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【IRON MAIDEN/レビュー番外編④】追悼マーティン・バーチ メイデン通好み楽曲レビュー

IRON MAIDEN マーティン・バーチ 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

先日、マーティン・バーチが亡くなりました。

アイアン・メイデン、プロデューサーのマーティン・バーチを追悼 | BARKS
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今回は、マーティン・バーチのプロデュースした

歴代アイアン・メイデンの各アルバムから、

「通好み」な一曲を、それぞれ紹介します。

マーティン・バーチについて

ハードロック界では

有名なイギリス人プロデューサーですが、

彼がプロデュースしたメイデン作品は、

以下の通りです。

オリジナルアルバム

Killers (1981)
The Number of the Beast (1982)
Piece of Mind (1983)
Powerslave (1984)
Somewhere in Time (1986)
Seventh Son of a Seventh Son (1988)
No Prayer for the Dying (1990)
Fear of the Dark (1992)

ライブアルバム

Live After Death (1985)
Maiden England ’88 (1994)

ご覧の通り、

アイアン・メイデンの黄金時代は、

ほぼ彼がプロデュースした言えるでしょう。

メイデンは、彼がプロデューサーから離れてから、

数作だけセルフプロデュースに移った後、

ケヴィン・シャーリーがプロデューサーとなって、

すでに20年ほどが経過しました。

もはやケヴィンの方が

メイデンとの関係は長くなりましたが、

作品数は圧倒的にマーティンですね。

「通好み」とは

今回、「通好み」という基準で、

各アルバムから一曲ずつ選びます。

「一番メジャーな曲ではないけど、

 アルバム中特に素晴らしい楽曲」

という感じで選びます。

「通好み」と聞くと、

私はいつもこの曲を思い出します。

メイデンとエンケン両方好きな人は、

どのくらいいるでしょうか。

それはともかく、実際選んでみたら、

割とメジャーなやつも入ってしまいました。

マニアの人すいません。

マーティン・バーチプロデュース 通好み楽曲レビュー

“Purgatory” (『Killers』(1981))

ポール・ディアノ時代の一曲です。

マーティン・バーチのプロデュース作品としては、

第一作目ですね。
(アルバムとしてはセカンドですが)

スティーヴ単独の作曲ですが、

速くてアグレッシブな、

ある種パンクっぽくも聴ける一曲です。

クライブ・バーのドラムもパワフルで、

のちのニコ・マクブレインと比べると、

突進力があって、

この頃のスタイルに合ってます。

プロデュースワークも、

デビュー作である前作から順当に進化した感じで、

音の迫力が増しています。

この作品が、ポール時代の集大成でしょう。
(といっても二枚しかないですが)

この時期だけ好きな人がいるのも、うなずけます。

“Children of the Damned”(『The Number of the Beast』 (1982))

スティーヴ単独の曲です。

このアルバムは、有名曲揃いのため、

この曲はやや影に隠れていますが、

本作でも最も格好良い曲の一つです。
(でも、一応ベストに入ってるからメジャーかな)

ブルースの歌唱が素晴らしく、

やはり前任のポールには、

ここまで歌いこなせなかったでしょう。

途中からテンポチェンジして、

ツインリードから泣きまくりの展開ですが、

タッピングフレーズは鳥肌ものです。

このアルバムは、ブルース加入して、

ハードロック ・メタル然とした、

スケール感のあるプロデュースで、

メジャーアーティストといった雰囲気です。

“To Tame a Land”(『Piece of Mind』(1983))

またまたスティーヴ単独曲です。

その後のメイデンの

大作志向の礎となった楽曲です。

複雑な構成ですが、

本アルバムから参加した、

ニコのドラミングが特に冴えます。

ギターのディストーションが

このアルバムはちょっと薄めですが、

中間のツインリードパートは超流麗です。

ドリーム・シアターのカバーもどうぞ。

この曲をカバーに選ぶってのは、

ドリーム・シアターは通好みですね。

しかし、ジョンのベースプレイが特に凄く、

他メンバーもさすがの演奏力です。
(途中、EL&Pみたいに聴こえますが)

それはさておき、ニコが加入したこともあり、

ここからバンドはさらにメジャーになりますが、

この作品は音作りの面では、

やや過渡期的な印象です。

“Losfer Words (Big ‘Orra)” (instrumental)(『Powerslave』(1984))

