ジェフ・ベックが亡くなりました。
本作でのプレイは、最期の仕事の一つでしょう。
改めて聴き直したいと思います。
トトオです。
今回は、先日発売されたオジー・オズボーンの新作『ペイシェント・ナンバー9』のレビューです。
過去のオジー関連の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
![トトオ](https://totoouemachi.com/wp-content/uploads/2021/06/トトオ_Small_Renewal.png)
ポイント
「これで終わり」と言わないで
先にまず感想
まず、私が本作を聴いた感想は、
「俺の好きなオジーが帰ってきた」
でした。
本作の特徴は大きく三つです。
豪華なコラボでも奇跡的な統一感
オジー最終作かの凄まじい哀愁
Ozzy Osbourne『Patient Number 9』(2022年発表)
概要
オジーの13作目のソロ作です。
(数字が気になる)
2020年に発表された前作『Ordinary Man』は、その前の『Scream』から約10年も空きましたが、今回はわずか2年のインターバルです。
制作体制
前作発売直後に、プロデューサーは据え置きで、本作に取り掛かると発表していました。
ということで、前作同様アンドリュー・ワットがプロデューサーです。
アンドリュー・ワットて、まだめちゃくちゃ若いんですね。
今まだ、32歳です。かたや御大は73歳。
優秀なら年齢関係なく採用するあたりは、さすがです。
驚愕のコラボ陣 ギター編
今回の目玉は、ビックリ仰天の豪華コラボ陣です。
ジェフ・ベック:2曲 エリック・クラプトン:1曲
やはり目玉は、ジェフ・ベックとエリック・クラプトンでしょう。
実は、ジミー・ペイジにも声を掛けたらしいですが、
「最近、ギター弾いてへんから・・・」
と、断られたそうです。
(そのあと、訂正コメントを出した模様)
ジミー・ペイジがもし参加していたら、三大ギタリスト揃い踏みでした。
あまりにもこの二人の大御所が凄すぎるので、若干霞んでいますが、他にも素晴らしいメンバーが参加しています。
トニー・アイオミ:2曲
トニーがオジーソロ楽曲にクレジットされるのは、これが初ではないでしょうか。
(間違ってたらすいません)
マイク・マクレディ:1曲
結構意外な人選ですが、パール・ジャムのギタリストです。
職人的な格好良さのプレイヤーですね。
ジョシュ・オム:1曲
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのギタリストです。これも意外でした。
(なぜか曲名にクレジットされていません)
ザック・ワイルド:4曲
来ました。ザックです。
実は久しぶりの参加で、『Black Rain』以来になります。
これらに加えて、アンドリュー・ワット自身も弾いているので、ギタリスト総勢7名参加です。
驚愕のコラボ陣 リズム隊編
ギター以外のメンバーも凄まじいです。
まずはベースから。
ロバート・トゥルージロ:7曲
トゥルージロも久しぶりです。
『Down to Earth』以来です。
当時はまだメタリカ加入前で、彼の人生はその後、激変しましたね。
ダフ・マッケイガン:2曲
永久ハンサム兄ちゃん(?)こと、ガンズのダフは、前作に引き続きの参加です。
クリス・チェイニー:1曲
おそらくテイラー・ホーキンスつながりで一曲参加しています。
ジェーンズ・アディクションでの活動一番有名でしょうか。
続いてドラムです。
チャド・スミス:9曲
ご存知、レッチリのチャドです。前作同様、メインで叩いています。
メタルもやれるんですねー、この人。
テイラー・ホーキンス:3曲
これまたご存知、フーファイのテイラーです。
本作での客演は、結果的に彼の死後に発表されることになりました。
と、本当に凄まじいメンバーで固められた作品です。
大御所オジーでなければありえないメンツでしょう。
一個だけ欲を言うと、一曲くらいマイク・ボーディンが叩いて欲しかったですかね・・・。
限定イラストジャケット仕様詳細
Todd McFarlane イラスト・ジャケット仕様
特に何も考えずポチったのですが、初回はデザインがトッド・マクファーレンというアメコミアーティストの特別仕様でした。
まあ、デザインは別に良いんです。
なんか微妙にデカいんですこのジャケット。
いや、これくらいのサイズが一番取り扱いにくいというか・・・。
(ちゃんと調べなかった私が悪いんですが)
Blu-spec CD2とSpotify
あと、Blu-spec CD2仕様でした。
最近、SpotifyとCDどちらでも聴くのですが、圧倒的にCDの方が良い音しますね。
外でイヤフォンで聴くときは大して気にならないのですが、家でアンプに繋げて聴くと、歴然とした差が出ます。
