トトオです。
世間的にはあまり人気のない作品を紹介する「なぜか好きなアルバムなんなん」、
今回はデフ・レパードの1999年の作品『ユーフォリア』です。
前回の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
異次元にポップなレップス隠れ名盤
誰しも、寄り道したくなる時がある
結局、ベタなやつが好き
以前、デフ・レパードに関しては、定番である『ヒステリア』に関して書きました。
私は彼らの作品では、
Pyromania
Adrenalize
という順に好きです。
そして、この次に好きなのが、今回紹介する『Euphoria』です。
メタルを飲み込むオルタナ波
今紹介した四枚のアルバムと同じ時期に、もう一枚彼らは作品を発表しています。
物議を醸しまくった問題作として大変有名な作品・・・そうです(?)、『スラング』です。
『Slang』には、確かにここだけでしか聴けない魅力もあります。
しかし私の場合は、あえてレップスに「コレ」を求めていない、の一言に尽きます。
ちなみに、彼らに限らず、90年代前半は多くのメタルバンドがトレンドに影響を受けました。
実は良い作品も多いのですが、やはり自分たちの得意分野に真っ向勝負で挑んだ作品には、敵わないことが多いです。
レップスがオルタナの影響を受けて出した『Slang』、その反動とも言える作品が、今回紹介する『Euphoria』です。
Def Leppard 『Euphoria』(1999年)
突き抜けた軽さと底抜けの明るさ
本作最大の特徴は、キャリア随一の底抜けの明るさです。
過去の名曲と比べても、文句つけようのない傑作の一曲が、シングルカットの『Promises』です。
本作特有のビートの軽快さが爽快で、冒頭のリフは彼らの全キャリアでも屈指の格好良さです。
また、本来の彼らの持ち味であるウェットなムードを、ここでは完全に排除して底抜けに明るいです。
ギターの音色もキラキラ明るくて、『Adrenalize』あたりの厚化粧ディストーションとも一線を画します。
他には、ど直球バラードの『Goodbye』も名曲です。
ボーカルハーモニーが素晴らしく、アレンジも真っ直ぐ美しく、万人向けの傑作です。
それでも残るレップスらしさ
既述の通り、本作は「軽さ」と「明るさ」が最大の特徴です。
しかし、彼ら本来の持ち味である、叙情メロディもしっかり盛り込まれています。
本作随一の名曲『Paper Sun』です。
音は軽く抜けが良いですが、ギターとボーカルのメロウなハーモニーが素晴らしく、本作中いわゆるレップスカラーが一番濃いです。
ラストは『Kings of Oblivion』ですが、文句なしの格好良さです。
オーラスの曲まで完璧に名曲という構成は、大名盤『Hysteria』を彷彿とさせます。
ポップメタル改めスーパーポップメタル
レップスは、『Slang』で彼らなりの「ダーク・アンド・ヘヴィ」を突き詰めました。
その反動と思われますが、本作では本来の持ち味のポップさを超えた、「スーパーポップ」とでも言える楽曲が多数収録されてきます。
もはやメタルとは言い難いのが『Back in Your Face』です。
ノリの良いコール・アンド・レスポンスに加えて、ジョー・エリオットはほぼラップに近い歌唱です。
同様に、跳ねたビートとヒップホップ調の『All Night』です。
しかしながら、サビや途中のギターフレーズはモロにレップスのそれで、本作一番の新機軸はこの辺りの楽曲かも知れません。
トトオのオススメ名曲ランキング
1位『Promises』
2位『Paper Sun』
3位『Goodbye』
終わりに
本作は、タイトルが『〜ア』となっており、『パイロマニア』、『ヒステリア』に続くシリーズという意図もあったようです。
確かに本来の持ち味は活かしており、彼らのクラシックラインナップに近いところもあります。
しかし、時代のせいもあってか、過去の名作ほどの評価は、残念ながら得られていないようです。
振り返ってみると、彼らはこの作品あたりで過去のしがらみから完全に吹っ切れて、さらに自由に創作するようになった印象です。
ちなみに、なんと七年ぶりの新作が近日発売予定です。
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