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【異色作と漏れた名曲】ザ・ワイルドハーツ『¡Chutzpah!』『¡Chutzpah! Jnr.』【THE WiLDHEARTS/全作品レビュー#12】

ワイルドハーツ CHUTZPAH 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

今回は、ワイルドハーツ通算8作目の作品『フツパー』と、姉妹作である企画盤の『フツパー・ジュニア』をレビューします。

  

前回の記事はこちらです。

今回の記事のポイントはコチラです。

トトオ
この記事の
ポイント

異色作でもアウトテイクに真価あり!

先に結論

本作の結論は、

『¡Chutzpah!』
モダンで重厚な音質でも、やや物足りず
『¡Chutzpah! Jnr.』
ワイハの真価はB面にあり、をまさに体現

と、なります。

『¡Chutzpah!』『¡Chutzpah! Jnr.』(2009)

概要

『¡Chutzpah!』は、2009年に発表された通算8作目の作品です。

前作は2007年の『The Wildhearts』こと通称『白盤』なので、2年ほどの短めのインターバルとなりました。
(この間にカバー集も発表されました)

『¡Chutzpah! Jnr.』は、『¡Chutzpah!』のアウトテイク集で、フルアルバムではなくEP扱いです。

バンドメンバー

前作から変更ありません。

リッチとスコットのリズム隊編成としては、これが二作目(『¡Chutzpah! Jnr.』は三作目)です。

スコットは結果的にこのあと外れることになりますが、本作にはスコットがボーカルの曲もあります。

ライブ

私は本作に伴う来日ツアーに参加しました。

心斎橋のBIG CATでした。

バンドはこの作品に相当自信があったようです。

と言うのも、

本作の楽曲をそのまま全て演奏してから、
続いて過去の楽曲を演奏する

と言う、アルバム完全再現の二部制セットリストでした。

めちゃくちゃお得感高いライブで、満足度は高かったです。

『¡Chutzpah!』レビュー

カッチリ感と重低音

本作のキーワードは、「カッチリ感」「重低音」です。

前作『白盤』はライブ感を重視した、粗めのサウンドを基調としていました。

比較して本作は、隅々まで丁寧に作り込まれており、全体的な音の整合感が高いです。

端的に言うと、モダンな音で、カッチリしています。

前作がパンクっぽいと言えば、本作はメタルっぽいと言えばわかりやすいでしょうか。

ちなみに、全編ドロップCチューニングになっているようで、楽曲はキャッチーでポップなものが多いのですが、リフはかなりヘヴィで対照的です。

全体的なバランス重視

音質とも通じるところですが、楽曲も全体のバランスが考えられています。

前作は勢い重視で、一曲一曲に偏りがあり、敢えて全体の調和は図らないように感じられました。

本作は、一曲一曲がコンパクトで、楽曲も偏りがないように工夫されています。

スコットがボーカルの曲を前半に入れたことも、本作のバランス思考の一つに思えます。

結果的なこじんまり感

上記のように、全体的にバランスが整えられた結果、彼ら本来の特徴である、

予想不能なスリリングさに欠ける

と、言わざるを得ません。

天才メロディーメーカージンジャーらしく、どの曲もしみじみ良い曲ばかりですが、過去の傑作と比較すると、正直物足りません。

少なくとも私が彼らに期待する、息を呑むような衝撃的な楽曲は、ありませんでした。

『¡Chutzpah! Jnr.』レビュー

ワイハの真髄はB面にあり

ワイルドハーツというバンドの一つの特徴として、

アルバムに入らなかったB面に名曲が多い

というものがあります。

本作は、まさにその特徴を体現した、本編を超越したアウトテイク楽曲が収録されています。

ややこしい日本盤と輸入盤の違い

ちなみに日本盤の『¡Chutzpah!』は、ボーナストラックが山盛り入っていました。

Chutzpah Jnr.
Zeen Requiem
All That Zen
People Who Died

これらのボーナストラックが、この『¡Chutzpah! Jnr.』にも同様に収録されています。

そのため、日本盤の『¡Chutzpah!』を持っている人は、下記四曲のために本作を買うことになります。

The Snake, The Lion, The Monkey And The Spider
Vernix
Under The Waves
Some Days Just Fucking Suck

しかし、この四曲が素晴らしいんです。

驚愕の二曲

『Vernix』はお遊び感満載の、不思議な楽曲です。

『Some Days Just Fucking Suck』はストレートなメッセージが胸に刺さる、ある種彼ららしくない佳曲です。

そして、

The Snake, The Lion, The Monkey And The Spider
Under The Waves

この二曲が驚愕の出来です。

90年代、地上一クールだったかつてのワイルドハーツを髣髴とさせます。

『The Snake, The Lion, The Monkey And The Spider』は、奇想天外なプログレパンクメタルとでもいう楽曲です。

モダンでヘヴィな音質もハマり、激烈に格好良いです。

『Under The Waves』は、バンド内でも一番問題になった楽曲のようで、ダンスっぽいビートと独特のサビが気持ち良い傑作です。

この二曲がアルバムから外れたのはある種当然ですが、これこそがワイルドハーツファンが彼らに求める物だと思います。

採点

『¡Chutzpah!』 / 88点
『¡Chutzpah! Jnr.』 / 91点

オススメ名曲ランキング

トトオ
トトオの
オススメ
ランキング

1位『The Snake, The Lion, The Monkey And The Spider』
2位『Under The Waves』

3位『The Jackson Whites』
4位『Mazel Tov Cocktail』

終わりに

2000年代は順調に活動した彼らですが、この作品で一旦ストップとなります。

私は正直、バンドは終わったのだと思いました。

しかし、しばらく時間を置いて、彼らは奇跡的に復活します。

  

コメント

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