐怖/Afraid To Shoot Strangers(Harris)[6:56]

三曲目はこれまた超名曲、

『Afraid To Shoot Strangers』です。

(ビデオはブレイズ時代の物で、
 おそらくベスト盤に使われた音源です)

スティーヴ単独の長尺曲ですが、

このアルバムのハイライトはこれと、

タイトル曲『Fear of the Dark』でしょう。

アルペジオでメロウに始まりますが、

サビのメロディをギターでなぞる辺りから、

劇的に展開していきます。

このアルバムのギターの音色は、

派手さはなくとも、とても心地よく、

曲の素晴らしさを際立たせています。

#4 フィア・イズ・ザ・キー/Fear Is The Key (Dickinson,Gers)[5:35]

一曲目同様、ブルースとヤニックの共作です。

あまり目立つところのない地味な曲です。

このアルバムの一つの特徴ですが、

収録曲がかなり多いためか、

地味な曲がいくつも入っています。

アルバム全体のカラーが、

統一されているため、

地味な曲はより目立たちません。

この曲も、途中の展開も結構凝っていて、

聴きどころは十分ありますが、

本作の他の名曲に比べるとやはり落ちます。

#5 絶望の淵/Childhood’s End(Harris)[4:40]

スティーヴ単独の曲です。

前曲同様、やや地味な曲です。

但し、キャッチーな歌メロは悪くないですし、

演奏も凝っていて面白いです。

ギターソロが格好良く、

その後の展開もスリリングです。

前作に入っていたら、

もう少し目立っていたと思います。

#6 ウェイスティング・ラヴ/Wasting Love(Dickinson,Gers)[5:50]

またもブルース・ヤニックコンビの曲です。

メイデンがここまで、

バラードらしいバラードをやるのは、

初ではないでしょうか。

PVもとても落ち着いた感じで、

前作の『Holy Smoke』で、

悪ふざけしていた連中とは、

とても思えません(失礼)。

ギターソロが良い曲の多い本作でも、

このソロは出色の出来です。

#7 終わりなき逃亡/The Fugitive (Harris) [4:54]

スティーヴ単独の曲です。

このアルバムの難所は、

このあたりから、

11曲目『Weekend Warrior』まで、

メリハリがないことです。

「悪くはないけど地味」

といった楽曲が五曲も続きます。

この曲もまさにそんな感じで、

通しで聴くとやはり埋れます。

ヘッドフォンで集中して聴くと、

バックのギターやSEも聴こえてきて、

意外な発見がありました。

#8 チェインズ・オブ・ミザリー/Chains Of Misery(Murray,Dickinson)[3:37]

出ました。我らがデイヴの出番です。

妙にポップな歌メロで、

コーラスが気持ちいいです。

しかし、さすがはデイヴ曲、

ややB級っぽく感じられます。

デイヴが書いた曲の中では、

個人的に特に好きな一曲です。

構成もシンプルで、気楽に楽しめます。

#9 妖しき者/The Apparition(Harris,Gers)[3:54]

スティーヴとヤニック共作です。

独特のグルーヴ感のある曲で、

この辺はヤニックのエッセンスでしょうか。

しかし、取り立てて語るところのない曲

というのが正直なところです。

#10 ジューダス・ビー・マイ・ガイド/Judas Be My Guide(Dickinson,Murray)[3:08]

また来ました。

我らがデイヴ(共作)の二曲目です。

アルバム後半の盛り上げ役として、

名乗りをあげたにも関わらず、

不完全燃焼してしまったような曲です。

キャッチーな歌メロとか、

ひきまくりのギターソロとか、

好きなんですけどね。

楽曲数が多すぎるのが、

そもそもの問題という気がします。

#11 ウイークエンド・ウァリアー/Weekend Warrior(Harris,Gers)[5:39]

スティーヴ・ヤニックの二曲目です。

長かった地味曲五連発も終わりです。

九曲目同様ですが、

アルバム中の他の曲とは、

少し違うものを狙ったような曲です。

シングルカットやライブ演奏には、

少々物足りないでしょう。

#12 フィア・オブ・ザ・ダーク/Fear Of The Dark(Harris)[7:16]

アルバムラストは、

スティーヴ単独のタイトルトラックです。

地味曲五連発を我慢してきた甲斐のある、

超の付く名曲です。

ブルースが初めて参加した、

『魔力の刻印』のラスト、

『Hallowed Be Thy Name』を彷彿とさせる、

素晴らしいメロディと展開です。

静と動のメリハリが素晴らしく、

「一緒に歌いたくなること間違いなし!」

といった楽曲です。

ブルースはこの曲を最後に、

バンドを後にしたわけですが、

これが彼の最後のボーカル曲に、

なっていたかもしれません。

こんな凄いの残して去られた日には、

「後任はそりゃしんどいよ」って感じです。

採点 / オススメ名曲ランキング

『Fear Of The Dark(フィア・オブ・ザ・ダーク)』 /93点
トトオのオススメ名曲ランキング
トトオの
オススメ名
ランキング

1位『From Here To Eternity』
2位『Afraid To Shoot Strangers』
3位『Fear Of The Dark』
4位『Wasting Love』

総括

ブルース最後のアルバムは、

スティーヴが意地を見せた感じで、

超名曲がいくつも入っています。

しかし、曲数が多すぎるため、

全体としてはやや散漫な印象です。

ここにエイドリアンがいて、

楽曲も厳選して整えれば、

最高傑作の一つに、

数えられたかもしれません。

終わりに

このアルバム後に、

ブルースはバンドを去ります。

ラストライブ(?)のVHSのビデオを、

持っていましたが、

ショー的な演出が強いライブで、

最終的にブルースが処刑されて、

終わるというものでした。

当時のバンド内の空気は、

どんなものだったのでしょうか。

これが、高校の時に初めて見た、

彼らのライブビデオでしたが、

「風変わりなライブをするバンドだな」

と、率直に思いました。

スーパーボーカリストのブルースが去り、

真の苦難の時代が始まります。

【おまけコラム/メイデンと私⑨】圧

リュックをしょったまま、

比較的前の立ち見席に陣取った私。

まだライブ開始までは、

30分以上あります。

長い・・・

この30分が長い・・・

初めてのライブ。

しかも一人。

周りを見ると、

仲間と来ている常連風が多数。

かつてない孤独感。

緊張感は徐々に高まるも、

何もできない状態で立ち続けること30分。

ようやく、開演時間になったのに、

まだ始まらない。

こういうもんなのか、

ライブってやつは。

永遠にも思える時間が流れた後、

突然客電が落ちて、

SEが流れ始めました。

その瞬間に、後ろから急激な圧。

肉の塊が後ろから押し寄せます。

呼吸もままならぬまま、

ライブが始まりました。

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