トトオです。
今回のオールタイムベストは、ザ・ストーン・ローゼズのセカンドアルバム、『セカンド・カミング』です。
前回の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
ポイント
ギター仙人プレゼンツ!踊れるツェッペリン
メタラーにとってのガンズとローゼズ
私は高校時代からメタラーだったので、「ローゼズ」と聞いて想い浮かぶものはただ一つ、「ガンズ・アンド・ローゼズ」でした。
『Appetite for Destruction』なんか、CDが摩耗するくらい聴きました。
(CDウォークマンは本当に削れました)
その青春時代、ストーン・ローゼズ(以下、ローゼズ)を目にすることも耳にすることも、一切ありませんでした。
2000年代、オルタナ好きな友人がローゼズを好きだったので、ここで初めてファーストを聴きました。
確かに、このファーストアルバムは抜群に格好良かった。
しかし、続けて聴いたセカンドに、ファーストよりも遥かに衝撃を受けました。
The Stone Roses『Second Coming』(1994年)
賛否両論でも、メタラー必聴
本作は彼らのセカンドアルバムですが、賛否両論を巻き起こしました。
ファーストを聴いてからこのセカンドを聴けば、その理由は想像に難くありません。
ファーストはそれほど画期的であったわけですし、セカンドはまた異なるベクトルの作品でした。
結局、ローゼズのセカンドに求められていたものは、ファーストのような、80年代以降の新しい音楽に「聴こえるもの」であったわけです。
しかし、セカンドは一聴すると、70年代風サウンドの印象が強く、そのギャップに拒否反応を起こす人が多かったと思われます。
確かにギターはツェッペリンのように、図太いディストーションで、徹底的に弾きまくっています。
しかし、本作は70年代ロックの単なる模倣ではありません。
ファーストで彼らが生み出した、ダンザブルなビートが楽曲の下敷きになっています。
結果、踊れるツェッペリンとでも言うような、新たなミクスチャーサウンドに仕上がっています。
このセカンドの認知度は、ローゼズというバンド以上に、メタラーには高くない印象です。
しかし、メタラーがこれを聴かないのは、あまりにももったいないです。
ギター仙人 ジョン・スクワイア
以前から書いていますが、私はギタリストにフォーカスが当たった作品は、それほど好きではありません。
しかし、本作に限っては、ジョン・スクワイアという天才の超絶プレイに、とにかく圧倒されてしまいます。
もう本当に、一聴して只者ではないというのが伝わってきます。
特徴的なところとして、メタルではお馴染みのブリッジミュートを使った、パワーコードのリフが少ないです。
その代わりに、とにかくフレーズを重ねまくることで、リフレインを構築しています。
このフレーズの、緩急の付け方が本当に絶妙です。
彼のプレイを聴いて、類似性を感じるのは、セカンドまでのスウェードを支えたバーナード・バトラーあたりでしょうか。
それにしても、この時代のUKは、本当に個性的なギタリストが多かったですね。
(レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドとか)
ちなみに、ギターだけを取り出した音源を、いくつかYouTubeで聴けます。
冗談抜きに、一曲丸々ギターソロを弾き続けているようにすら聴こえます。
天才と超人がバンドをやってみたら
ジョン・スクワイアは、この作品では完全に頭ひとつ抜けた天才です。
しかし、他三人もとんでもない逸材であり、ファーストからさらに脅威的にレベルアップしています。
中でも、レニは異次元レベルのドラミングを披露しています。彼のリズム感は超人的です。
レニのドラムに、テクニカルなマニのベースを組み合わせて生み出されるコンビネーションは、間違いなく地上最強の人力ダンスビートでしょう。
そしてボーカルは、唯一無二の声を持つイアン・ブラウンです。
前作同様に徹底してマッチョさを排除しており、トリップしたような独特の浮遊感を楽しめます。
いやこんな、天才と超人で結成したみたいなバンド、人気が出ない方がおかしいですよね。
オススメ名曲ランキング
1位『Tears』
2位『Good Times』
3位『Driving South』
終わりに
もし、リアルタイムでファーストを聴いていたら、私もセカンドは賛否の「否」になったかもしれません。
確かにファーストは画期的ですし、『I Am the Resurrection』なんて、本当に痺れます。
しかし、そのファーストに拘らず、本作を新たに作り上げた彼らのアーティスト魂には、圧倒されます。
「もしサードが出ていたら」と、つい想像してしまいますね。
コメント
ストーン・ローゼズ、まだ聞いた事が無く、図書館を調べたら、『ザ・ストーン・ローゼズ』『セカンド・カミング』『ターンズ・イントゥ・ストーン』『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ストーン・ローゼズ』と4枚一気に借りました\(^o^)/
後で楽しませていただきますm(_ _)m
5枚まで借りられるので、残りはスクエアプッシャーの『ユーファビュルム』があったので借りましたよ(^^)
>ぼく、ブースカれすさん
ストーン・ローゼズは日本でも人気絶大なので、簡単に借りられそうですね。スクエアプッシャーは是非古めも聴いてみてください。
ストーン・ローゼズ、飽きずに聴く事の出来るバンドでした\(^o^)/
スクエアプッシャーは図書館では割と最近のアルバムしか無かったのですが、他も色々な形で聴いてみますよ
>ぼく、ブースカれすさん
ストーン・ローゼズはオリジナルアルバムが二作しかないので、入り込みやすいかもしれませんね。スクエアプッシャーは作品数多いので、有名どころから聴けば良いと思います。
ストーン・ローゼズを聴きながら、色々とバンドの論評を読んでいたら、バンド名のファーストは、発売した当時は『石と薔薇』と言う邦題だったそうですね
知ってからすぐに[旧邦題:石と薔薇]と自己満足ですが入力しました(^^)
たった2枚ですが、大きな足跡を残したのは素晴らしいことです\(^o^)/
>ぼく、ブースカれすさん
>発売した当時は『石と薔薇』と言う邦題だったそうですね
これどこかで聞いたことあります。日本語にすると印象全然違いますね。
確かに、たった二枚で伝説のバンドになったのは凄いですね。
二枚でも、やっぱり説得力あるんですよねー、このバンド。
図書館に音楽関係の本のコーナーで、ストーン・ローゼズの物があり、借りなかったものの少し読んだ10年前のこちらでは、ファースト・アルバムが『石と薔薇』表記になっていました
結構、この邦題はそのままのバンド名の訳ですが好きだったりします(^^)
https://honto.jp/netstore/pd-book_25240902.html
それにしても本があって、タイトルを見てアーティストやバンドに興味を持ったらCDを借りつつも本も借りて聴きながら楽しめる図書館って、何気に結構凄いと改めて思えます\(^o^)/
>ぼく、ブースカれすさん
本当に凄いですよね、図書館。
それにしても、最近はサブスク全盛で、リアルな音源が消滅していっているので、さらに図書館が貴重になりそうです・・・。