トトオです。
今回のオールタイムベストは、フェイス・ノー・モアの『ザ・リアル・シング』です。
前回の記事はこちら。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
個性的なメンバーを、更に凌ぐ天才
結論
先に結論です。
では、レビューいきましょう。
MTVで知る奇跡
(当時は)貴重なVHS
時は90年代半ば。メタラーになったばかりの私は、ある一本のVHSを購入しました。
MTV関連のロックバンドのビデオ映像集でした。
我ながら、なぜこのビデオを買ったのか記憶が不確かですが、おそらくメガデスがラインナップにあったことが理由でしょう。
当時はまだネットも発達しておらず、海外のバンド、しかも自分が知らないバンドの映像を見る機会は、かなり貴重でした。
確か、ガンズのライブを初めて見たのもこのビデオだったと思いますが、このメンバーでこのパフォーマンス、最高です。
強烈な二組のバンド
このビデオで初めて知ったバンドがいくつかありましたが、その中でも強烈に印象に残ったバンドが二つありました。
それが、
フェイス・ノー・モア
でした。
私はこのビデオをきっかけにフェイス・ノー・モアの大ファンになりました。
今回紹介するのは、彼らの最高傑作『The Real Thing』です。
Faith No More『The Real Thing』(1989)
若きパットンの魅力
本作最大の魅力は、若き日のマイク・パットンのパフォーマンスです。
私が買ったビデオには、MTVの授賞式で暴れまくるパットンの姿がありました。
本作は、フェイス・ノー・モア作品としては、パットン初参加ですが、一曲目は史上最高のミクスチャーロックオープニングナンバーです。
才能爆発の若いフロントマン加入を高らかに宣言するような、最高に爽快な一曲です。
90年代は、本作を始めとして合計四作品にパットンは参加します。
作品を重ねるに連れて、パットンのパフォーマンスは落ち着いたものになっていきます。
年齢によるものも当然あるでしょうが、サイドプロジェクトの活動が活発になっていった影響も考えられます。
この作品なんて、本当に(良い意味で)イカれ過ぎです。
フェイス・ノー・モアというキャリアにおいて、彼が一番神がかっていたのは、やはり本作でしょう。
80年代ヒップホップ寄りのアレンジ
次作は『Angel Dust』という作品で、こちらも素晴らしい完成度です。
こちらを最高傑作に推す人も多いかと思います。
個人的には、次作『Angel Dust』は曲とアレンジが洗練されすぎていて、本作におけるはちゃめちゃな魅力は薄まったように感じます。
本作『The Real Thing』はどちらかというと、次作よりもパットン加入前の『Introduce Yourself』に近いアレンジです。
ディストーションギターの音は大きいのですが、その音自体はそれほどヘヴィではなく、中低音はドラムとベースに重きが置かれています。
前作収録の『We Care a Lot』は、ラップを真ん中に据えた楽曲ですが、アレンジもかなりヒップホップ寄りで絶妙にクールでした。
このクールなバランス感覚をギリギリ保てていたのが、本作『The Real Thing』だと思います。
『Angel Dust』は、ヒップホップ度が低下し、よりロックバンド然としたサウンドに仕上がりました。
メタルギタリストの破壊力
『Angel Dust』までギターを担当していたジム・マーティンですが、その後バンドをクビになります。
理由は諸説ありますが、少なくとも彼が積極的にバンドに参加したのは、本作『The Real Thing』までだったようです。
彼がバンドを辞めた後の作品は、モダンなヘヴィロックバンドの標準的なギターサウンドになっています。
個人的には、これは非常に残念でした。
彼のギターサウンドがバンドに合っていたのは、
メタルギタリストの彼の音そのものが、バンド自体のカラーになっていた
これが理由だと思います。
ヒップホップテイストの強いファンキーなバンドとメタルギターは、当時としてはかなり風変わりな組み合わせだったはずです。
しかし、それがなんでもありのミクスチャーバンドという彼らの魅力を最大化していたように思います。
全員クセ物揃いにも関わらず、その個性を超えてくる天才がフロントマンにいるバンド、これが当時の彼らが最高に格好良かった理由でしょう。
トトオのオススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『Epic』
2位『From Out of Nowhere』
3位『Woodpecker from Mars』
終わりに
私が買ったビデオで、特に気になったバンドのもう一つが311でした。
私は彼らの大ファンとまではならなかったのですが、90年代の作品は最高に格好良いですね。
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