トトオです。
今回は、世界的にはバカ売れしたのに、
なぜか日本では知名度が低いバンド、
クリードを紹介します。
この記事は、以下の方にオススメです。
初期パール・ジャムが好きな人
ロード期のメタリカに肯定的な人
クリードについて
90年代後半から活動している
アメリカのロックバンドです。
これまで発表した作品は四枚ですが、
活動期間がかなり歪です。
1999 Human Clay
2001 Weathered
2009 Full Circle
五年間の間に、
デビュー作から三枚目まで一気に発表します。
そして一度解散して、
その後、再結成して出した作品が、
2009年の『Full Circle』ですが、
その後は一枚も出していません。
出した作品全てがギネス級に売れており、
当時はアメリカを中心に絶大な人気がありました。
しかしなぜか日本での知名度は皆無に等しく、
当時私の周りでも、
名前を聴いたことはありませんでした。
ジャンルとしては、
グランジ・オルタナティヴロックから
派生したヘヴィロックですが、
彼らの歌詞はクリスチャンに共感が得られやすく、
この辺りが、欧米の人気の要因だったりします。
メタリカとクリード
私はこのバンドが当時大好きだったのですが、
それはアルバム『ロード』を発表した時期の
メタリカと音楽性が非常によく似ていたからです。
メタリカの記事でも少し書きましたが、
私がファンになった時期のメタリカは、
問題作『ロード』を発表した直後でした。
メタリカが脱メタル化した作品であり、
当時メタルファンからは酷評されたのですが、
私はこの作品が大好きでした。
この時期のメタリカを端的に表現すると、
グルーヴ重視のヘヴィロックと言えますが、
クリードの音楽性はこれに近かったです。
また、クリードのボーカルは、
パール・ジャムのエディ・ヴェダーに似た、
太めのややハスキーな声で、非常に渋いです。
つまりクリードは、凄くざっくり言うと、
『ロード』期のメタリカに、
エディ・ヴェダーが加入して、
オルタナ・グランジっぽくなった、
と言えます(やや乱暴かな)。
CREED/クリード アルバム オススメベスト3
3位 Weathered(2001)
2001年発表の三作目です。
前ニ作よりも全体的にヘヴィになりました。
一曲目からこれですからね。
(時代を思いっきり感じるCGです・・・)
一作目から本作までの方向性の変化としては、
一作目がグランジ・オルタナ、
二作目は同路線のままスケールアップ、
本作は大幅にヘヴィ化といったところです。
シングルギターとは思えない
激厚ディストーションと、
重いベースとドラムのリズム隊が
うねるようなグルーヴを奏でます。
(本作直前に、
ベーシストがクビになっていましたが)
この曲とか、ビックリするくらい重いです。
ヘヴィなギターリフで押す曲が増えていて、
当時流行した、
レイジやリンプのようなミクスチャータイプの
ヘヴィロックにかなり寄った感じです。
ボーカルもシャウトに近いパートが増えて、
過去最高にラウドに仕上がっています。
初めて聴いた時はあまりの変化に驚きました。
頭からヘヴィロック調の楽曲が多く、
かなり音の整合性も高いため、
一作目にあったグランジっぽい、
ローファイな部分はほとんど消え去りました。
前半かなり重たいですが、
中盤以降はアコギのメロディが美しい
バラード調の楽曲も多数あり、
依然として完成度は高いです。
この曲はクリード史上最高傑作の一つです。
演奏力も音も過去最高のレベルですが、
これ以上の進化はむずかしかったのか、
本作を最後に活動停止してしまいます。
2位 My Own Prison(1997)
97年のファーストです。
私はラッキーにも、
ほぼリアルタイムで本作を聴くことができました。
本作は、Burrn!でも
少しだけ紹介されていたと思います。
全体の雰囲気としては、
パール・ジャムの名作『Ten』に似ています。
ボーカルの歌唱が似ていることもありますが、
やや気だるいダークなムードも近いです。
低予算で作られたローファイなサウンドも、
ニルヴァーナあたりにも近いようで、
グランジ・オルタナの影響を感じさせます。
プレイはすでにかなり上手く、
スローヘヴィなスタイルも相まって、
『ロード』時期のメタリカにかなり近いです。
歌はメロディック且つキャッチーで、
私は本作を聴いていきなりファンになりました。
日本盤ボーナスの『Bound and Tied』は、
特にメタリカっぽい、
ガレージっぽいヘヴィロックで、
最高にクールです。
ネットも発達していない当時、
このバンドを聴いている人は周りに皆無でした。
私にとっては、
自分だけ知ってる特別なバンドという感じで、
思い入れは強かったです。
1位 Human Clay(1999)
99年発表の二作目です。
ヘヴィロックのムーブメント
真っ只中に発売されました。
ファーストの正統進化と言っていい内容ですが、
楽曲のクオリティは彼らのキャリアでも随一です。
三作目ではヘヴィになりすぎた感がありましたが、
本作では程よいバランスのヘヴィさで、
少しオリエンタルなムードもあって、
引き出しが増えた印象です。
前作で感じられた、
グランジっぽいインディーっぽさは、
ほぼ消え失せて、
プロフェッショナルなプロダクションで、
完成度が高いです。
そして何より曲がいいです。
彼らの最大のヒット曲は、
この『Higher』でしょう。
この一曲聴いただけでも、
彼らが第一線で活躍できるバンドだとわかります。
前作もボートラがメタリカっぽかったのですが、
本作のボーナスも同路線でめちゃ格好いいです。
メンバー全員上手いですが、
ドラムが化け物級ですね。
こういうタメたグルーヴの曲で、
これくらい格好良い曲は、
なかなか他で聴いたことがないです。
終わりに
クリードは一旦解散後、
ボーカルだけすげかえて、
アルター・ブリッジというバンドに移行しました。
アルター・ブリッジは、
クリードよりも普遍的なヘヴィロックで、
悪くはないのですが、個性が薄れた感じです。
ボーカルそんなに嫌われてたの?って思いますが、
仲直りしたのか、その後、
2009年に再結成して一枚だけ発表します。
これも悪くないのですが、全盛期と比較すると、
やはりメロディやアレンジは
今一つという出来でした。
(ボーカルが坊主にしたのは結構衝撃でした)
ヘヴィロックの世界的ブームは
1990年代後半から2000年代前半ですが、
ここまでうまくブームに乗れたバンドは、
他にあまりないのではないでしょうか。
現在は解散はしていないようですが、
これといって目立った活動はなく、
アルター・ブリッジが継続的に活動しているので、
クリードをやる理由がないのかもしれません。
今後世の中から注目されることは
あまりないかもしれませんが、
少なくともロード時期のメタリカが好きな人は
聴いておいて損なしです。
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