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【ホルモン好きな人に!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#5】ザ・ワイルドハーツ『Fishing for More Luckies』

ワイルドハーツ Fishing For More Luckies 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

ワイルドハーツレビュー、

今回で五回目です。

個人的には、

彼らの最高傑作だと思う、

『Fishing for More Luckies』

をレビューします。

ちなみに、前回はこちら。

【マキシマムザホルモン好きに!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#4】ザ・ワイルドハーツ『P.H.U.Q.』
トトオです。 ワイルドハーツレビュー、 早くも四回目です。 今回は、彼らの一番の有名曲が含まれる、 セカンドアルバム、 『P.H.U.Q.』のレビューです。 ちなみに、前回はこちら。 この記事は、 以下の方にオススメです...

この記事は、

以下の方にオススメです。

ワイルドハーツの最高傑作を聴きたい人
マキシマムザホルモン好きな人
トトオのオールタイムベストを知りたい

Earth vs The Wildhearts vs 私⑤

2003年の来日後、

私が次にワイルドハーツを見たのは、

2007年の2月の、

代官山UNITでした。

確か、東京の同じ会場で、

三日連続のライブという企画でした。

当時私はまだ若く、

体力的にも経済的にも余裕があったため、

関西から東京遠征して、

ライブ後、友人の家に泊めてもらいました。

このタイミングでは、

新作は発表されておらず、

単なる来日イベントでしたが、

代官山というおしゃれな街でのライブハウスは、

私には結構新鮮でした。

メンバーは、

ジンジャー
CJ
リッチ
スコット

だったはずです。

(ベースはジョンだったかもしれません…)

詳細は思い出せませんが、

スティディに代わり、

リッチが復帰していました。

リッチはかなり人気があり、

大歓迎されていたのを記憶しています。

スティディが嫌いなわけではないですが、

ワイルドハーツのドラマーといえば、

私もリッチの方がしっくり来るので、

嬉しかったですね。

『Fishing for More Luckies』(1996年発表)

1996年に発表された作品です。

前作のレビューの際に記載しましたが、

本来、前作に収録される予定だった数曲が、

諸般の事情で省かれていました。

それらの曲を、

ファンクラブ向けとして、

ミニアルバムに収録して発表されたのが、

元々の『Fishing for Luckies』です。

これに、数曲加えて、

一般向けに発表されたのが、

『Fishing for More Luckies』という企画盤です。

しかし、これはバンドの許可を得ずに、

発表された作品だったため、

すぐに取りやめになりました。

その後、さらに数曲加えて、

イギリス向け・日本向けという、

国別にフォーマット違いで正式に発表されたのが、

本作です。(経緯がややこしい・・・)

さらに、2010年には、

リイシュー盤も発売されており、

この作品だけで、

一体、何バージョンあるのかという状態です。

今回レビューするのは、

1996年に日本向けに発売されたバージョンです。

私はワイルドハーツの全ラインナップでも、

この作品が最高傑作だと思っています。

上記のような紆余曲折あり、

メンバーも移り変わりが激しかった時期ですが、

楽曲の充実度は最高です。

それでは、全曲レビューです。

全曲レビュー

#1 Inglorious(Ginger)[7:46]

一曲目から、

超名曲『Inglorious』です。

ワイルドハーツは、

「メタリカ・ミーツ・ビートルズ」と

称されることが多いですが、

この曲がまさに、その呼称にふさわしいです。

メタリカでも『マスター・オブ・パペッツ』のような、

ゴリゴリのスラッシュメタル時代のメタリカです。

エッジの効いたディストーションサウンドに、

奇跡的に素晴らしいサビやコーラスが乗ります。

この時期は、リッチがドラムですが、

彼のヘヴィ且つタイトなドラムプレイが、

楽曲を更にシャープなものに仕上げています。

歌詞は、

ジンジャーが、悩みながらも、

自身のスタイルを貫こうと模索する、

ある種の苦悩が描かれています。

#2 Sick of Drugs(Ginger)[4:42]

シングルカットもされた、

ポップな楽曲です。

UKシングルチャートで14位まで上がったようで

バンドで過去最高のチャートポジションです。

ストレートなロックンロールサウンドで、

一度聴けば覚えられるほど、

キャッチーな楽曲です。

PVのメンバーのルックスも最高ですね。

CJの代わりに加入したジェフもいます。

タイトルどおりの曲内容で、

クスリにはもううんざりと、

ひたすら歌っています。

#3 Red Light – Green Light(Ginger)[3:23]

チープなPVが印象的な、

こちらもシングルカットされた曲です。

これはメタルというよりも、

パンク寄りと言える曲です。

ワイルドハーツの初心者におすすめで、

私もこういったシンプルな曲を聴いて、

ファンになりました。

#4 Schitzophonic(Ginger)[8:14]

