トトオです。
今回は、デヴィン・タウンゼンドの活動を、90年代の作品に絞って、レビューしたいと思います。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
2000年代メタルの始祖
結論
先に結論です。
では、レビュー行きましょう。
B!とデヴィン・タウンゼンド
Burrn!と90年代
メタル専門誌でお馴染みのBurrn!(以下「B!」)ですが、最も発行部数が多かったのは90年代、特に中盤から後半だったようです。
まさに私も愛読者で、紹介される情報はほとんど全てチェックしていました。
B!の影響力は相当大きかったはずですが、それほどまでに売り上げが多かった理由は、ある特定の音楽ジャンルに絞って、掘り下げていたからでしょう。
B!流「メタル」の申し子
この、特定のジャンルの線引きというのが、なかなかクセものです。
アーティスト側がそれを望んでいないケースもあるでしょうし、時代によってジャンル自体も変化します。
その結果、なぜこのバンドが紹介されている?されていない?という論争が常に巻き起こります。
個人的に、この時代のB!が作り上げた「メタル」というジャンルを象徴するアーティストの一人が、デヴィン・タウンゼンドだと思います。
今回はそんなデヴィンの90年代の活動に焦点を当てて、紹介したいと思います。
Devin Townsend Solo albums
Infinity(1998)
私がデヴィンの作品で初めて手にしたのは、ソロ二作目の『インフィニティ』でした。
私はワイルドハーツのファンですが、本作にはボーカルのジンジャーが参加しています。
ジンジャー参加も納得の、ヘヴィ・ポップ・キャッチー三拍子揃った『Christeen』は衝撃的な格好良さです。
他、ジャンルを形容するのが難しいほど、様々な要素が取り込まれた楽曲ばかりで、彼の圧倒的な多才さを証明した一枚です。
Ocean Machine: Biomech(1997)
その後は遡って、ソロ第一作『オーシャン・マシーン』もよく聴きました。
『Infinity』はSYL(後述)ばりの強烈な多重録音による作り込みですが、『Ocean Machine』はもっとシンプルなオルタナティブメタル作品で、こちらはより彼の個人的な趣味が表れているように感じます。
この曲は典型的なオルタナメタル楽曲ですが、どこか懐しいながらも新しさもあって、まさに名曲です。
ちなみに、デヴィンはソロキャリアをスタートする際、ワイルドハーツのライブに参加したりもしていました。
このレディングでのライブは、間違いなくワイルドハーツのベストアクトの一つでしょう。
Strapping Young Lad
Heavy as a Really Heavy Thing(1995)
ソロを気に入ったのちに、彼のバンドプロジェクトStrapping Young Lad(以下、SYL)を聴きました。
ファーストもセカンドも基本的にエクストリームメタルといえる作品ですが、ファーストは完全なデヴィンのソロプロジェクトであり、バンドメンバーは固定ではありません。
発表当時は賛否両論あったようですが、これほどまでにラウドでハードコアな作品であっても、どこかポップな感じがするのが個性でしょうか。
『Ocean Machine』もそうですが、パンクっぽいエッセンスが根底に流れていて、キャッチーです。
City(1997)
そして、90年代メタルの代表的な一枚とも言えるのが、セカンド『City』でしょう。
基本的にファーストの進化系ですが、やはりパーマネントなバンドメンバーで作り上げたこと、そのドラムがジーン・ホグランだったということがポイントです。
メタルというジャンルにくくられる音楽性ですが、それほど簡単にカテゴライズできるようなものでもなく、とにかく究極にエクストリームな音楽としか形容できません。
日本のSFアニメの影響を受けていてるようで、本作にはそんなサイバーなテイストを加えていて、これが独特の世界観を生み出しています。
2000年代メタルとSYL
その後、2000年代に入り、デヴィンは若手メタルバンドのプロデュースに力を入れます。
Lamb of God
彼がプロデュースしたバンドは、2000年代を代表するメタルバンドに成長しますが、彼らはSYLのエッセンスを濃縮したようなスタイルです。
2000年代以降はよりジャンルが細分化されていきますが、90年代のSYLは、その方向性を先取りしていたように思います。
トトオのオススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『Life』(Devin Townsend)
2位『Christeen』(Devin Townsend)
3位『Detox』(Strapping Young Lad)
終わりに
2000年以降もデヴィンは多数の作品を発表しますが、あまりにも多すぎてほとんど追えていません。
最近のフェスでのライブを見ると、とても充実したパフォーマンスで、今でもキャリア全盛期と言えそうです。
コメント