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【ワイハ史上最重作品!】ザ・ワイルドハーツ『The Wildhearts』【THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#11】

ワイルドハーツ 2007 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

今回はワイルドハーツの通算6作目のフルアルバム、『The Wildhearts』をレビューします。

前回の記事はこちらです。

今回の記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

異色のワイハ史上最重作品!

『The Wildhearts』(2007年発表)

概要

『Strike Back』二枚買い

2007年4月に発表された、通算6枚目のフルアルバムです。

前作が2003年8月発表でしたので、約三年半のインターバルです。

この三年半の間にも、彼らは『The Wildhearts Strike Back』いうライブアルバムを発表していました。

ちなみにこの作品は、国内盤と輸入盤それぞれで、収録されているオマケのPVが異なっていました。

ということで当時、私は国内盤と輸入盤の両方を買いました。

今思えばYouTubeがない時代は、ビデオを見るためにたくさんお金を使いましたね。
(今はビデオの有り難みは減りました)

メンバー

ダニーとジョンとスコット

前作作成時で、すでにダニーはバンドから離脱していました。

その後、シルヴァー・ジンジャー5のジョン・プールが、ピンチヒッターでサポートしていました。

しかし、ジョンがそのまま加入するわけではなく、スコット・ソーリーが本作から正式メンバーとなりました。

待望のリッチ復活

また、ドラムがステディからリッチに替わりました。

リッチは『Endless, Nameless』以来のため、約10年ぶりの復活です。

このリズム隊二人の交代が、バンドサウンドに大きな変化をもたらします。

本作の三つの特徴

大きく分けて、本作の特徴は下記の三つです。

過去最高にヘヴィなワイルドハーツ
予定調和を力づくで裏切る構成
ライブ感あふれるバンドサウンド

では、全曲レビューです。

全曲レビュー(日本盤)

Rooting for the Bad Guy

一曲目に相応しい、パンチの効いた楽曲です。なんと9分近くもあります。

最大の特徴は、5:40あたりからの劇的な曲展開です。

全く違う曲を途中に挟み込んだような、エキセントリックな構成です。

まとまりがなくなりそうな力業ですが、奇跡的に格好良く仕上げています。

音質が前作『The Wildhearts Must Be Destroyed』とは対照的で、刺々しいディストーションを真空パックしたような、生々しいサウンドです。

The Sweetest Song

第一弾シングルカットです。

本作には、印象的なフレーズを生かしきるために、バランスにはあまり拘らず、「敢えて崩した」ような構成の楽曲が多いです。

この曲は、ちょっとやりすぎくらい攻めています。

The Revolution will Be Televised

最近までライブのラインナップに入れられている楽曲です。

他の曲と比較してオーソドックスな作りのため、飽きにくいからでしょうか。

リッチのドラムが前面に出ています。

ステディよりも一発一発のアタックが強く、スネアがバッキンバッキン言ってます。

The New Flesh

セカンドシングルカットになった楽曲です。

キャッチー且つ最高にメロディックな一曲で、これぞワイルドハーツの真骨頂です。

音自体はラウドですが、流麗なボーカルハーモニーのおかげで、それほどうるさく感じません。

Slaughtered Authors

本作の隠れ名曲です。

スコットのベースがミドルテンポでひっぱりつつ、途中から劇的に展開していきます。

予測不能の展開とキャッチーなサビは、まさにワイハ節と言ったところです。

セッションを重ねながら曲を作り上げた形跡が、この曲は特に感じられます。

The Hard Way

ここから後半戦です。

良い曲ですが、少し要素を盛り込みすぎか、まとまりがないです。

本作は、全体的にライブ感あふれる音質に統一しています。

その結果として、曲毎のアレンジの幅が狭く、曲調が似ているという弱点があります。

Inner City Overture

スタンダードなロックナンバーです。

本作の中ではやや異色で、バラードのようなメロウなサビを持つ楽曲です。

カラッと明るいボーカルハーモニーは、アルバム後半の良いアクセントです。

Bi-Polar Baby

ヘヴィ且つメロディックな楽曲です。

冒頭のリフから恐ろしく分厚いですが、あくまで歌はメロディックです。

この曲は、リズム隊の新コンビが本領発揮しています。

She’s All That

『Must Be Destroyed』後半にも収録されていた、CJとのコーラスをフィーチャーした楽曲です。

本作の中では比較的シンプルな構成です。

この曲のような、ストレートにメロディで押す曲がもっとあっても良いですね。

Destroy All Monsters

ラストの一曲ですが、ワイハ史上最重の楽曲です。

『Coupled With』にもヘヴィ且つラウドな曲はありましたが、やはりドラマー交代の影響は大きいです。

極太のシングルストロークと、図太いバスドラとのコンビネーションが強烈です。

タイトル通り、ひたすら破壊して突進するような、圧倒的なパワーです。

So The Spencers Can Poke Out

日本盤ボートラ一曲目です。

『Rooting for the Bad Guy』の、印象的なフレーズをメインに構築された楽曲です。

この曲が元々先にあって、そこから組み合わせて『Rooting for – 』を作り上げたのかもしれません。

Oh Bonita

ボートラ二曲目です。

リフよりもサビに特化したキャッチーな一曲です。

『Must Be Destroyed』のボーナスにもあった、『Bang!』あたりに似ていますね。

採点

『The Wildhearts』 / 94点
トトオ
トトオの
オススメ名曲ランキング

1位『Rooting for the Bad Guy』
2位『Destroy All Monsters』
3位『The New Flesh』

総括

全作とは対照的に、あえて音も曲構成もバランスを取らずに、生々しさや勢いを重視した作りです。

セッションベースで作り上げた楽曲は、良い意味で予想を裏切る、刺激的な展開です。

特に、『Rooting for – 』や『Slaughtered Authors』あたりは、このメンバーだからこそ作り得た傑作でしょう。

しかし、バンドでの演奏を楽しむことに重きが置かれたためか、曲調が統一されており、曲毎のメリハリにはややかけることが本作の弱点です。

終わりに

ワイルドハーツのドラムには、やはりリッチが一番しっくりきます。

本作の来日公演も行きましたが、リッチに対する声援が特に大きくて驚きました。

紆余曲折ありながらも、2000年代は安定した活動が続き、あと一作このメンバーで発表します。

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