ちなみに、Spotifyの音をアンプに通すためのBluetoothのレシーバー(DAC)はifiのそこそこ良いやつです。
こんなん。
それでもCDの方が良いです。
(Blu-spec CD2のパワーは不明)
あと、おまけでアルバムジャケットのシールがついていました。
ジャケットのシールより、裏面のオジーのロゴをそのままシールにして欲しかったですね。
楽曲レビュー
90年代メタルに回帰な音質
まず、本作の特筆すべき点は、メタル度が前作より上がっていることです。
しかも、90年代のオジーのソロのような、絶妙に作り込まれたバランスです。
ちなみに、前作『Ordinary Man』は、メタルよりもオルタナティヴ・ロックっぽい音に感じられました(特にリズム隊)。
楽曲もメタル度が上がっており、特にトニーとコラボしたシングルカットは、サバス風味が濃いめで堪りません。
トニーコラボは、もう一曲あります。
後半の展開が、もう完全にブラック・サバスです。
やはり、ザックが多数参加していることも影響していると思われます。
いやー、ザックらしくて良い曲です。
傑作『No More Tears』にも通じる、まさに英国のモダンヘヴィメタルサウンドと言えるのではないでしょうか。
豪華なコラボでも奇跡的な統一感
既述のとおり、もうとにかく沢山のゲストが参加しています。
にも関わらず、アルバム全体として散漫な印象が皆無です。
一枚のアルバムとして、奇跡的な統一感でまとめ上げられています。
例えば、クラプトンの曲はやや他と違う毛色ですが、しっかりアルバムにマッチしています。
これは、先程説明した絶妙な音質が、アルバム全体にうまく作用しているのではないでしょうか。
この辺はプロデューサーの手腕でしょう。
あとは、やはりオジーのボーカルによるところでしょう。
病気にケガにコロナにまでなった帝王オジーですが、本作で聴けるボーカルは、どこを切り取っても、まさにオジーそのものです。
良くも悪くも、オジーが歌えばなんでもオジーの曲になってしまう、強烈な個性は相変わらずです。
ボーカル自体の衰えは、微塵も感じさせません。
オジー最終作かの凄まじい哀愁
本作が、オジーの最終作となるのかどうかはわかりません。
少なくとも、明言はされていません。(よね?)
しかし、現実的には加齢と病気により、健康状態は芳しくないようです。
そのような背景もあってか、「これで終わり感」とでも言いますか、寂寥感が全編を漂います。
ジェフ・ベックとのタイトルトラックから激渋で、どこか物悲しいです。
一曲目でコレですからね。
特に後半二曲の、『Dead and Gone』と『God Only Knows』は哀愁が凄まじく、出色の出来です。
めちゃくちゃメランコリックで、かなりグッときました。
総括
専門家の本作に対する評価は、それほど高くないようです。
(私の確認した範囲内)
過去の全盛期の作品と比較すると、コラボ陣でブーストしている感はやはり否めません。
また、どの曲もよくできている反面、ある意味聴きやす過ぎて、個性が薄い作品と捉えられるかもしれません。
しかし私にとっては、これぞまさにブリティッシュ・ヘヴィメタルそのものです。
サバスのそれとも違う、オジーのソロワークの結晶と言える素晴らしい作品です。
私がオジーに期待するものは、ほぼ全て入っていると言っても過言ではありません。
オススメ名曲ランキング
![トトオ](https://totoouemachi.com/wp-content/uploads/2021/06/トトオ_Small_Renewal.png)
オススメ
ランキング
1位『Dead and Gone』
2位『God Only Knows』
3位『Degradation Rules』
4位『Patient Number 9』
終わりに
メタルというジャンルの最大のアイコンの一つが、オジー・オズボーンです。
このジャンル最大の貢献者でしょう。
この年齢まで現役で活躍してくれたことに、感謝しかありません。
末永く活動してもらいたいです。
コメント
先月、BSフジで土曜〜日曜深夜に月一で毎月半ば頃に放送している、ポール・ギルバートさんがテーマ曲を歌っている『伊藤政則のロックTV』という90分番組で、このアルバムの宣伝でオジーさん(こう書くと“お爺さん”みたい…^^;)がマサさんと話していましたが、パーキンソン病でかなり苦しいみたいで、とてもライヴは出来なさそうでしたが、アルバムのプロモを観ると、いつもの感じに戻って歌っていましたが、出来る限り無理しない程度に頑張って欲しいものでありますm(_ _)m
>ぼく、ブースカれすさん
「ロックTV」にオジー出てたんですか!最近見てなかったんで知らなかったです。
年齢的には老いは当然と言えるかもしれませんが、長生きして欲しいですねー。