四曲目が『Schitzophonic』です。

この曲は『Inglorious』に続く、

本作のハイライトの一つです。

複雑な構成の長めの曲ですが、

夢のような展開で、

聴いていて一ミリも退屈しません。

SEも効果的に差し込まれており、

ポップさに花を添えます。

歌詞は、

商業主義の音楽業界に対する批判です。

そういえば、

ヌーノベッテン・コートに、

こんなタイトルの作品ありましたね。

#5 Soul Searching on the Planet Earth (Different Kind Of Love)(Ginger)[3:27]

前曲が大作だった反動か、

パンクっぽいキャッチーな曲です。

アルバム中、比較的地味な曲ですが、

この曲のサビも素晴らしいです。

この時期は駄作が一曲もないですね。

#6 Do the Channel Bop(Ginger)[7:52]

超名曲『Do the Channel Bop』です。

ワイルドハーツのバンドサウンドを

完全に体現した、

究極の一曲ではないでしょうか。

メタル・ポップの融合ですが、

アレンジが素晴らしく、

パーカッションやゴスペルっぽいコーラスなど、

本当に夢のような一曲です。

ワイルドハーツのその後のキャリアでも、

これほどのクオリティの曲は見られません。

天才ジンジャーの、

クリエイティヴティの頂点ですね。

並のバンドだと、

コピーすら難しいでしょう。

別れ話のような歌詞ですが、

抽象的なため、

誰に対してのものかはわかりません。

ちなみに、

ソロ名義のGinger Wildheartで、

近年もライブで演奏されています。

#7 Mood Swings and Roundabouts(Ginger)[1:13]

これまた、

長かった全曲の反動か、

パンクっぽい短い曲です。

前作でも、

長編と長編の間を

短い曲で埋めていましたが、

まさにそんな感じの一曲です。

タイトルがジンジャーのお気に入りなのか、

日本向けボックスセットのタイトルも、

この曲と同じでした。

#8 In Like Flynn(Ginger)[2:45]

前の曲に続く、

ストレートなパンク風ナンバーです。

歌詞が面白く、

当時のレーベルに喧嘩を売っています。

その後、バンドはレーベルを去りましたが、

よくこんな歌詞で売ることを、

レーベルが許可したな、と思います。

#9 Sky Babies(Ginger)[11:37]

来ました。『Sky Babies』

10分超えの超大作ですが、

退屈する箇所が一つもない、

驚異的な一品です。

ドリーム・シアターなんかとは別物ですが、

プログレメタルとでもいえそうな一曲です。

但し、テクニック的に凝ったというよりは、

展開やメロディに凝りまくった、という感じです。

もう20年近く聴いていますが、

未だに飽きずに聴けるのだから凄いです。

各楽器の音質も素晴らしく、

この時期のジンジャーのギターサウンドが、

ワイルドハーツ史上一番好きです。

歌詞は、SFっぽくて、とてもユニークです。

こういう歌詞の曲が、

もっとたくさんあると、

オーディエンス受けは良くなると思いますが、

ジンジャーは気にしないでしょうね。

2000年代に入ると、

プロダクションの影響か、

ギターに限らず、全ての楽器の音が、

整い過ぎてしまっているように、

個人的には感じます。

#10 Nite Songs(Ginger)[1:33]

イギリス版の『Fishing for More Luckies』最終曲です。

アコギによるバラードです。

ワイルドハーツの、

アコースティックバラードは、

この曲が初ではないでしょうか。

まさにナイトソングといった感じで、

子守唄のような優しい響きです。

#11 Weekend ’96(Ginger)[4:21]

ここから日本盤のみボーナストラックです。

アルバムの流れが、

ここから少し変わってしまい、

やや蛇足感があります。

この曲は、

以前レビューした、

『Don’t Be Happy… Just Worry』

という、最初期のEPに入っていた、

名曲のリテイクです。

【マキシマムザ亮君に影響!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#2】ザ・ワイルドハーツ『Don't Be Happy... Just Worry』
トトオです。 ワイルドハーツレビュー二回目です。 前回はこちらです。 今回は彼らの本邦デビューEP 『Don't Be Happy... Just Worry』です。 私が一番最初に買った、 ワイルドハーツの作品で、 これ...

