【ARTIST INDEX】アーティスト名記事検索はコチラ
スポンサーリンク

【俺とメタルゴッド②】プリーストのベストは難しい『Metal Works ’73–’93』

ジューダス・プリースト METALWORKS 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

前回記事では、

ジューダス・プリーストとの出会いと、

『Jugulator』を紹介しました。

【俺とメタルゴッド①】ジューダス・プリーストとの邂逅『Jugulator』
トトオです。 私は、すべてのミュージシャンの中で 一番好きなのがアイアン・メイデン です。 本当に、何年聴いても、何回聴いても、 まだ良いと思えるという凄まじさです。 メイデンの全作品、 完全に網羅して聴き込んでいます。 ...

今回は、プリーストのベスト盤、

『Metal Works ’73–’93』について紹介します。

「メタルゴッド」だから凄いはず

既述の通り、

私がプリーストを聴き始めたのは97年あたりで、

その頃はティムがボーカルでした。

当時の最新作『Jugulator』を購入しましたが、

いまいちピンと来ませんでした。

しかし、他バンドのライナーノーツを読むと、

「ジューダス・プリースト」の名前が、

もう頻繁に出てきます。

ということは、

「彼らはきっと凄いはず」です。

そこで、手っ取り早く、

ベストを聴いてみることにしました。

当時ベストとして発売されていたのが、

『Metal Works ’73–’93』です。

『Metal Works ’73–’93』(1993年発表)

概要

プリーストは、

1990年に『Painkiller』を発売した後、

ロブが脱退します。

その後の93年に発表されたのが、

この二枚組ベストアルバムです。

このベストの前に、

ロブは一瞬バンドに戻ったようですが、

詳細は不明です。

ジャケット

これがなかなか格好良いです。

ジューダス・プリースト METALWORKS 写真 2 ブログ用

過去作品のモチーフをそれぞれ集めて、

一つのデザインにまとめています。

かなり凝ったデザインで、

長年のファンは嬉しかったことでしょう。

この数年後に出た、メイデンのベスト盤、

『Best of the Beast』も似たようなデザインですが、

このアイディアをパクったのでしょうか。
(メイデンの方が更に良いデザインです)

楽曲

タイトルどおり、73年から93年の、

20年間のバンドの歴史が集約されています。

タイトルに「73年〜」と書いてる割には、

74年の『Rocka Rolla』の曲は入っていませんが、

それを差し引いても、

彼らのほぼ全キャリアから満遍なく選ばれています。
(『Rocka Rolla』は権利がなかったらしい)

但しやはり、

「なぜこれが入ってない?」

といった楽曲も、

いくつかあるのは致し方ないところでしょう。
『The Sentinel』とか)

