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【名曲ランキング!IRON MAIDEN/全アルバムレビュー】アイアン・ メイデン『Powerslave(パワースレイヴ)』

IRON MAIDEN パワースレイヴ 写真 ブログ用 音楽

トトオです。

ぼちぼち続けてきたこのメイデンレビューも、

もう五作目になります。

前回の記事はこちらです。

現時点で、

彼らは16枚のアルバムを出していますので、

ほぼ三分の一が終わったわけです。

さすがにキャリアが40年くらいあるバンドになると、

壮大な歴史がありますね。

この記事は、

以下の方にオススメです。

黄金期三部作に興味あり
エジプトの歴史を知りたい
ちょうど13分時間を潰したい

概要『Powerslave(パワースレイヴ)』(1984年発表)

84年発表の五作目です。

前作から一年少し経って発表されています。

前作と同様の布陣で製作されました。

まず、前作との違いは、

曲数を更に絞ったことです。

前作は9曲で、今作は8曲です。

これには理由があり、

一曲の時間が長い曲が多くなりました。

約6分の曲が二つ、7分の曲が一つ、

そして極め付けは、13分の曲が一つあります。

スティーブ単独の曲が、

長くなる傾向がある印象ですが、

このアルバムでは、

ブルースやエイドリアンの曲も長くなっており、

長い曲でもバラエティに富んでいるのが特徴です。

では、全曲レビューです。

全曲レビュー

#1 撃墜王の孤独/Aces High(Harris)[4:29]

スティーブ単独の曲です。

おそらくメイデンの一番の有名曲でしょう。

邦題がいいですね。

イメージぴったりです。

演奏・歌・構成、

文句のつけようがない完成度です。

特にブルースの歌唱は素晴らしく、

難なく高音でも伸びやかに歌い上げます。

ギターソロも、

丁寧に構築されていて、

何度聞いても飽きません。

前作はアルバム全体的に、

やや音の通りが悪かったですが、

今作は抜けがいいです。

#2 悪夢の最終兵器(絶滅2分前)/2 Minutes To Midnight(Dickinson,Smith)[5:59]

ブルースとエイドリアンの共作です。

これも人気曲ですね。

冒頭のギターリフが印象的な曲です。

エッジの効いたシンプルなリフですが、

あまりメイデンぽくないですね。

途中テンポを落としてからの、

ギターソロを含めた展開が素晴らしいです。

前作よりはるかにアレンジが上手くなったように感じます。

#3 ロスファーワーズ/Losfer Words (Big ‘Orra)(Harris)[4:12]

スティーブ単独のインスト曲です。

グルーブ感がある曲で、

ニコのドラムが馴染んでます。

後半のギターのツインリードや、

盛り上がる展開はさすがです。

曲自体は悪くないのですが、

なぜここでインスト曲を挟んだのでしょうか?

このアルバムは、

冒頭二曲と、

最後の二曲が素晴らしすぎるために、

その間の四曲が薄い印象です。

ここでインスト曲を挟んでしまったのも、

その一因の気がします。

#4 殺意の閃き/Flash Of The Blade(Dickinson)[4:02]

ブルース単独の曲です。

まさに、アルバム中盤用の曲といった感じで、

悪くないのですが、特に目立つ部分もないです。

この曲は終わり方がやや唐突ですね。

#5 誇り高き決闘/The Duellists(Harris)[6:06]

スティーブ単独の曲です。

サビのメロが、

ブルースの高音を生かした作りになっています。

また、中盤以降はかなり凝ったアレンジになっています。

しかし、ツインギターのアレンジが、

ほかの曲とやや似ているので、

これといったところがない印象です。

しかし、この曲は地味に長いですね。

#6 バック・イン・ザ・ヴィレッジ/Back In The Village (Dickinson,Smith)[5:00]

ブルースとエイドリアンの共作です。

サビのメロディが一風変わっていて面白いです。

ギターリフはあまり目立ちませんが、

中盤の展開は、

ややポール時代の曲に似ています。

ある種、中期メイデンの過渡期的な曲です。

次以降のアルバムは、

こういった中盤の曲まで、

名曲揃いなので、

アルバム全体の完成度は、

次作以降に譲るという印象です。

#7 パワースレイヴ〜死界の王、オシリスの謎〜/Powerslave(Dickinson)[7:07]