音質の改善のおかげで、

かなり聴きやすくなっています。

途中、

サンプリングされた、

ライブでの歓声を挿入したり、

かなり雰囲気が変わっています。

私は原曲の粗めのアレンジの方が、

シンプルで好きです。

良い曲なのは間違いないですが。

#12 29x the Pain ’96(Ginger)[3:38]

来ました。

超名曲『29x the Pain』

Hüsker Düの曲タイトル

『59 Times the Pain』

から付けられていますが、

ファンの中でも、

最も人気の高い曲でしょう。

歌詞が最高に格好良く、

ロック好きならたまらない、

ウィットに飛んだ歌詞です。

『29x the Pain』には、

2バージョンがあり、

こちらはどちらかというと

シンプルなロックバージョンです。

もう一つは、

二枚組ベストアルバム(日本盤)に

入っているバージョンになりますが、

そちらはキーボードなど、

かなりアレンジがされており、

私はそちらの方が好きです。

いずれにせよ、

ワイルドハーツというバンドが、

いかに優れた名曲を遺したのか、

改めて痛感します。

#13 Beautiful Me… Beautiful You(Ginger)[2:55]

シンプルでキャッチーな一曲です。

この時期のジンジャーは本当に多作で、

この曲のような、シンプルながら、

とても素晴らしいメロディの曲が、

シングルB面などに、

山のように収録されています。

#14 Caffeine Bomb(Ginger)[2:41]

ボーナス最後が『Caffeine Bomb』です。

『Earth Vs The Wildhearts』の時期に作られた、

シングル曲ですが、

ドラムはスティディでなく、リッチです。

早口言葉のようにまくし立てる歌詞と、

ドライブ感の強い演奏で、

ライブでは最高に盛り上がります。

PVのはっちゃけ具合も最高で、

メンバーの若さを感じます。

この曲と『Suckerpunch』は、

双子のような関係ですが、

どちらも最高に格好良く、

数十万枚くらい売れても、

全くおかしくないですね。

採点

『Fishing for More Luckies』 /99点
トトオ
トトオの
オススメ曲

Inglorious
Schizophonic
Do the Channel Bop
Sky Babies

総括

既述の通り、

このアルバムの日本盤は、

日本向けのボーナストラックに、

やや蛇足感があります。

良い曲ばかりですが、

アルバムとして見た場合は、

UK盤の方がいいです。

しかしこれは、

ワイルドハーツの最高傑作であり、

私のオールタイムベストでもある一枚です。

「メタリカ・ミーツ・ビートルズ」と言われますが、

先人を模倣したような感じは全くなく、

これほどバラエティに富んだ、

スーパーハイクオリティな作品は、

これまでの人生でも、

他に聴いたことがありません。

そんな彼らが、

なぜこれほど知名度が低く、

商業的にもここまで厳しい環境なのか、

本当にもったいないことです。

しかし、

ミュージシャンズミュージシャンのような、

ややマニアックな立ち位置でもあるため、

マキシマムザホルモンの亮君など、

人気のあるミュージシャンには

割と知られています。

そのため、

一般のリスナーにも、

間接的に影響を与えているのは、

間違いないです。

まず、ワイルドハーツ作品をおすすめするなら、

『Earth Vs The Wildhearts』

この『Fishing for More Luckies』です。

もし音楽好き、特にロック好きを自称する人なら、

聴いて絶対損させませんね。

終わりに

最初に述べましたが、

そもそもこの作品は、

ファンクラブ向けに作られた、

ミニアルバムをベースとしています。

そのミニアルバムの構成は、

『Inglorious』
『If Life Is Like a Lovebank I Want an Overdraft』
『Schizophonic』
『Do the Channel Bop』
『Geordie in Wonderland』
『Sky Babies』

の、全6曲でした。

当初は、この6曲で作成されたということですが、

全く無駄がなく完璧な構成で、

この作品こそが、

本当のワイルドハーツの最高傑作です。

この6曲だけ抜き取って、

勝手に楽しむのもアリですね。

『Fishing for More Luckies』には、

内2曲入っていませんが)

私の意見では、

彼らの最高傑作はこれですが、

彼らのキャリアは、

この作品から25年ほど経った、

今現在も続いています。

【とりあえずコレ聴いて!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#6】ザ・ワイルドハーツ『The Best of The Wildhearts』
トトオです。 六回目のワイルドハーツレビューになります。 今回は彼らのキャリア初となる、 ベストアルバム、 『The Best of The Wildhearts』です。 ちなみに、前回はこちら。 この記事は、 以下の方に...

コメント

  1. ぼく、ブースカれす より:

    ワイルドハーツのアルバムは隣の区の図書館に先に借りたベストと、ファーストから、このアルバムまでありました
    3枚まで借りられるので、明日ベスト盤を返却して、その3枚を借りてみますが、ファーストのジャケットのグロさは、YESの大ヒット曲『ロンリー・ハート』のプロモを彷彿させますね…😅

    あとは何故かかなり空いて、最新とその前のが、別方向の区の図書館にありましたよ(^^)

  2. トトオ より:

    >ぼく、ブースカれすさん
    ワイハは日本人には人気ありましたからねー。アメリカでは驚くほど人気ないですが。この『Fishing – 』が彼らの最高傑作だと思ってます。

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