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【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『No Prayer for the Dying(ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング)』

IRON MAIDEN ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

メイデンレビュー第8弾です。

前作、前々作が、

メイデンの最高傑作と断言しました。

しかしその後、作曲の軸の一人、

エイドリアン・スミスが抜けて、

紆余曲折ありまくりの、

1990年代が始まります。

前回記事はこちらです。

この記事は、

以下の方にオススメです。

躍り狂う元気なおっさんが見たい
メイデン流ロックンロールを聴きたい
王者メイデンの試行錯誤を見たい

概要『No Prayer for the Dying(ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング)』(1990年発表)

エイドリアン脱退の影響

90年発表の八作目です。

既述の通り、

ギターのエイドリアンが辞めて、

その代わりに、ブルースのソロ

『Tattooed Millionaire』に参加していた、

Janick Gers/ヤニック・ガーズが加わります。

プレイヤーとしてのエイドリアンも、

素晴らしいのですが、

やはり作曲面の貢献が大きかったです。

本作は彼が抜けた影響が、

楽曲にはっきり現れています。

楽曲構成は、

スティーヴ単独:3
ブルース単独:1
スティーヴ・ブルース共作:3
スティーヴ・デイヴ共作:1
ブルース・デイヴ共作:1
ブルース・エイドリアン共作:1

上記、全10曲となっています。

スティーヴが関わった曲が七曲、

ブルースが関わった曲が六曲と、

基本的にこの二名で作り上げています。

ラフでシンプルな楽曲群

注目すべきは、

我らがデイヴの楽曲が、

二曲クレジットされていることです。

こんなことは、

メイデン史上初のことです(たぶん)。

あと、エイドリアンの名前も、

一曲にだけ残されています。

このアルバムの最大の特徴は、

『曲が短い』ことです。

一番長い『Mother Russia』でも5分台、

残り九曲は全て4分台以下です。

前作までで、エイドリアンと共に、

完璧な作品を作り上げた結果、

今作では、方向性を変えざるを得ず、

元気なヤニックの存在感を押し出し、

ラフでシンプルな作品を、

志向したようです。

おっさんのある時ない時

また本作は、

ジャケットやメンバーの写真が、

印象的です(悪い意味で)。

まずジャケットですが、

なんですかこのおっさんは・・・。

B級ホラー的な雰囲気です。
(今知りましたが、リマスターは
 「おっさんなし版」もあったんですね)

また、インナーのメンバー写真が、

なにか暗いところで、

ぶっきらぼうに突っ立ってる写真で、

もう少しどうにかならなかったのでしょうか。

おそらく、ラフな作品に合わせた、

雰囲気づくりなのでしょうが・・・。

前置きはさておき、全曲レビューです。

全曲レビュー

#1 テイルガナー/Tailgunner(Dickinson,Harris)[4:14]

一曲目は、ブルースとスティーヴの共作です。

音質がやや粗めで、ライブ感があります。

前作までは、ギターシンセを使った、

かなり作り込まれた音像でしたが、

本作はシンプルでストレートです。

特にドラムの音はかなりラウドですね。

ギターソロもかなりインプロっぽく、

ロックっぽい雰囲気です。

歌メロやギターリフは格好良く、

アルバム一曲目にはもってこいです。

歌詞的には、『Aces High』に続く、

「飛行機乗り曲第二弾」

といった感じでしょうか。

#2 ホーリー・スモーク/Holy Smoke(Dickinson,Harris)[3:49]

二曲目は、ベストにも収録された、

メイデン初心者向けの、

シンプル且つキャッチーな曲です。

これもスティーヴとブルースの共作です。

当時衝撃的だったのが、PVです。

ホームビデオで撮ったかのような低画質で、

「おっさんがただ悪ふざけしているだけ」

というように、当時の私の目には見えました。
(歌詞にちなんだシーンも実はある)

「欧米人=クール」という私の既成概念を、

完全にぶち壊してくれた作品です。

#3 ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイング/No Prayer For The Dying(Harris)[4:22]

スティーヴによるタイトル曲です。

メイデンとしては比較的珍しい、

バラード風な楽曲です。

ギターリフや、途中の展開は、

おもいっきりメイデンしています。

タイトル曲にしては押しが弱く、

かなり詰めこんだ感じがしますね。

#4 パブリック・エネマ 1/Public Enema Number One(Dickinson,Dave)[4:13]

ブルースとデイヴの共作です。

この組み合わせはメイデン史上初でしょうか?