曲の並び

二枚組の一枚目冒頭から、

『The Hellion』『Electric Eye』で、

二枚目の冒頭が、

『Screaming for Vengeance』

『You’ve Got Another Thing Comin’』

ということでどちらも、

『Screaming for Vengeance』からの曲です。

そして、一枚目二枚目ともに最後の曲は

『Painkiller』の楽曲になっています。

やはり『Screaming for Vengeance』は、

別格的存在のアルバムですし、

当時の最新作『Painkiller』の楽曲を、

あえて最後に持ってくるのも、

よく考えられていると思います。

プリーストのベストを作る難しさ

私はメイデンのベストを聴いて、

大ファンになりましたが、

このプリーストのベストを聴いても、

そこまでハマりませんでした。

『Electric Eye』や『Painkiller』など、

有名曲の格好良さは理解できましたが、

どうもこのベストアルバム全体を見ると、

チグハグな感じがしました。

アルバムを通しで聴くと、

流れが悪く、正直楽しみづらかったです。

メイデンのベストとの決定的な違いは、

メイデンは、

「新しい楽曲から古い楽曲」

という流れだったのに対し、

プリーストは、

「意図的な順番で楽曲を配している」

というところです。

正直なところ、新参者の若造には、

この作りはハードルが高すぎました。

プリーストをそれまで聴いていた人なら、

どの時代の作品に関しても、

それぞれの良さがわかっているので、

こういうコンピレーションでも、

オリジナルアルバムを聴いた喜びを、

追体験できるのでしょう。

しかし、プリーストは長いキャリアで、

かなり音楽性を変えてきたアーティストです。

正直なところ、

70年代の曲と90年代の曲を続けて聴いた時に、

何から何まで違いすぎて、

「これは同じバンドか?」という感じで、

かなり混乱しました。

また音質もかなりばらつきがあり、

例えば『Painkiller』はエッジの効いた音でしたが、

同じ並びで70年代の『Exciter』を聴くと、

音がペラペラで迫力が感じられませんでした。

そもそも、歴史が長すぎるバンドなので、

二枚組にまとめるのは、至難の技です。

やはり年代順に並べた方が、

バンドの進化が分かって楽しめたと思います。
(のちに『Metalogy』が出ましたが)

もしくは、プリーストに関しては、

過去曲を満遍なく演奏する

グレイテストヒッツ的なライブ盤が、

ベスト盤の機能を充分に果たしています。

2000年代のライブ盤、

『A Touch of Evil: Live』は、

その当時のロブ復帰後の楽曲に、

ややバランスが寄っていますが、

ベスト盤的にも楽しめる構成で、

素晴らしい出来でした。

こういうライブ盤をいくつも楽しめば、

プリーストのおいしいところを、

つまみ食いできると思います。

採点

『Metal Works ’73–’93』/ 89点
トトオ
トトオ

楽曲ではなくコンピレーションとしての評価!

終わりに

プリーストは作品毎のカラーが違うことが

バンドの魅力の一つでもあるので、

そもそもベストで聴くことが向いていません。

ベストを聴くくらいなら、

彼らの代表作を一枚聴いたほうが、

よほど彼らの魅力が感じられます。

もしくは「グレイテストヒッツライブ」を、

そのままアルバムにするのが、

一番完成度が高くなるはずです。

メタリカがベストを発表せず、

その代わり(?)に、

『Through the Never』や、

『S&M』などの変わり種が、

ベスト盤のような役割を果たしているのが、

結構似たような理由かもしれません。

『Metal Works ’73–’93』は、

アルバム全体としての満足度は高くなかったものの、

格好良いと思う楽曲はいくつも見つかりました。

当時はまだ高校生だったということもあり、

激しい『Painkiller』の楽曲に惹かれました。

ということで、

次回は『Painkiller』のレビューを書きます。

【俺とメタルゴッド③】メタルゴッドの意地を見た『Painkiller』
トトオです。 メイデンのベストにはハマりましたが、 プリーストのベストにはハマらなかったことは、 前回書きました。 今回は、その後聴いた『Painkiller』のレビューです。 スラッシュ小僧もビビる『ペインキラー』 90年...

コメント

  1. ぼく、ブースカれす より:

    キャリアが長く、常に新しい事に挑戦するのを良しとするバンドだと、やはり一枚のアルバム毎に聴く方が正しいでしょうね。
    私は後でベスト盤の『エッセンシャル・ジューダス・プリースト』を借りて聴きましたが、それまでのアルバムを聴いた上だと楽しめました。

    確かにメタリカの『S&M』(1&2共に)の様に、ライヴ盤でベスト盤的な選曲をするのは音質を一定にしたりする今では、総括的に良い出し方ですね\(^o^)/

    • ぼく、ブースカれす より:

      確かにアルバム『ステンド・クラス』は冒頭の『エキサイター』は曲自体が格好良くて、今でも重厚なアレンジなら充分過ぎる程に通じるのですが、アルバム全体が元のミックスからなのか、何故かペラペラと思える音であります…(・_・;
      しかし、このアルバムはプリーストファンである、元スレイヤーのケリー・キングさんがプリーストで一番好きなアルバムと前に語っておりました
      https://rollingstonejapan.com/articles/detail/34647

      尚、メイデンでは『魔力の刻印』がお気に入りとの事です

    • ぼく、ブースカれす より:

      訂正:一定にしたりする今では→一定にしたりする意味では…でした🙇‍♂️

  2. トトオ より:

    >ぼく、ブースカれすさん
    そうなんですよね。
    この手のバンドは網羅的なベストは難しいので、ライブ盤がその代わりみたいな感じですね。
    でもそうすると、初期の頃の良い意味でのレトロな感じが排除されて、それはそれで難しいという・・・。

タイトルとURLをコピーしました