トトオです。
今回は、先日発表されたばかりのスキッド・ロウの新作『ザ・ギャングズ・オール・ヒア』をレビューします。
スキッド・ロウ関連の記事はこちら。
この記事のポイントはこちらです。
ポイント
何をもってしてスキッド・ロウ?
先に結論
本作の結論を述べます。
パーフェクトにスキッド・ロウな傑作
以上です。
では、レビュー続きます。
俺とスキッド・ロウとゲイリー・ムーア
ガンズに次ぐ人気
私は今アラフォーです。
遡ること約20年、大学生の時は、音楽好きの集まるサークルに入っていました。
ハードロック好きは結構多くて、だいたいそこでの鉄板的な人気バンドは、
Bon Jovi
Mötley Crüe
MR. BIG
あたりでした。
そして、これらのバンドに次ぐ人気のハードロックバンドが、スキッド・ロウでした。
あと、やや年上の人にスキッド・ロウの話をしたら、「ゲイリー・ムーア?」と返される率100%でした。
硬派でやや玄人好み
スキッド・ロウの最大の特徴は、上記のバンドと比較して、圧倒的に硬派なそのサウンドでした。
そのせいか、彼らの認知度はメタラー以外にはかなり落ちる、という印象でした。
セバスチャン・バックとバンドの前途
当時、ボーカルのセバスチャン・バックがバンドから離れており、暗雲立ち込めていました。
20年以上前でも、すでに過去のバンドという印象がありました。
その後、新作も発表されたのですが、ゴタゴタを引きずっているイメージは強く、BURRN!あたりのプッシュも弱かったように思います。
16年ぶり新作とニューシンガー
セバスチャン・バックはその後も戻らず、2000年代に二作発表した後は、オリジナルアルバムはありません。
しかし2022年、新しいシンガー、エリック・グロンウォールを率いて、なんと16年ぶりに新作を発表しました。
私はシングルカットにハマり、その後アルバムを聴いてビックリしました。
Skid Row『The Gang’s All Here』(2022年発表)
本作の特徴は、以下の通りです。
渋くて上手い、絶妙リフワーク
「哀愁」というスキッド・ロウらしさ
若いエナジーでリフレッシュ
このバンドを長年追っている人は、セバスチャン・バックというカリスマからなかなか離れられないと思います。
私も同じです。
「ガンズにアクセルがいなくて、ガンズといえますか?」という感じです。
しかし、新しいシンガーに罪はありません。
エリックは今のバンドに、完璧にハマっています。
むしろ、若いエネルギッシュなフロントマンが入ったことで、バンドのムードがリフレッシュされています。
抜群の歌唱力、みなぎるエナジー、ポジティブなバイブ、本当に文句のつけようがありません。
特にハイトーンの伸びは素晴らしく、爽快です。
本作はサビのコーラスに素晴らしい楽曲が多く、ボーカルとの相性が抜群です。
スキッド・ロウの作品ということを横に置いたとしても、傑作ハードロックと言える出来でしょう。
渋くて上手い、絶妙リフワーク
キーボードがいないハードロックバンドということもあり、彼らは元々リフやアルペジオに特徴があります。
本作では、特にリフワークが素晴らしいです。
ハードロックの歴史もすでにかなり長いので、今更目新しいリフを生み出すのは至難の業です。
しかし本作には、渋くて上手い、メタラーを唸らせるリフが山盛りです。
アレンジも多彩で、ギターだけの楽曲でも、これだけ聴かせられるのかと、驚きました。
ハーモニクスが効いた、うねるようなツインギターのディストーションは、これぞまさにスキッド・ロウです。
「哀愁」というスキッド・ロウらしさ
本作は基本的に、彼らのファーストのような、無骨でもつい口ずさみたくなる、ストレートな楽曲が多いです。
シングルカットは、勢い余ってデフ・レパードみたいになっています。
というか、デフ・レパードにも同タイトルの曲ありましたね。
それはさておき、本来の彼らの持ち味ともいえる、哀愁もキッチリ盛り込まれています。
一曲目『Hell or High Water』の、途中で挟み込まれる展開も、やはり彼らの往年のソレです。
(2:26あたり)
そのような渋いフレーバーが、本作では楽曲の随所に差し込まれています。
特筆すべきが後半10曲目『October’s Song』の渋みです。
どちらかというとノリが良く、カラッとした楽曲が多い新作ですが、彼らの魅力の核はやはりこのあたりだな、と再認識しました。
オススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『The Gang’s All Here』
2位『Hell or High Water』
3位『October’s Song』
4位『Tear It Down』
終わりに
正直、2022年にスキッド・ロウの新作にハマるとは思いませんでした。
(ファンの人すいません)
この時代に、ここまで完成度の高いハードロック作品を出せるベテランバンドは、稀有でしょう。
これからフェスもたくさん出ると思いますが、トリのバンドを完全に食ってしまうのではないでしょうか。
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