これまたスティーヴ単独のインスト曲です。

『パワースレイヴ』を選ぼうかと思ったのですが、

さすがに「通好み」とは

言えそうになかったのでやめました。

ギターソロがある種メイデンっぽくない

ストレートなロックっぽくて良いです。

エイドリアンでしょうか。

ただし、展開はこれぞまさにザ・メイデンで、

ベースとドラムのフレーズや、

ツインギターでの盛り上げ方なんかは、

お見事といった感じです。

このアルバムはメジャー曲が多いのですが、

途中やや地味な曲もあって、

アルバム通しで聴くと、

ちょっともったいないですね。

プロデュースワークとしては、

大作路線に舵を切ったバンドにふさわしい、

パワフルなギターサウンドで、

完全にメイデンの王道パターンが確立されました。

“Sea of Madness”(『Somewhere in Time』(1986))

エイドリアン単独の楽曲です。

このアルバムはエイドリアンの才能爆発ですね。

ギターシンセ使いまくりで、

世界観重視のこのアルバムは、

プロデュースワークも素晴らしいです。

ギターソロが特に格好良く、

メイデン特有の予定調和感が薄く、

メイデンファン以外にも聴いて欲しいです。

ニコのドラミングがノリ重視なところも、

楽曲との相性良しです。

私は、本作と次作が、

メイデンの最高傑作と考えており、

最初から最後まで隙のない完璧な作品です。

アルバムジャケットのSFっぽい世界観が、

音だけでよく表現されています。

“Only the Good Die Young”(『Seventh Son of a Seventh Son』(1988))

スティーヴとブルースの共作です。

アルバム最後の曲ですが、

全アルバム中、

最高のクロージングではないでしょうか。

イントロから超メロディックな名曲です。

モダンなヘヴィメタルバンドがカバーしても

かっこよく仕上がりそうです。
(ボーカルが真似できないか)

スティーヴの必殺ベースソロフレーズも

フィーチャーされていて、

全盛期メイデンの凄さを体感できます。

作品としてみると、前作同様完璧な作品で、

マーティン・バーチのプロデュース作として、

一つの到達点と言えます。

“Hooks in You”(『No Prayer for the Dying』 (1990))

エイドリアンとブルースの共作です。

メイデンの作品の中でも

異質なロックンロール調の楽曲です。

作曲はエイドリアンもクレジットされていますが、

演奏自体はヤニックになっています。

ちょっと引いた感じのサビがクセになります。

スティーヴのベースのおかげで、

最終的にはやはりメイデン曲に仕上がっています。

この曲もドラムが荒くて、音がでかいですね。

プロデュースも、ラフな感じで、

方向性を変えようという意図が見られます。

このタイトルを聞くと、

なぜかこっちの曲も思い出します。

これメガデスでも一二を争う名曲だと思いますね。

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“From Here to Eternity”(『Fear of the Dark 』(1992))

スティーヴ単独曲です。

ただし、割とメジャーな曲になるかもしれません。

シングルカットされてPVもありますし、

ベストアルバムのタイトルに使われてますし。

でも、メイデン好きな人以外はまず知らないので、

通好みとしましょう。

個人的には、

全楽曲中でも最も好きな曲の一つです。

このアルバムはマーティン・バーチの

プロデュース最終作ですが、

魔法がかかったような、

独特の雰囲気のある作品です。

この曲は、短くキャッチーな曲で、

いわゆるメタルっぽさはありませんが、

どこを切り取っても、

これぞメイデンという感じの楽曲です。

本作は、ブルースの最終作でもありますが、

アルバムジャケットデザインと

音源が絶妙にマッチしており、

聴けばいきなりその世界に入り込めます。

次作からはセルフプロデュースとなり、

メイデンは長いトンネルに入ることになります。

終わりに

マーティン・バーチ時代のメイデン作品は、

その作品毎のカラーが明確に分かれており、

どの作品も特徴があって、バラエティ豊かです。

この当時のメイデンのアルバムジャケットは、

作品の世界観を完全に補完しており、

メイデンのパブリックイメージも

この時代にしっかり構築されました。

80年代から90年代初期は、

メタルというジャンルが隆興した時代でもあり、

メイデンが最も輝いた時代でもあります。

その時代を共に歩んだ名プロデューサーの死は、

一つの時代の終わりを感じさせます。

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