ブルース作のタイトル曲です。

7分以上の超大作です。

この曲と次の曲合わせると、

20分以上あります。

つまり、

このアルバムの半分近くを、

この二曲で占めます。

ブルースはボーカリストですが、

こんなに複雑な構成の曲を、

どうやって作るのでしょう。

エジプトをテーマにした楽曲ですが、

中盤のギターソロや展開が、

雰囲気にハマっています。

特に後半の展開は鳥肌モノで、

この前に並んだ数曲は、

手抜きではないかと思うほどです(言い過ぎ)。

#8 暗黒の航海/Rime Of The Ancient Mariner(Harris)[13:34]

スティーブ単独の曲で、

13分あります。

中期メイデンの最長曲ですね。

長い曲のため、

複数のチャプターで構成された、

組曲のようになっています。

パワースレイヴ同様、

リフや歌メロ、素晴らしい出来です。

特にブルースの表現力は驚異的です。

途中一旦ブレイクして、

まるで劇のようなアレンジで展開しており、

メイデンの新境地とも言えます。

採点 / オススメ名曲ランキング

『Powerslave(パワースレイヴ)』 /89点
トトオのオススメ名曲ランキング
トトオの
オススメ名曲
ランキング

1位『Aces High』
2位『2 Minutes To Midnight』
3位『Powerslave』
4位『Rime Of The Ancient Mariner』

総括

冒頭二曲と、後半二曲は素晴らしく、

明らかに前作よりも高クオリティです。

しかし、

中盤の四曲の弱さは如何ともし難く、

アルバムの真ん中がぽっかり抜けたような印象です。

ベストやコンピレーションでも、

このアルバムからは、

中盤の四曲以外が選曲されていますから、

バンドや一般のリスナーも同じ感想なのでしょう。

メイデンはこの作品で、

ブルース加入以降のメイデンスタイルの、

一つの限界に達したのではないでしょうか。

終わりに

この作品あたりで、

バンドが初期のパンク調のスタイルから、

完全に脱却した感があります。

ガンズ・アンド・ローゼズの、

アクセル・ローズが、

メイデンのライブ演出を見て、

「ディズニーランド」か、

と嘲笑したエピソードがありましたが、

なかなか上手いこと言うと思いました。

曲が長く、大仰になっていくことで、

ライブ演出もそれに伴い、

派手で凝ったものになったのも、

ある種必然と言えるでしょう。

次作以降は、

エイドリアン・スミスのいた、

メイデン黄金期の名作が、

更に二作続きます。

【おまけコラム/メイデンと私⑤】ブレイズそんなあかんか?

『Heaven Can Wait』で、

本格的にメイデンにハマった高校時代。

その後、スティーブが書いた、

長めの曲の素晴らしさに気づいてからは、

下に書いたような、

長尺のメイデン曲ばかり聴くようになりました。

Hallowed Be Thy Name
Rime Of The Ancient Mariner
Afraid To Shoot Strangers
Fear Of The Dark
Sign of the Cross

今も思いますが、

この辺の曲にハマるかハマらないかで、

彼らのファンになるかどうかが分かれると思います。

私が聴き始めたのは、

1996-97年あたりでしたので、

ブルースが辞めて、

ブレイズの一作目が発表された直後の時期です。

その頃はネットがありませんので、

情報源は雑誌しかありません。

しかし、少ない情報源からでも、

どうやらブレイズが不人気ということは伝わってきました。

その当時私は、

「そんなあかんか?彼」

と思ってました。

そして翌年、待望の新作が発表されます。

コメント

  1. ぼく、ブースカれす より:

    メイデンのアルバムを一通り聴いてみたら、このアルバムが個人的には好みかも知れません
    また改めて全体を聴いてみますが、なんとなく一番リピートしたくなる感じです

    しかし、トトオさんのおっしゃる通り、中盤は若干ダレる感も否定出来ないのは解ります(^◇^;)

    図書館でメイデンのアルバムを7枚とライヴ3枚にベスト2点と揃えましたが(足は使いましたが、レンタル料は無料^ ^)、スティーヴの『British Lion / 英吉利の獅子』もあったので借りました

  2. トトオ より:

    >ぼく、ブースカれすさん
    曲単位だと、私もこれはかなり好きです。何気に音も良いんですよね。
    ブリティッシュ・ライオンが図書館にあるのはちょっと衝撃ですね・・・(笑)

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