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【00年代隠れた名盤!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#9】ザ・ワイルドハーツ『The Wildhearts Must Be Destroyed』

ワイルドハーツ TWMBD 写真1 ブログ用 音楽

トトオです。

今回は、私が初めてリアルタイムで購入した、

ワイルドハーツのオリジナルアルバムである、

『The Wildhearts Must Be Destroyed』

をレビューします。

前回は記事はこちらです。

【最大の問題作!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#7】ザ・ワイルドハーツ『Endless, Nameless』
トトオです。 7回目のワイルドハーツレビューです。 今回は彼らのキャリア上、 最大の問題作と言われる 『Endless, Nameless』のレビューです。 前回は記事はこちらです。 この記事は、 以下の方にオススメです。...

この記事は、

以下の方にオススメです。

2000年代ワイルドハーツの隠れた名盤
CJとステディの貢献度が過去最高

『The Wildhearts Must Be Destroyed』(2003年発表)

2003年発表、通算4枚目のフルアルバムです。

もっとたくさん発表しているような気がしますが、

これでもまだアルバムとしては4枚目なんですね。
『Fishing For Luckies』はほぼアルバムですが)

この前のオリジナルアルバムは、

世間的には問題作とされる作品でした。

【最大の問題作!THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#7】ザ・ワイルドハーツ『Endless, Nameless』
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本作は、私がリアルタイムで購入した、

最初のオリジナルアルバムなので、

当時のことをよく覚えています。

まだAmazonが浸透していなくて、

リアル店舗に買いに行きました。

発売日に行ってもどこのお店にもなくて、

なぜか電気屋さんのCDコーナーで、

ようやく見つけたことまで覚えています。

メンバー

Ginger
CJ
Andrew “Stidi” Stidolph

直前のEP『Riff After – 』と同様に、

10年前のファーストアルバム、

『Earth Vs -』と同じメンバーになる、

という発売前の触れ込みでした。

実際、フタをあけるとそうはならず、

ダニーがリハビリのために、

アルバム収録前に抜けてしまいます。

じゃあ、誰がベースを弾くのか、

というところですが、

結局ジンジャーが弾いています。

そういえば『P.H.U.Q.』の時も、

三人ワイルドハーツでしたので、

こんなことはもう慣れっこかも知れません。
(でもダニーが抜けたのはバンド史上初なはず)

音質

『Riff After – 』の時に書きましたが、

かなりヘヴィな音になっています。

印象的なのはドラムサウンドで、

ステディの高速タムロールのおかげで、

全体的にノリが軽快で、どの曲も小気味良いです。

『Riff After – 』同様、

パンク・メロコアっぽく聴こえる部分もあります。

ジャケット

日本盤とUK盤のジャケットは、

それぞれデザインが全然違います。

私は当時日本盤を購入しました。

日本盤の裏面はこんな感じです。

ワイルドハーツ TWMBD 写真2 ブログ用

UK盤は、アルバムタイトルにひっかけた、

B級特撮映画っぽい遊び心のあるデザインです。

日本盤はアニメ風のデザインですが、

正直なところ、

あえて日本盤だけデザインを変えてまで、

採用するほどのものとは、ちょっと思えません。
(描いた人すいません)

全曲レビュー(日本盤)

#1 Nexus Icon (Ginger)[2:39]

ラジオみたいなイントロから始まり、

いきなり高速ヘヴィポップチューンに突入します。

ロックンロールアルバムには、

やはり一曲目にこういうのが似合いますね。

歌メロは相変わらずポップでメロディックですが、

ギター他、楽器はかなりヘヴィです。

今聴くとかなり速いですね。

ワイルドハーツ史上、

一番速いオープニング曲かもしれません。

動画は当時の東京でのライブ映像ですが、

ベースはジョン・プールですね。

ライブは更に速いです。

#2 Only Love (Ginger)[2:56]

流れるように続く、

メロディック且つポップなナンバーです。

歌のハーモニーがめちゃくちゃ甘いです。

コーラスがとても良い一曲ですが、

The Darknessジャスティンが参加しています。
(今回初めて知りました)

ジャスティンの声、聴こえます?

このアルバムは、全曲3分前後と時間が短く、

非常に聴きやすい簡潔なナンバーが多くて、

前作と比較すると、凄まじいギャップです。

#3 Someone That Won’t Let Me Go (Ginger)[3:32]

このアルバムで一番好きな曲はこれです。

冒頭のリフから格好良く、

無駄が一つもない非常にシンプルな楽曲です。

この曲は、歌詞と楽曲の一体感が特に高いです。

どこか切ないメロディーを、

淡々と歌い上げるところがまた良いです。

いわゆるワイルドハーツの代名詞とも言える、

メタリカ的な鋭いリフ展開はありませんので、

一聴すると地味にも感じられますが、

ワイルドハーツの歴代の楽曲でも、

一二を争うスルメ曲です。

#4 Vanilla Radio (Ginger)[3:13]

『Riff After – 』にも入れられたシングルです。

『Riff After – 』バージョンとは、

若干アレンジが異なります。
(PVはアルバム音源ではありません)

このアルバムといえばコレ、

という人も多いのではないでしょうか。

ちゃんとリスナーの耳に届きさえすれば、

もっと売れるはずの楽曲でしょう。

#5 One Love, One Life, One Girl (Ginger)[2:32]

クリーントーンっぽいギターから始まる

本作唯一のバラード風ナンバーです。

2分半ほどしかない曲で、

このあと激しめの曲が続くため、

アルバムの構成上挟まれた曲でしょうか。

他曲と比較すると、やや地味かも知れません。

#6 Get Your Groove on (Ginger)[1:49]

