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【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』

IRON MAIDEN 第七の予言 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

メイデンレビュー第7弾です。

前回記事はこちらです。

既に前回書きましたが、

前作『サムホエア・イン・タイム』と、

本作『第七の予言』は、

メイデンの最高傑作です。

40年間のキャリアの最高傑作が、

デビューから7・8年目に、

作られたことになります。
(あくまで、個人的な意見ですが)

では、残りの30年強は、

全然価値のないものだったのかというと、

全くそんなことはありません。

紆余曲折はありながらも、

まさに今現在、

彼らは何度目かのピークを迎えています。

但し、作品だけ見たときに、

この時期を超える作品がない、

と私は認識しています。

この記事は、

以下の方にオススメです。

メイデンの最高傑作を聴きたい
ヘヴィメタル史に残る傑作を知りたい
コンセプトアルバムの名作を聴きたい

概要『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』(1988年発表)

エイドリアン一時脱退前の作品

88年発表の七作目です。

前作から、

また二年近く経って発表されました。

メンバーは、前作と同様の布陣ですが、

本作の後に、

エイドリアンが抜けます。

これが、彼らのキャリアでも、

大きなターニングポイントになります。

後にブルースも抜けますが、

この二つの事件を乗り越えたおかげで、

彼らは今にも続く、

黄金期を迎えられたのだと思います。

ナンバリングタイトル第一弾

『第七の予言』は、

彼らの7作目なので、

このタイトルをつけたのでしょう。

この後もタイトルに、

何作目という数字を入れるパターンが、

いくつかあります。

楽曲数は、またも全8曲です。

8曲という構成は、

長過ぎず短過ぎず、

アルバム全体で見たときに、

ちょうどいいと思います。

前作よりも比較的短い曲が多く、

9分台 一曲
6分台 一曲
5分台 二曲
4分台 三曲
3分台 一曲

となり、

半分の曲が、4分台以下の曲となります。

前作、前々作で、

長い曲はやり尽くした反動かもしれません。

これが功を奏して、

全く無駄のない完璧な作品に、

仕上がっています。

前作では一曲もなかった、

ブルースの曲ですが、

本作では四曲にクレジットされています。
(基本共作ですが)

また、我らがデイヴも、

一曲クレジットしています。
(やはり共作ですが)

この作品では、

スティーヴ・エイドリアン・ブルース、

と三人の天才的なソングライターが、

その力を遺憾なく発揮しています。
(デイヴごめんなさい)

では、全曲レビューです。

全曲レビュー

#1 ムーンチャイルド/Moonchild(Smith,Dickinson)[5:40]

エイドリアンとブルースの共作です。

アコギでしっとり歌い出して始まります。

かなりプログレっぽいオープニングです。

前作同様、シンセを上手く使って、

軽快に走り出します。

このアルバムも、

音のバランスが良くて、

ベースの鳴りは過去最高です。

メタルでこんなにベースが目立つバンドは、

メイデン以外にいないでしょう。

ギターの音色もとても凝っていて、

本作の持つ独特の世界観を構築しています。

#2 インフィニット・ドリームス/Infinite Dreams(Harris)[6:09]

スティーヴ単独の曲です。

メロウなギターソロから始まります。

個人的には、

このアルバムで一番好きな曲はこれです。

スティーブの大作志向は、

このアルバムで一つの完成を見ますが、

これくらい素晴らしい展開を持つ曲は、

メイデンでも他にないです。

6分と、アルバム中比較的長い曲ですが、

全く長さを感じさせません。

特に中盤以降は、

これまでのメイデン曲とは一味違う、

予想を超えるような驚異的な展開です。

#3 キャン・アイ・プレイ・ウィズ・マッドネス/Can I Play with Madness(Smith, Dickinson, Harris)[3:31]

エイドリアン・ブルース・スティーヴ、

三人の共作です。

この曲は、

当時かなり物議を醸したそうです。

と言うのも、

メイデンとは思えぬほどポップなため、

当時のファンはかなり驚いたそうです。

しかし、今のリスナーには、

それほど違和感は感じないでしょう。

ポップな曲が好きな私は、

この曲はお気に入りです。

ブルースのボーカルは、

当然素晴らしいですが、

楽器隊の細かいアレンジも、

聴きどころ満載です。

途中無理やり、

メイデンっぼい曲展開を挟みますが、

このあたりは、

スティーヴの存在感でしょうか。

曲を邪魔しない絶妙なバランスで、

この短い曲のアクセントになっています。

#4 ジ・イーヴル・ザット・メン・ドゥ/The Evil That Men Do(Smith, Dickinson, Harris)[4:34]

前曲同様、三人の共作です。

このアルバムの、

一番の人気曲はこれでしょう。

ベストアルバムや、

ライブアルバムなんかにも、

この曲は選ばれることが多いですね。

ギターリフがかなり凝っていて、

エイドリアンとデイヴによる、

ツインギターの集大成のような曲です。

サビのボーカルラインも素晴らしく、

ギターソロ前後の展開も、

驚異の完成度です。

こんな曲、世界中どこを探しても、

当時の彼らしか書けないと思います。

#5 第七の予言/Seventh Son of a Seventh Son(Harris)[9:53]

