【ARTIST INDEX】アーティスト名記事検索はコチラ
スポンサーリンク

【俺とメタルゴッド⑥】似て非なるティムとブレイズ『Demolition』

ジューダス・プリースト デモリッション 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

プリーストレビュー、今回は2002年発表の『デモリッション』を紹介します。

前回の記事はコチラです。

今回の記事のポイントはコチラです。

トトオ
この記事の
ポイント

ティムとブレイズの相違点

過去の栄光と、今

私は『ジャギュレイター』が発表された時期に、プリーストを聴き始めました。

その後、遡って過去の名作を聴いて、彼らの凄さを理解することができました。

私が「過去プリースト」を掘り起こしている最中、「今プリースト」が新作を発表することになりました。

『Demolition』(2002年発表)

概要

プリーストがもがき苦しんでいる横で、もう一組の王者であるメイデンは、奇跡の復活を果たしました。

その後の2002年に発表されたのが、ティム加入後プリーストの二作目であり、最終作でもある『デモリッション』です。

トトオ
トトオ

本作の特徴3つ!

器用すぎるティムの弱み
遅れてきたモダン・ヘヴィネス
メイデンとプリーストの違い

器用すぎるティムの弱み

前作ですでにその圧倒的な実力を証明していたティムですが、本作でも遺憾無くその技量を発揮しています。

前作よりもディストーションがマイルドで、ブルータル度が下がり、よりシンプルなアレンジの楽曲が増えました。

結果、ティムのボーカルの上手さがさらに引き立ちます。

本作の目玉は、オーラスに収録された『Metal Messiah』です。

ラップを前面に取り入れて、KORNに似たアレンジも入った、メタルゴッドの新境地と言えます。

アップデート版『Turbo』とでも言えそうな『Subterfuge』では、ティムが野太く吠えまくります。

ちなみにこの曲は、『A Touch of Evil』以来となる、Chris Tsangaridesとのコラボです。

ロブにはこのようなラウドな歌唱は不可能であり、これこそティムの真骨頂と言えるでしょう。

しかし、彼にしかない個性は、この作品でもまだ確立されたとは言えません。

そもそもティムは、過去の楽曲を歌いこなせる実力が評価されて採用されたはずです。

彼の個性が重要視されて、採用された可能性は低いです。
(上手さも個性と言えば個性ですが)

さらに数作重ねれば、ティムにしかない「持ち味」が備わったのでは、と想像します。

遅れてきたモダン・ヘヴィネス

前作よりもディストーションは抑えめにしながらも、グルーヴを強化し、叙情性を減らすというバランスは継続されています。

前半に顕著ですが、直線的に押す楽曲が多く、かつての様式美は排除されています。

全体的に同じトーンの、重苦しい楽曲が多いです。

プリーストのこの方向性からわかることは、

当時のヘヴィロックバンドに
同じ土俵で勝負に挑んだ

ということです。

当時すでに、スリップノットなんかがシーンの代表格だったわけです。

彼らの主戦場はアメリカですから、こういうトレンドにも対抗できる作品を作ろう、という意欲を感じます。

新しいものを取り入れて、過去作にこだわらない精神は素晴らしく、これこそがプリースト作品の醍醐味だと感じます。

しかしながら、世間の評価は、

トレンドを取り入れた今のプリーストは
過去のプリーストの栄光に劣る

というものであり、セールスは惨敗でした。

メイデンとプリーストの違い

ロブが抜けてティムを入れたプリースト
ブルースが抜けてブレイズを入れたメイデン

二つのバンドは一見似ていますが、実態は違います。

メイデンの特徴

メイデンは、ボーカルが誰であっても、音楽スタイルは不変でした。

そのため、ボーカルに不満はあっても楽曲に対する不満は出にくい、という状況でした。

プリーストの特徴

一方のプリーストは、音楽スタイルを柔軟に変化・進化させる特徴があります。

作品ごとに作風を変えつつも、ロブの時代にメタルゴッドの地位を確立させました。

ここで重要な点は、基本的に演者は不変で、音楽スタイルを変えて進化してきた、というところです。
(※ドラムは除く)

それだけに、ロブが抜けた穴は大きかったのです。

『ペインキラー2』は作らなかった

ロブが抜けて、『ペインキラー2』みたいな作品を作れば、メイデンのような評価になったかもしれません。

しかし、彼らは相変わらず進化の道を選びました。

結果、『ジャギュレイター』や『デモリッション』という、モダン・ヘヴィネスに特化した作品を発表しました。

もし、ロブがボーカルなら、プリーストの新基軸として、それなりの評価は得たと思います。

しかし、ロブではなくティムが歌ったことで、

プリーストのメンバーが作った楽曲を
ゲストボーカルが歌うプロジェクト

のように聴こえてしまいました。

これはプリーストのバンドの特性上、致し方ないことであったと思います。

ティムが抜けた後は、ロブがまた戻ります。

ロブ復帰後の作品は、メタルゴッドとしてのプリースト像をマーケティングして、売れる作品を作るようになりました。

点数

『Demolition』/ 86点

オススメ名曲ランキング

トトオ
トトオの
オススメ
ランキング

1位『Subterfuge』
2位『Metal Messiah』
3位『Machine Man』

終わりに

プリーストは、イギリス本国の人気より、米国や日本の人気が高いのですが、なんと本作はイギリスでは国内盤が発売されませんでした。

これがきっかけになったのかはわかりませんが、ティムは本作を残してバンドを去ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました