トトオです。
マキシマムザホルモン、
凄い人気ですね。
私の周りでも、
いわゆる音楽好きな人は、
彼らに好印象を持つ人が、
多いです。
メタル好きにも、
ロック好きにも、
ポップス好きにも、
彼らは別格的に聴かれている印象です。
マキシマムザホルモンの中心メンバーは、
マキシマムザ亮君ですが、
彼の好きなミュージシャンは、
かなりの部分で私とかぶっていました。
彼が名前を挙げたミュージシャンの、
ほとんどを聴いているのですが、
すかんち
The Wildhearts
あたりは、
一般的な知名度が高くないところなので、
この辺のアーティストを好きだと聞いて、
嬉しかったですね。
ちなみに、The Wildheartsは、
こちらで全曲レビューしています。
すかんちは、こちらで、
初心者向けアルバムを紹介しています。
今回は、
Mike Patton/マイク・パットン関連の、
レビューとして、
彼が所属している、
Faith No More/フェイス・ノー・モアの、
初心者向けベスト3を紹介します。
この記事は、
以下の方にオススメです。
レッチリが好きな人(但し初期)
音楽界随一の天才/鬼才を知りたい人
Faith No Moreについて
歴史
フェイス・ノー・モア(以下FNM)は、
1979年に、
アメリカ・サンフランシスコで結成し、
1985年に、
1stアルバム『We Care a Lot』を発表しました。
この時のボーカルは、
Chuck Mosley/チャック・モズレーです。
チャックが加入する前は、
のちにNIRVANA/ニルヴァーナの、
Kurt Cobain/カート・コバーンと結婚する、
Courtney Love/コートニー・ラヴが、
ボーカルをしていたこともあります。
その後、ボーカルが、
鬼才マイク・パットンに代わり、
1989年に、
3rd『The Real Thing』を発表します。
ここから、
劇的に人気を伸ばし、
一躍スターダムにのし上がります。
その後、1998年に一旦解散しますが、
2009年に奇跡の再結成、
2015年に18年ぶりのアルバム、
『Sol Invictus』を発表して、
現在に至ります。
結成してもう40年のバンドですね。
メンバー
最近では、
初期ボーカルのチャックが、
少し前に亡くなったことが、
ニュースになっていました。
このバンドは、
各メンバーの個性が強烈です。
それぞれの個性が混ざり合って、
ミクスチャーロックの、
オリジネイターといえる、
数々の作品を発表してきました。
マイク・パットンは、
元々はMr.Bungle/ミスター・バングルという、
アングラバンドのメンバーで、
FNMをやってる時も並行して、
そのバンドはずっと続けていました。
言動がはちゃめちゃな人ですが、
賢すぎて、常人が理解できない、
といったタイプの人物です。
彼がFNMに加入してからは、
時流に乗ったのもありますが、
彼の個性がバンドを引っ張ったのは、
間違い無いですね。
私は、
ミスター・バングルは全て持ってますし、
Fantomas/ファントマスや、
Peeping Tom/ピーピング・トムなど、
彼のサイドプロジェクトも、
それなりに持ってるので、
マイク・パットン関連は、
改めて別に書くつもりです。
他メンバーでは、
初期のギターである、
Jim Martin/ジム・マーティンと、
ドラムの、
Mike Bordin/マイク・ボーディンは、
私の特に好きなメンバーです。
ちなみに、この二人は、
亡くなったメタリカのベーシスト、
Cliff Burton/クリフ・バートンと、
FNM(クリフはメタリカ)加入前に、
トリオでバンド(EZ-Street)をやっていました。
その縁もあってか、
ギターのジムは、FNM脱退後、
メタリカのアルバムでの客演もありました。
マイク・ボーディンは、
ドレッドヘアーが印象的ですが、
かなり個性的なドラムスタイルです。
彼はFNM休止後は、
Ozzy Osbourne/オジー・オズボーンの、
バンドのドラマーとして、
長らく活動します。
ドラムがいない時のKorn/コーンに、
ヘルプで入ったことも数多くありました。
こうやって見ると、
マイク以外の二人は、
完全にメタル界の人ですね。
ざっと書きましたが、
とにかく、
錚々たるメンバーが揃ったバンド、
ということだけは、
伝わりましたでしょうか。
それでは、
初心者向けベスト3です。
マイク・パットン加入前の3位!
第3位
1987年のメジャーデビューアルバムです。
三位ですが、
肝心のマイク・パットンが、
このアルバムの時は、まだ加入していません。
しかし、このアルバムは、
一位二位以外のFNMのアルバムより、
素晴らしいと思います。
詳細は長くなるので避けますが、
四枚目のアルバム、
『Angel Dust』発表後、
ギターのジムがクビになります。
その後、彼らのアルバムは、
それまであった、
絶妙なバランスを崩してしまい、
かなりヘヴィな路線に、
傾倒してしまいます。
そのため、私はFNMでは、
ギターがジムマーティン時代のものが、
最も素晴らしいと思っています。
ジムがギターで参加したアルバムは、
Introduce Yourself
The Real Thing
Angel Dust
の四枚です。
ボーカルは、
前の二枚がチャック、
後の二枚がマイクです。
『Introduce Yourself』は、
1987年発表ですが、
当時としては、
とんでもなく新しかったはずです。
凄くざっくり言うと、
ヒップホップとメタルが、
アメリカ・オルタナロックの手によって、
一つになったような感じです。
但し、のちに現れる、
Limp Bizkit/リンプ・ビズキットのような、
洗練された感じではなく、
ごった煮感が凄いです。
エッジの効いたメタルギターに、
独特のリズムのドラムと、
グルーヴィーなベース、
不気味なキーボードのメロディ、
そこに、チャックのやや気怠げな、
鼻にかかるボーカルが乗ります。
チャックは、
マイクよりも歌は上手くないですが、
ラップセンスは素晴らしいです。
代表曲は、
『We Care a Lot』です。
前のアルバム、
その名も『We Care a Lot』に、
同名曲が入っていますが、
音質がかなり改善されているので、
こちらの方がオススメです。
ヒップホップ色が強いグルーヴィーな、
『Anne’s Song』や、
次作にも通じるキャッチーな、
『Introduce Yourself』
マイク・ボーディンのドラムがクールな、
『Chinese Arithmetic』
など、名曲目白押しです。
個別曲は格好良いですが、
次作以降と比べると、
ややアルバムが、
まとまりきっていない感じがあり、
この辺はボーカル交代の影響で、
次作で飛躍的に改善されます。
世間的には最高傑作!な2位
第2位
2位は、92年発表の、
マイク・パットンボーカルとしては、
2作目です(通算4作目)。
世間的にはこのアルバムが、
最高傑作とされている印象です。
この作品発表後、
私の好きなギターのジムが辞めますが、
このアルバムでは、
前作やそれ以降よりも、
ギターの音はやや抑えめです。
しかし、おそらくFNM史上、
最もバラエティに富んだ内容で、
聴き応え抜群です。
マイクのボーカルは
さらに深化しており、
天才と狂人の狭間という感じです。
個別曲でいうと、
中華風メロディが面白いキャッチーな、
『A Small Victory』
が、代表曲でしょうか。
他には、
Marilyn Manson/マリリン・マンソン
の某曲の元ネタと言われる、
『Be Aggressive』があります。
「メタル・ミーツ・チアガール」
みたいな曲です。
ちなみに、その某曲はこちら。
まんまっちゃ、まんまですが、
マンソンにはマンソンなりの、
格好良さがあって、好きですけどね。
あと面白いのが、
Lionel Brockman Richie/ライオネル・リッチーの、
The Commodores/コモドアーズの名曲、
『Easy』のカバーもあります。
気を衒わないシンプルなカバーです。
個人的に好きな曲としては、
メタルギターのリフと、
狂気的なキーボードがクールな、
『Caffeine』などもあり、
本当に良い曲ばかりですが、
個々の技量が上がった反動で、
やや勢いが削がれた感じになってしまい、
そのため2位としました。
歴史的名盤な1位!