アルバムのタイトルトラックです。

スティーヴ単独の曲です。

このアルバム中最も長く、

9分もあります。

スティーヴの大作志向の、

一つの完成形がこの曲だと思います。

SEの使い方も上手く、

ギターリフ、ボーカル、

ベースライン、ドラム、

全く隙のない素晴らしい完成度です。

特にこの曲では、

ニコのドラムが素晴らしく、

彼にしか出せない独特のグルーヴが、

ここでは存分に楽しめます。

途中、かなり溜めてから、

爆発的に盛り上がる展開ですが、

プログレメタルとでもいえるような、

凝った構成です。

ギターソロも最高に格好良いです。

褒めてばっかりですが、

本当に素晴らしいので、

仕方ないですね。

#6 ザ・プロフェシー/The Prophecy(Murray,Harris)[5:05]

ここにきて、

我らが(?)デイヴとスティーヴの共作です。

ギターのアルペジオから、

まったり始まります。

この曲順でデイヴ曲が入るのは、

アルバム全体で見た時に、

良いアクセントになっています。

ギターのメロディは、

やはり他メンバーとは趣が違っていて、

彼らしい個性でとても面白いです。

これで本作では、

ニコ以外の全員が、

作曲していることになります。

#7 透視能力者/The Clairvoyant(Harris)[4:27]

ここに来て、

またスティーヴ単独曲です。

2、5、7がスティーヴ単独曲ですが、

やはり、他メンバーから、

いい刺激を受けたのでしょう、

単独曲もバラエティに富んでいます。

アルバムの中では、

比較的地味な曲ですが、

とても美しいメロディです。

#8 オンリー・ザ・グッド・ダイ・ヤング/Only the Good Die Young(Harris,Dickinson)[4:41]

ラストが、

スティーヴとブルース2人の共作です。

前作と違うのは、

ラストの曲が短めということですね。

頭の方に持ってきても良いような、

とても軽快な曲で、

これを敢えて、

ラストに入れるバランス感覚は、

これまで培った経験の賜物ですね。

中盤、ベースソロが入りますが、

こんなの聴いたら、

ベーシストになりたくなりますね。
(お馴染みのスティーヴのポーズで)

珍しく、

ドラムロールで幕を閉じる曲ですが、

アウトロにつなげるために、

強制的に曲を終わらせるためでしょう。

アルバムのイントロとアウトロが同じです。

全体としてループするような形で、

コンセプトアルバムとしての作りを、

最後まで徹底しています。

前作同様、

究極の完成度と言える作品ですが、

前作よりも、

全体のバランスが練られている印象です。

個別曲で見た場合、

前作より押しがやや弱い気もしますが、

この作品はアルバム通しで、

楽しむことを強く薦めます。

採点 / オススメ名曲ランキング

『Seventh Son of a Seventh Son(第七の予言)』 /98点
トトオのオススメ名曲ランキング
トトオの
オススメ名曲
ランキング

1位『Infinite Dreams』
2位『Can I Play with Madness』
3位『Seventh Son of a Seventh Son』
4位『The Evil That Men Do』

総括

前作と本作はほぼ同点ですが、

アルバム全体で見た完成度は、

こちらの方がやや上に感じます。

そのため僅かに差をつけました。

曲単位で見た場合は、

前作の方が好きな曲は多かったりします。

終わりに

このアルバム後、

エイドリアンがバンドから抜けて、

ヤニック・ガーズ/Janick Gersが加入します。

エイドリアンは、

本作でやり尽くした感もあり、

バンドを去ったのかもしれません。

エイドリアンが去った影響は深刻で、

次作では、

これまでの手法を一旦崩すような、

大きな方向転換を行います。

90年代のメイデンは、

紆余曲折あり過ぎるのですが、

私はこの時期の彼らもとても好きです。

とにかく、メイデンの80年代は、

頂点まで上り詰めて、幕を閉じました。

【おまけコラム/メイデンと私⑦】近づく初ライブ

98年に、

ブレイズ・ベイリー加入後の第二作目、

『VIRTUAL XI(ヴァーチャル・イレヴン)』を、

彼らは発表します。

アルバムの内容はさておき、

彼らがその作品に伴うツアーで、

来日しました。

私は人生で初めて、ライブに行きました。

当時はネットがないので、

確か、BURRN!かなんかの、

ツアースケジュールを見て、

ウドー音楽事務所(たしか)に、

電話した記憶があります。
(チケットぴあすら知りませんでした)

とにかく郵送でチケットが、

送られてきました。

会場は、大阪のIMPホールです。

当然行ったことないので、

どんなところか知りません。

とりあえず、

新作を聴き込む日が続き、

ライブのその日がやってきました。

コメント

  1. D太 より:

    通りすがりに拝見させていただきました。

    >頂点まで上り詰めて、幕を閉じました。

    当時リアルタイムで体験してましたが、まさしくその通りですよね。
    とにかくこのアルバムリリース後のメイデンを勢いすさまじく、
    メタル=メイデンを一番体現していた頃だと思います。
    それだけに、このアルバムツアー終了後にオフ宣言したときは残念でしたし、
    エイドリアンスミスが抜けたのはもっと残念でした。

    • トトオ より:

      >D太さん
      コメントありがとうございます。
      リアルタイムでこの時期を体験できたのは羨ましすぎます。
      私は後追いなので、この時期のライブ盤『Maiden England’88』を聴いて、その凄まじさを想像するのみです・・・。

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