『Caffeine Bomb』的な高速ヘヴィチューンです。

過去最高に太いディストーションサウンドです。

これも2分足らずと極端に短い曲です。

タイトルから想像できるように、

ちょっと跳ねたグルーヴ感のある曲で、

ワイルドハーツとしては珍しい楽曲です。

#7 So into You (Ginger/CJ)[2:40]

第二弾シングルカットですが、

ストレート且つポップなナンバーです。

これまた2分半ほどしかありません。

ハードロックというより、

ハードパンクといった方がしっくりくるほど、

シンプルな構成とキャッチーなサビです。

この曲はジンジャーとCJの共作になっていますが、

CJのメロディーセンスはかなり良くて、

アルバム中の良いアクセントになっています。

PVにはまだダニーが映ってますね。

#8 There’s Only One Hell (Ginger)[2:43]

このあたりからアルバム後半戦です。

実は本作の聴きどころは後半で、

やや地味ながらも良い曲が連発します。

この曲はギターリフがシャープで格好良く、

ハッピーな雰囲気が光る楽曲です。

#9 It’s All Up To Me (Ginger)[4:19]

押しまくりの楽曲が続いてきましたが、

ここにきて少し引いた、

メロディックなミディアムテンポの楽曲です。

前の曲といい、この曲といい、

無駄一切なしのメロディの洪水状態です。

この曲は後半多少引っ張るので、

本作最長の曲ですが、それでも4分強です。

潔すぎて驚きます。

#10 Out From The Inside (CJ)[2:32]

CJの楽曲です。

CJだけのクレジットの楽曲はこの曲が史上初、

その後もなし(?)でしょうか。

これが素晴らしい出来で、

このアルバムで二番目に好きな曲です。
(一番は『Someone – 』

メインのボーカルもCJ担当のようですが、

驚く程ジンジャーと似ています。
(ほぼツインボーカル?)

ボーカルメロディが甘く、

どこか切なさもあって、

ギターリフはヘヴィで、

もう言うことない名曲です。

#11 Top of the World (Ginger)[3:54]

アルバム本編最終曲です。

この曲のPVでは、

完全に三人ワイルドハーツになっていて、

当時ちょっと切なかったですね。

カウボーイハット姿の、

レミー風ジンジャーに痺れます。

これもシングルカットですが、

本アルバムのシングルでは一番好きです。

冒頭のアルペジオを使ったリフが、

とても心地よい響きです。

#12 Bang! (Ginger)[5:08]

ボーナスは二曲ですが、

アルバム本編のアウトテイクという感じで、

本編と同じ路線の楽曲です。

やや地味な楽曲ですが、

聴けば聴くほどハマる不思議なスルメ曲で、

この時期のB面曲では、お気に入りの一曲です。

#13 Move On (Ginger)[3:54]

前曲同様に、

シンプル且つメロディックなナンバーです。

この二曲を本編のどこかに配置していても、

何の違和感もなかったと思います。

ただそうすると、アルバム全体で見て、

散漫になったのかも知れません。

ファンはアウトテイク集の

『Coupled With』をどうせ買うのだし、

この二曲はあえていれずに、

『Top of the World』で、

すっきり終わっても良かったと思います。

まあこういったことは、

ボーナス曲を収録している国内盤、

全てにあてはまってしまうのですが。
(ごくまれにこういう例外もあります)

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採点

『The Wildhearts Must Be Destroyed』 / 95点
トトオ
トトオの
オススメ曲

Someone That Won’t Let Me Go
Out From The Inside
Top of the World

総括

本作はワイルドハーツの歴史の中でも、

『Endless Nameless』同様に、

やや異質な作品であり、

2000年代の新生ワイルドハーツによる、

新たなチャレンジ作でしょう。

楽曲はどれも短く、

ギターリフは必要最小限に抑えて、

ボーカルハーモニーが強調された、

軽快な楽曲のみで構成されています。

同じメンバーで作られた、

『Earth Vs – 』と比較すると、

やはり似た傾向はありますが、

ハードロック・メタル要素を削ぎ落として、

ポップさに軸を置いたような内容です。
(但し、ディストーションは強化)

この要因は、本作復帰を果たした、

CJとステディによるものでしょう。

CJは、曲も書けますが、それ以上に、

歌唱力という最大の武器があります。

本作ではジンジャーを強力にサポートしています。

且つ、ステディのスピーディなドラムは、

ヘヴィなリッチのドラムよりも、

縦ノリの高速チューンが向いています。

本作にストレートなナンバーが多い理由は

このあたりでしょう。

流して聴くとあっという間に終わってしまい、

ある種地味ととらえかねられない、

かなり潔い構成ですが、

聴けば聴くほどに味が出てくる、

素晴らしい作品です。

ただし、予測不能の複雑なスラッシュメタルに、

キャッチーなボーカルメロディーという、

これまでのワイルドハーツの一番の売りは、

完全に封印されています。

旧来のワイルドハーツファンには、

この方向性は薄味に感じられる可能性大です。

終わりに

前作は、ある種過去最高に、

ロックンロールな作品でした。

この復活作は、

ある意味、前作の真逆ともいえる作品ですが、

原点回帰ではなく、

新たな方向性を示しています。

スタイルには拘らず、

新たなチャレンジをしながら、

常に素晴らしいクオリティの作品を生み出す、

ワイルドハーツというバンドこそ、

真のアーティストと呼ぶに相応しいでしょう。

私にとっては、本作に伴う来日ツアーも、

とても良い思い出になっていて、

今はなき心斎橋クラブクアトロの、

妙に横長な会場が懐かしいです。
(三日間限定で最近復活していた模様)

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