トトオです。
以前別記事で、
METALLICA/メタリカ初心者向けベスト3を書きました。
その後、
ボーカルのジェームズが、
アルコール中毒のリハビリで、
一旦ツアーをキャンセルする、
というニュースがありました。
メタリカファンならご存知ですが、
メタリカのフロントマン、
James Hetfield/ジェームズ・ヘットフィールド
の存在感は、凄まじいものがあります。
メタリカのソングライターであり、
バンドの顔であるフロントマン。
バンド及びファンの、
まさに兄貴的な存在です。
かつて、
メタリカのドキュメンタリー映画で、
そのいかつめのルックスや言動とは裏腹に、
内面は実は繊細で、
ギャップに苦しんでる様子が、
描かれていました。
(この映画、
個人的に一番面白かったのは、
カークが人気者であることに、
拗ねるラーズでした)
ジェームズは、
スターになってからの重圧から、
アルコールやクスリに、
頼らざるを得なくなったことも、
仕方のなかったことでしょう。
長年の無理が、
ここにきてたたっているようです。
一ファンとして、
彼の復活を待つ間に、
個人的に好きなメタリカ作品を、
年代別で紹介したいと思います。
しかし、
最近「復活祈願」系の記事が、
我ながら多いですね・・・。
みんな歳を取ってきたし、
病気の一つ二つも当然あるって、
ことなのでしょうが、
若手バンドも、
もっと聴かないといけませんね。
それはさておき、
まず今回は、第一回目として、
1980年代のアルバムを、
紹介したいと思います。
この記事は、
以下のような方にオススメです。
聴き逃している隠れた名曲を知りたい
HUNTER×HUNTER再開まで暇をつぶしたい
Metallicaと冨樫先生と私①
私が中学生だった時、
週刊少年ジャンプは黄金期でした。
『ドラゴンボール』、
『スラムダンク』、『幽☆遊☆白書』、
超人気漫画が連載されており、
10代ならほぼ全員が読んでいました。
『幽☆遊☆白書』は、
当時最も人気があった漫画の一つです。
私はコミックも買って読んでいました。
コミック版には、余白ページに、
作者のちょっとした、
落書きが書かれていました。
その中に、
作者(冨樫義博氏)がメタリカを聴いている、
という絵がありました。
私は当時邦楽しか聴いてなかったので、
メタリカが何者かは知りませんでしたが、
外国のバンドである、
ということはインプットされました。
高校生になって、
音楽を本格的に、
趣味として聴くようになった時、
洋楽を聴きたくなりました。
格好良くないですか?
「今俺、洋楽聴いてるねん」って・・・。
当時、深夜のテレビのローカル局で、
billboard TOP 40が放送されていました。
そこで、見つけたのです、
メタリカを。
当時メタリカは『Load』を発表したばかりで、
『Until It Sleeps』が、
ヘヴィーローテーションされていました。
曲が良いとか悪いとかは、
正直わかりませんでしたが、
知った名前であることと、
背伸びしたい気持ちが重なり、
近所のレコード屋さんに行って、
『Load』のアルバムを購入しました。
活動時期別レビュー①/1980年代
1980年代のメタリカの作品は、
以下の四枚です。
Ride the Lightning (1984)
Master of Puppets (1986)
…And Justice for All (1988)
それでは、早速ランキングに移ります。
今回は個人的ランキングです!第4位
第4位
愛すべきメタル好きなアメリカの若者達 / ☆☆☆
第4位は、
彼らのデビューアルバムです。
私は高校生当時、
このCDをレンタルし、
カセットテープにダビングして、
聞いていました。
その後、聴き込まないうちに、
『Master of Puppets』のCDを買って、
それにハマったので、
結局このアルバムを聴き込んだのは、
あらかたメタリカを聴き尽くした、
その後でした。
私は『Master of Puppets』以降の作品に、
先にハマったので、
当初は音質が気になりました。
明らかに、次作以降よりチープで、
薄っぺらいです。
また、『Ride the Lightning』以降の、
ギターリフを重ねて、
曲を構築していく、
メタリカ的手法の確立前のため、
曲の個性もそこまで強くないです。
しかし、
この時期ならではの聴きどころもあり、
一つはベースのクリフの存在感です。
『Pulling Teeth』に見られるような、
ベースソロを中心とした曲作りは、
当時クリフの存在感が大きかった、
その証拠でしょう。
演奏はかなりインプロっぽいところもありますが、
クリフの腕前に、
信頼が置かれていた所以でしょう。
他、全体的にコンパクトな曲が多く、
この時期でも、
ギターリフには光るものがあります。
個人的には
『The Four Horsemen』
『Jump in the Fire』
あたりが、かなり好きな曲です。
(ちなみに、どちらも、
MEGADTH/メガデスの
Dave Mustaine/デイヴ・ムステインが、
クレジットされています)
しかし、やはり、
自分たちが好きな、
メタル界の先人達の影響から、
まだ脱し切れていない印象です。
それにしても、改めて聴き直すと、
カークは今より上手くないですか・・・?