サビはキャッチーですし、

途中のツインギターの展開は、

シンプルでも格好良いです。

ただ、やはりデイヴの曲らしく、

アルバム中では、相対的に地味ですね。
(その辺がまた好きなんですが)

#5 悪魔か?神か?/Fates Warning(Harris,Murray)[4:10]

スティーヴとデイヴの共作です。

まさかのデイヴ曲二連発で、

デイヴ祭の様相を呈しています。

話は変わりますが、この曲と同名の、

プログレメタルバンドが好きでした。

この曲は、初っ端のアルペジオから、

独特の雰囲気です。

このアルバムはジャケットデザイン他、

メンバー写真など、

夜のイメージが強いのですが、

この曲はそれにハマっています。

ギターソロもかっこよく、

ソロ後のツインリードの、

メロディも良いです。

やはり地味なのは否めませんが、

四作目・五作目あたりの地味な中盤曲よりは、

はるかにこちらの方が好きです。

#6 暗殺者/The Assassin(Harris)[4:18]

スティーヴ単独曲です。

頭のギターのエフェクトは、

日本のビジュアル系のような音です。

押し殺したようなコーラスと、

サビのボーカルの掛け合いが面白いです。

後半のギターソロはヤニックでしょうか、

かなり激しくて、存在感大です。

エイドリアンとは対照的です。

#7 ラン・サイレント・ラン・ディープ/Run Silent Run Deep (Dickinson, Harris) [4:34]

スティーヴとブルースの共作です。

頭にSEを持ってきて、

五曲目にも書いたような、

このアルバム特有のムードを、

醸し出しています。

サビが他の曲よりもキャッチーです。

但し、ギターリフが弱く、印象が薄めです。

メロディックなツインギターパートもありますが、

曲としてのまとまりに欠ける感じです。

本作の一般的な評価が高くない理由は、

この辺の中盤曲に目立ったものがない、

というのが主原因でしょう。

一曲一曲聴くと、結構良いのですが、

シングルのB面っぽい曲が多いです。

#8 フックス・イン・ユー/Hooks in You(Dickinson,Smith)[4:06]

エイドリアンとブルースの共作です。

頭にカウベルのカウントが入るあたり、

これまでのメイデンではやらないような、

ロックンロールっぽい曲です。

しかし、この曲はかなり良いですね。

耳に残る歌メロは、

やはりエイドリアンならではでしょうか。

エイドリアン好きの私としては、

やや甘めに見てしまっているかもしれません。

本作では一番好きな一曲です。

#9 ブリング・ユア・ドーター/Bring Your Daughter…To the Slaughter(Dickinson)[4:44]

ブルースの単独曲です。

ブルースのソロアルバムの曲を、

メイデンのアルバムにも入れたものです。

この曲はシングルカットされて、

チャート上位にも食い込んだようです。

確かにキャッチーですし、

サビが耳に残ります。

ブルースのソロよりも、

メイデンの方が、音がラウドで速いです。

それほど大きな違いはありませんが、

メイデン版のほうが好きですね。

#10 母なるロシア/Mother Russia(Harris)[5:31]

ラストはスティーヴ単独曲です。

このアルバムでは唯一の長尺曲です。

と言っても、5分半しかありません。

短い時間に、無理矢理色々な展開を、

詰め込んだような曲です。

メイデン曲に度々見られる、

演歌のようなイントロです。

おそらく、メタル好きな人以外には、

相当ダサく聴こえるでしょう。

悪くはないのですが、

やはり中途半端感は否めません。

自然な長さの曲にすれば、

名曲に成りえた楽曲ではないでしょうか。

採点 / オススメ名曲ランキング

『No Prayer for the Dying(ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング)』 / 84点
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オススメ名曲
ランキング

1位『Hooks in You』
2位『Bring Your Daughter…To the Slaughter』
3位『Tailgunner』

総括

短めの曲にまとめようとするあまり、

本来のメイデンが持つ長所、

壮大な構成や展開が捨てられています。

4分代の中盤曲は全て、

やや、消化不良な印象です。

しかし、「メイデン流ロックンロール」

といったとらえ方をすれば、

メイデンのラインナップでは、

特異な位置づけになり、

ファンとしては十分に楽しめる、

一品かと思います。

終わりに

苦難の90年代の始まりです。

次のアルバムまでは、

彼らは時代の波にも乗って、

まだまだ大丈夫な感じですね。

仮に、エイドリアンがあのまま残っていて、

同路線でバンドを続けていたら、

息の長いバンドにはならなかった、

そんな気もします。

次のアルバムの後で、

ブルースは一旦抜けますが、

真の苦難は、そのあとやってきます。

【おまけコラム/メイデンと私⑧】初めてゆえのあやまち

初ライブ当日、

大阪IMPホールに着きました。

中に入った感想は、

あんまり広くない・・・。

当日、リュック姿で行った私は、

荷物をどうするか迷いました。

ロッカーはあるようですが、

使い方がよくわかりません。

ステージ脇や通路横に、

鞄がたくさん置いてありますが、

防犯面的にどうなのでしょう。

前方の立ち見席に陣取りましたが、

足元に置くことはできません。

リュックの中には、

ほとんど物は入っておらず、

確かCDウォークマンと、

ティッシュくらいだったので、

ほぼペッチャンコです。

悩んだ私は、

「まあこれくらいなら良いか」

とリュックを背負ったまま、

ライブを見ることにしました。
(今なら絶対しませんが)

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