トトオです。
今回のオールタイムベストは、ティーンエイジ・ファンクラブ(以下、TFC)の『グランプリ』です。
前回記事はこちらです。
本記事のポイントはこちらです。
Teenage Fanclubを知る喜び
稀有なオルタナバンドTFC
私が現在聴く音楽の割合は、
オルタナティヴ・ロック 30%
テクノ・エレクトロニカ 15%
邦楽・その他 5%
といったところでしょうか。
メタルの次によく聴くのが、いわゆるオルタナティヴ・ロックです。
そのオルタナバンドの中でも、聴く度ハッピーな気持ちになる稀有なバンド、それがTFCです。
「しみじみ良い曲バンドランキング」優勝候補
世代的に、オルタナ好きな人が私の周りには多いのですが、確実に知られているのはレディオヘッドとレッド・ホット・チリ・ペッパーズです。
体感的に、TFCの知名度は、彼らの十分の一以下くらいではないでしょうか。
しかしもし、「しみじみ良い曲バンドランキング(略して「しみ-1」)」を開催したら、優勝候補の筆頭はTFCで間違いありません。
Teenage Fanclub 『Grand Prix』(1995年)
バンドには、特別輝く時期がある
TFCは長期間安定して活動しているバンドで、過去三十年ほどで11枚もオリジナルアルバムを発表しています。
知名度が高いのはこのあたりでしょうか。
出世作である三作目の『Bandwagonesque』から始まり、90年代の作品はどれも素晴らしいです。
しかし、中でも本作『Grand Prix』は、完成度がずば抜けています。
次作以降も、楽曲はもちろん良く、バンドとしてどんどん洗練されていきます。しかし、彼らの「ロック」な格好良さが最も楽しめるのは本作です。
どのロックバンドにも、キャリアのピークとなるような、特別な時期があります。
TFCに関しては間違いなく本作だったと思います。
分厚い三人のソングライター
キャリアが長く、成功しているバンドには、複数のソングライターがいることが多いです。
TFCもその例に漏れず、三人の優れたソングライターがいます。
レイモンド・マッギンリー
ジェラード・ラヴ
三人とも素晴らしい作曲能力とセンスです。
「三人それぞれのカラーがありながら、バンドの調和は保たれている」、ここが彼らの最大の強みです(これが上手くいかないと分裂する)。
個人的には、ジェラードが書く曲が一番好きです。
曲も演奏もルックスも、文句のつけようがないですね。
聴いていると、曲の良さがじわーっと染みてきます。
彼の曲は、他の二人と比較して、よりロックな曲が多く、アルバムでもアクセントになることが多いです。
ちなみに、前作『Thirteen』だとこの曲が好きですね。
粗い演奏が、とてつもなくクールです。
気取らない格好良さ
このバンドの格好良さは、楽曲もさることながら、そのスタイルに拠るところも大きいです。
「ギター二本にベースにドラムで、スタジオに集まって音出したら、めちゃくちゃよかった」、そんな気取らない格好良さがあります。
スタイルは典型的なギターロックバンドです。
ギターとベースのハーモニーは、余分なものが削ぎ落とされて、芯の太いサウンドには、迫力があります。
本作は、前作と比較して、リズム隊のテクニック向上が顕著ですが、ドラムの交代が大きかったようです。(ただし、前任は違う格好良さもありました)
曲は良くても、商業的に成功しない不遇なバンドはとても多いです。
そんな中、安定して売れ続けているTFCの存在は、ある種ロック界の希望ではないでしょうか。
オススメ名曲ランキング
1位『Sparky’s Dream』
2位『Going Places』
3位『Neil Jung』
終わりに
残念ながら、ジェラードは最近脱退してしまったようですが、彼の残した楽曲は山のようにあるので、一生分は楽しめそうです。
ちなみに、本作『Grand Prix』のCDは廃盤になっています。その代わりに、本作を含む5枚セットのボックスが安く売られているので、これがあれば、ほぼおいしいところはカバーできます。
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