『Pulling Teeth』
メタリカ的手法確立!な第3位
第3位
未だ抜けきらないB級感 / ☆☆☆☆
第3位は、
彼らのセカンドアルバムです。
ファーストから、
格段に進化したアルバムですが、
スラッシュメタル時代の、
メタリカスタイルの原型は、
この作品だと思います。
速い一曲目や、タイトル曲の二曲目は、
若い時によく聴きました。
このアルバムの面白いところは、
それ以外の中盤の曲です。
『Fade to Black』は、
メタリカバラードの原点になる曲です。
この時代から、
クリーントーンと、
ディストーションサウンドの使い分けが、
上手いです。
『Trapped Under Ice』や、
『Escape』は、
B級スラッシュメタルっぽい、
まさに過渡期的な曲です。
自分たちが好きだから、
楽しんでやっているという感じが出ていて、
のちの巨大化したメタリカにはない、
若いミュージシャンの雰囲気が良いです。
『Creeping Death』と『The Call of Ktulu』は、
メタリカのライブ定番曲ですね。
このアルバムは、
次作ほど完璧な音作りではなく、
まだややチープに感じます。
バスドラムや、ベースなど、
低音が次作ほどタイトではなく、
ギターの鳴りも、
まさにドンシャリといった感じです。
派手さはありますが、
全体的な音の締まりはあまりなく、
まだ王者の風格はありません。
しかし、
若さならではの勢いは半端ではなく、
この時期のライブを観ると、
演奏スピードと、
音のやかましさには圧倒されます。
『Trapped Under Ice』
第2位は初心者向けには第1位の作品!
第2位
メタリカスタイルの完成形 / ☆☆☆☆
2位は、
以前の初心者向け記事でも1位で紹介した、
『Master of Puppets』です。
このアルバムで、完全に化けましたね。
冒頭のアコギの音から、全然違います。
音に深みがあります。
ディストーションサウンドも、
研ぎ澄まされており、
とても86年の音とは思えません。
これを聴くと、
如何に全体のバランスが重要か、
思い知らされます。
ベースのクリフの最終作ですが、
本当にベースもよく鳴っています。
メタルでは、
ツインギターがかなり低音まで、
カバーしてしまうため、
ベースの存在感が薄いことが多いですが、
ドラムのラーズと、
クリフのコンビネーションは、
素晴らしいです。
キメが多い曲ばかりですが、
ミュートするところは、
きっちりミュートしているため、
メリハリがしっかりしています。
超名曲を中心に8曲しか入っていませんが、
この中で面白いのが、
6曲目の『Leper Messiah』です。
メタリカらしい、
ギターリフで埋め尽くしたような、
ややミディアムテンポの曲です。
中盤からやはり速くなりますが、
他の曲のような、
特に目立つメロディーがありません。
しかし、ギターリフを積み重ねる、
独特のアレンジは、
このアルバムの世界観を構築する上で、
非常に重要です。
まあ、なんだかんだ言って、
『Damage, Inc.』あたりの速い曲の格好良さに、
痺れたんですけどね、高校時代は。
『Leper Messiah』
メタリカ流の究極のアート作品が1位!
