トトオです。
今回のオールタイムベストは、
オジー・オズボーンの、
『ノー・モア・ティアーズ』です。
前回の記事はコチラです。
オジー・オズボーンに思うこと
なぜこのおっさんが凄いのか
私がメタラーになったのは、
だいたい90年代中頃でしたが、
当時不思議に感じたことがありました。
「このオジー・オズボーンとかいう
小太りのおっさんは、
なぜこんなに人気があるのか?」
私がメタリカやメガデスなどの、
スラッシュメタル勢にハマった理由の一つに、
見た目の格好良さがありました。
もちろんその音楽の鋭さもありましたが、
屈強なアメリカ人のマッチョな姿に、
10代の私は強烈な憧れを抱きました。
メタル全般に聴くようになった時に、
やはりオジーの存在を知りますが、
まず思ったのが、
どう見ても格好良く思えない、
走り回る小太りのおっさんに、
人気があるのはなぜなのか?でした。
ブラック・サバスの影響力
上記のように、音楽を詳しく聴く前に、
ルックスのインパクトから入ってしまったため、
オジーは当初かなり不思議な存在でした。
しかし、音楽を聴き始めることで、
その凄さを知ることになります。
彼の経歴に関しては、
また別の機会に書きたいと思いますが、
ブラック・サバスの存在は、
現代メタル界では重要ということです。
90年代以降のヘヴィミュージック全般に、
サバスの影響を受けていないバンドは、
まずいないのではないでしょうか。
もちろん、その後のソロキャリアでも、
数々の伝説を残したのが、
オジー・オズボーンでした。
歴代ギタリストで誰が好き?
サバスを脱退したオジーの、
その後の経歴も長いのですが、
ソロ時代の作品群に関しては、
「その時期のギタリストは誰か?」
という視点で大きく分けられます。
そして、メタラーなら、
一度は考えたことがあるテーマは、
「オジーの歴代ギタリストで誰が好き?」です。
結論から言うと、
私はザック・ワイルドが好きで、
アルバムだと『No More Tears』が、
最高傑作だと思っています。
Ozzy Osbourne 『No More Tears』
変幻自在のザックのギター
ボブとランディの集大成
最終作ならではの深い哀愁
オジーのソロキャリア最期の作品、
という触れ込みで発表されたのが本作です。
(結果そうなりませんでしたが)
そのような背景もあってか、
全編に渡り、恐ろしく黄昏れています。
一曲目『Mr. Tinkertrain』から、
三曲目『Mama, I’m Coming Home』まで、
切ないミドルテンポの名曲が三連発です。
特に『Mama – 』は、
オジー史上屈指のバラードです。
二・三曲目はモーターヘッドの
レミー・キルミスターの共作ですが、
これもレミーの才能のたまものでしょうか。
前半だけではなく、
中盤から後半にかけても、
『Time After Time』や、
『Road to Nowhere』と、
要所要所に哀愁漂う激渋曲が入ります。
特にラストの『Road – 』は、
泣きっぷりが半端ではなく、
本当にこれで終わりにする、
というオジーの決意が伝わります。
前作まではどちらかというと、
不気味さが強かったオジーのボーカルも、
本作ではそこはかとなく物悲しく、
もうこの歌声だけで泣けてくるレベルです。
(オジーは当時まだ43歳)
変幻自在のザックのギター
ザック・ワイルドは、
オジーバンドとは別の自身のバンド、
プライド・アンド・グローリーで、
カントリー・ミーツ・メタルという、
独特の世界観の作品を発表しています。
一般的な彼の音の印象は、
極太ディストーションのギターだと思いますが、
実はアコギも抜群に素晴らしいです。
既述の『Mama – 』は、
優しいアコギの音色がハマっています。
『Time – 』や『Road – 』は、
アルペジオのメロディが泣かせます。
もちろんヘヴィなギターは本作でも全開で、
アルバム一曲目から冴えまくってます。
前作でも強烈なゲインのギターでしたが、
本作では更に、
ヘヴィネスに重きを置いた作りになっています。
超重厚な一曲として、
本作の隠れ名曲は『Desire』でしょうか。
メタルの教科書的な完璧な一曲です。
91年の楽曲ですが、
今聴いても全く古臭くない、
素晴らしい楽曲及びプロダクションです。
ボブとランディの集大成
前作に引き続き、
ベースはボブ・デイズリーで、
ドラムはランディ・カスティロですが、
このリズム隊が、
素晴らしい仕事をしています。
ちなみにボブは、
レコーディング参加だけだったようで、
ビデオやアルバムインナーには、
マイク・アイネズが写っています。
マイクはこのあと、
アリス・イン・チェイズに参加します。
既述の通り、
ヘヴィネスやグルーヴ重視の作りですが、
リズム隊のプロフェッショナルなプレイが、
アルバム完成度を底上げしています。
ランディに関しては、
モトリーの作品では微妙な結果となりましたが、
本作では最高にクールで、
ド派手なプレイを披露しています。
彼の厚化粧なスネアの音が、
ザックのギターとの相性が抜群に良く、
当時のメタル界では、
理想的な音のバランスだったはずです。
終わりに
歴代オジーバンドで、
一番好きなギタリストは、
ザック・ワイルドと書きました。
ちなみにその次は、
ジェイク・E・リーで、
続いてランディ・ローズと、
ガス・Gが並びます。
(あくまで私の順位です)
私は世代的に、ランディよりも、
ザックへの思い入れが強いです。
更にオマケで言うと、
一番好きな曲は実は、
『Bark at the Moon』だったりして、
キャリアの長いオジーには、
本当に色々な魅力があります。
コメント
本作も借りましたが、オジーさんが一度は引退アルバムとして作った為か、後に撤回したものの、歌詞は訳して聴かなかったのですが、何となく全体の構成が「別れを惜しむ寂しさ」を感じますね…(T ^ T)
親友であるモーターヘッドのリーダー兼,ヴォーカル兼,ベーシストの故・レミー・キルミスターさんと共作した『ヘルレイザー』は昨年末、BSフジで放送している『伊藤政則のロックTV』で、オジーのソロの本作と、モーターヘッドのアルバムでそれぞれ歌っているのを合体させて、二人で一緒に歌っているヴァージョンと、各アルバムのヴァージョンが入っている円盤をリリースと報じていましたが、リリース枚数がやけに少ないと思いきや、アナログレコードのみの販売でした…今は円盤ではCDより形として残す分には、アナログレコードの方がウケる時代になったのを痛感しました。
オジーさんのアルバムでは、個人的には早世した見た目も美形で上手いギタリストのランディ・ローズさんがいた頃の『ブリザード・オブ・オズ』や『ダイヤリー・オブ・マッドマン』より、日本人の血が通っているジェイク・E・リーさんがいた頃の「馬鹿だもん」の空耳で有名な『月に吠える』と、オジーさんはプロデューサーと険悪になり、軟化するまで一時期までリマスターも発売されなかった『罪と罰』が全体的にお気に入りで定期的に聴きますが、本作もお気に入りになっております。
ここまで来たら、生命が尽きるまでメタル道をオジーさん(改めてこう書くと、日本人的には“お爺さん”に思えてしまいますね…f^_^;)には、有能プロデューサーの奥様と共に、最後まで全うして欲しいものです(^^)
>ぼく、ブースカれすさん
私もランディより、ジェイクかザックの方が好きです。
ザックは時期によって結構トーンが違ってて、そのあたりも面白かったりしますねー。