トトオです。
今回のオールタイムベストは、アンスラックスの『The Greater of Two Evils』です。
前回の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
相性良し!ジョン・ブッシュと80年代アンスラックス
四天王とアンスラックスとジョン・ブッシュ
(個人的)スラッシュ四天王の序列
いわゆるスラッシュ四天王(BIG4)と呼ばれる、四組のメタルバンドがいます。
メガデス
スレイヤー
アンスラックス
この中で個人的に順位をつけるなら、まずメタリカとメガデスがほぼ同列で好きです。
その次がアンスラックスで、最後にスレイヤー、といった感じです。
(異論は認めます)
暗黒の90年代後半とジョン・ブッシュ
私がアンスラックスを初めて聞いたのは、1996年ごろでした。
当時はボーカルがジョン・ブッシュで、その時の最新作は『Stomp 442』でした。
彼らは当時、オルタナティヴロックとメタルをミックスしたよう音楽性でしたが、セールス面では苦戦していた印象です。
但し、彼らがどうこう言う前に、そもそもメタル勢全体が苦戦した時代でもありました。
『Stomp 442』のあと、彼らはさらに二作フルアルバムを発表しました。
その後、今回紹介する『The Greater of Two Evils』を2004年に発表します。
Anthrax『The Greater of Two Evils』(2004年)
本作概要
本作は、ジョーイ・ベラドナ時代の楽曲(一部ニール・タービン)を、ジョンのボーカルで録り直したリメイクアルバムです。
要するに、「80年代の楽曲(一部90年)を、2004年当時のアンスラックス」が作り直したというものです。
残念ながらジョンはこの作品を最期に、バンドを離れることになります。
本作の特徴3つ!
相性抜群!ジョンと初期楽曲
「キャリアを絞る」ベスト盤の最適解
高解像度で再録された名曲群
本作の最も重要な点は、既述の通り「再録」しているところです。
単なる初期楽曲のコンピレーションではありません。
キャリアが長いバンドになるほど、ベスト盤を作るのは難しいです。
なぜなら、古い曲と新しい曲では、音質のクオリティに歴然とした差が出てしまうからです。
本作では、80年代の楽曲を、2000年代のクリアなサウンドで生まれ変わらせています。
また、各楽器のトーンにも、余計な色付けは一切施していません。
潔いほど真っ直ぐで、抜群に格好良い音色です。
この飾りっ気なしのサウンドによって、彼らの圧倒的な演奏力の高さが証明されています。
当時の四天王の他バンドと比較しても、彼らの演奏力はずば抜けています。
相性抜群!ジョンと初期楽曲
アンスラックスのボーカルとしては、私はジョーイよりもジョンの方が好きです。
彼らの黄金期を支えたボーカルは間違いなくジョーイですし、一般的にも彼がボーカルの印象が強いと思います。
しかし私には、ジョンの方が、より彼らの独特のバンドサウンドにマッチしているように感じます。
ジョンの太くハスキーなボーカルは、分厚いディストーションと軽快に跳ねるグルーヴという、彼らのスタイルと相性抜群です。
もし、80年代のボーカルが、ジョーイではなくジョンだったとしたら、彼らのキャリアはまた違うものになったのではないでしょうか。
「キャリアを絞る」ベスト盤の最適解
登り調子だったジョーイ時代と比較して、ジョン時代は人気もセールスも転がり落ちていきました。
一作目の『Sound of White Noise』は高い評価を受けましたが、その後の『Stomp 442』や『Volume 8: The Threat Is Real』は、キャリア上では目立ちません。
(さらにあと一作出しました)
ジョンは結局、本作発表後に脱退します。
このコンピレーションは、ジョン加入以前の、バンドが最も勢いに乗っていた時代の楽曲に絞り込んでいます。
その結果、ベストアルバムとして、2枚組にして網羅的な作品とするよりも、よほど完成度が高いものに仕上がっています。
キャリアの長いバンドがベスト盤を作る手法としては、これは一つの最適解と言えるかもしれません。
オススメ名曲ランキング
1位『Keep It in the Family』
2位『Among the Living』
3位『Caught in a Mosh』
終わりに
彼らはこの作品のあと、ジョーイが復活して、さらに作品まで発表しています。
復活後のジョーイのボーカルは素晴らしく、彼のボーカルだけ見た場合、私は復活後の方が好きです。
2010年代に、メガデスの前座で彼らのライブパフォーマンスを見ましたが、正直トリのメガデスを食ってしまうほど凄まじいものでした。
実力に見合った人気が出てほしい、切にそう願います。
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