第1位
ジャンルを超えた究極の完成度 / ☆☆☆☆☆
これが一位というのは、
意外に感じられるかもしれませんが、
80年代メタリカで、
一番聴いたのはこのアルバムです。
スラッシュ時代のメタリカの、
最終形とでもいうべき、超大作です。
しかし、
クリフがいなくなったことで、
ベースの存在感が、
全く感じられない音になっています。
また、ドラムもスネアの音が妙に乾いており、
全体的に薄っぺらいサウンドです。
その点が、この作品を酷評する、
最大の理由だと思いますが、
個人的には、
この作品はメタリカ流の、
究極の芸術作品だと思います。
サウンドの問題点のため、
前作ほどメリハリがなく、
且つ曲は前作よりも長くなっているため、
全体的に長ったらしく感じられるでしょう。
しかし、これがまさに、
このアルバムを唯一無二にしている所以です。
以前、
Sonic Youth/ソニック・ユースの
Thurston Moore/サーストン・ムーアが、
このアルバムの音作りを絶賛した、
という記事を見たことがありますが、
なぜ、畑違いのサーストン・ムーアが、
気に入ったのか、今ならよくわかります。
(元の記事を探しましたが、
見つかりませんでした)
徹底してストイックな音作りと、
無限に続くかと思える、
ギターリフに次ぐギターリフ。
ジャンル違いですが、
Talking Heads/トーキング・ヘッズの、
『Remain In Light/リメイン・イン・ライト』のような、
どこまでも終わらない、永続感を感じます。
ギターリフが格好良い曲ばかりですが、
ギターソロに関しても、
最近の適当に手癖で弾いたようなものとは、
一線を画します。(カークごめんなさい)
かなり凝って作られており、
何度聴いても飽きません。
中盤の曲は、
ある種、地味に聴こえる曲が多いですが、
よく練られたリフばかりです。
個人的には『The Shortest Straw』とか、
『Harvester of Sorrow』が大好きですね。
ロバート・トゥルージロが入ってから、
Justice期の曲もライブ演奏しており、
この曲もやっていますが、
めちゃくちゃ格好良いです。
世間的には、
『Master of Puppets 2』の出来損ない、
という印象かもしれませんが、
メタリカが、
スラッシュメタルを突き詰めて、
たどり着いた境地であり、
これほど徹底してやり尽くしたバンドは、
他にないと思います。
これがあったからこそ、
あの超重厚で、
究極の完成度の次作、
『Metallica/ブラックアルバム』が生まれたのも、
間違いないです。
以前、
「Master of Puppetsのような
アルバムを作らないのか?」
と聴かれたラーズが、
「それはもうやったから、
同じことはやらない」
と答えていました。
あくまで、
新しいものを求める姿勢があったからこそ、
メタルという枠を超えた、
バンドになり得たんでしょう。
ちなみに、
このアルバムは当時の国内盤に、
Diamond Headの『The Prince』のカバーが、
入ってましたが、
正直、この曲が一番格好良かったですね。
本家の曲をメタリカ流にアレンジすると、
本家以上に格好良くなる典型ですね。
『The Shortest Straw』
終わりに
メタリカは、
旧作を少しずつリマスターして、
再発していますが、
もっともリマスターが期待されたのは、
『…And Justice for All』でしょう。
正直、私もかなり期待しましたが、
良くも悪くも、
大きく変わっていなかったですね。
少なくとも、
『Master of Puppets』みたいな音には、
なっていなかったです。
YouTubeでは、ベースだけ、
リバランスしたような音源もありますが、
やはり違和感があります。
結局、この作品は、
当時のアーティストの意思で、
こういう音になったわけですので、
これで良いのだと思います。
80年代のメタリカ作品は、
彼らのクリエイティヴィティが、
最も発揮された時期で、
どの作品も聴きどころ満載です。
改めて聴き直すと、
やはりクリフの存在感が大きい時代でした。
クリフはメタリカ加入前に、
EZ-Streetという、
スリーピースバンドを組んでいました。
クリフ以外の残りの二人が、
その後組んだバンドが、
Faith No Moreです。
すでに記事を書きましたので、ご参考まで。
メタリカは90年代に入り、
賛否両論巻き起こすわけですが、
この時期のメタリカも大好きなので、
楽しく書こうと思います。
コメント
メタリカも少し前にアルバムをiTunesに入れてコンプしました。
『〜・マスター』は名盤と言って過言では無いですね。
リアルタイムの高校生の頃、学校では当時の最新アルバムだった『〜・ジャスティス』が話題になっていましたよ。
今回借りた時に、ファーストのかつての邦題がジャケットから『血染めの鉄槌(ハンマー)』と言うタイトルで、他の曲も大半が邦題が付いていたそうで面白かったので、iTunesに入れた時は『Kill ‘em All / キル・エム・オール [旧邦題:血染めの鉄槌(ハンマー)]』等、他の曲もその様に入力しました。自己満足の世界ですが、結構楽しいです(^^)
https://anon-re-chord.com/anon_blog/note/metallica-killemall/
2枚目の『ライド・ザ・ライトニング』は借りたのが旧盤だったのですが、音量を一定にしてイヤホンで聴く分には悪くは無かったです。