第1位
1位は、マイク加入後の、第一作目です。
もうこれ、
めっちゃくちゃ、格好良いです。
間違いなく、歴史的名盤です。
アメリカのロックバンドでは、
世界一影響力のあるバンドだった、
はずです。
マイクは、当時31歳ですが、
個性的な他のバンドメンバーを、
完全に食ってしまうような、
強烈なキャラクターです。
私が彼らを知ったのは、
MTVの授賞式のライブでの、
『Epic』の演奏でしたが、
その格好良さに、度肝を抜かれました。
前作『Introduce Yourself』より、
劇的にサウンドプロダクションが、
改善しました。
全体のバランスも良く、
ギターはヘヴィでも、
きちんとベースとドラムの、
グルーヴは活きてますし、
なにより全体的に音抜けが良く、
なにやらカラッとした音像です。
(伝わりにくくてすいません)
一曲目の『From Out of Nowhere』から、
パワー全開です。
これをライブの一曲目でやられたら、
盛り上がらないわけないですね。
二曲目の『Epic』が、
彼らの一番の有名曲です。
とりあえず、
彼らを知らない人は、
まずこれを聴いて欲しいです。
いわゆる、ラップメタルの原型は、
ここで完成されていると思います。
マイクはラップも当然上手いですが、
そもそも歌唱力が圧倒的です。
PVを見てもわかりますが、
シニカルなユーモア溢れる雰囲気で、
この辺も支持を受けた理由でしょう。
他には、
Black Sabbath/ブラックサバスの、
『War Pigs』のカバー(ほぼ完コピ)があったり、
メタルバンドとしてのカラーも濃いですが、
あくまで、そういう一面もありますよ、
という雰囲気です。
しかし、
まさかその後、マイク・ボーディンが、
オジー(ブラック・サバス)のバンドで、
叩くとは思いませんよね・・・。
他にも、
ベースのビリーがとんでもないインスト曲、
『Woodpecker from Mars』
レッチリを完全メタル化したら、
こんな感じでしょうか。
タイトルトラックの『The Real Thing』は、
壮大な曲で、8分以上もあります。
バンドメンバーの結束が高まった結果の、
ある種プログレともいえる、
完成度の高い一曲です。
後半のマイクの歌唱は、
まさに若き天才といった感じで、
アメリカ広しといえど、
唯一無二ですね。
この時期の、
FNMのメタル度を下げて、
ファンク度をあげると、
Fishboneに近い感じになります。
この曲とか、
ミクスチャー好きには堪らない名盤です。
しかし、
改めて『The Real Thing』を聴くと、
「こんなにメタルやったっけ?」
というくらいメタルですね。
にもかかわらず、それほど当時、
メタル臭さを感じなかったのは、
間違いなく、
マイク・パットンの存在感の賜物ですね。
終わりに
FNMは、
ジムをクビにした後、
二枚のアルバムを出して、
一度解散します。
その後、
10年ほど経って、
まさかの再結成しましたが、
ジムはおらず、
さらに数年後
新作まで発表しています。
これらのアルバムも、
格好良い曲が沢山あります。
しかし、正直なところ、
バンドとして洗練されすぎて、
初期の狂気じみた魅力が、
薄れてしまったように思います。
マイク・パットンは、
FNMとは別に、
本業のミスターバングル以外にも、
色々なプロジェクトを持っていたり、
他のアーティストへの客演も多いです。
このあたりも、
また改めて別に書くつもりです。
FNM聴き直して、
自分の中のミクスチャー熱が再燃してきました。
それにしてもFNMは、
海外と日本の人気に差があり過ぎると思います。
再結成したんだし、せめて、
マキシマムザホルモン好きな人の間だけでも、
もっと人気が出て欲しいですね。
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