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【最大の問題作です】イン・フレイムス/In Flames『Sounds of a Playground Fading』(2011)

イン・フレイムス アルバム 写真 4 ブログ用 音楽

トトオです。

今回は、イン・フレイムスのキャリア史上最大の問題作(と私が考える)、『Sounds of a Playground Fading』をレビューします。

前回の記事はコチラです。

【まだメロデスです】イン・フレイムス/In Flames 年代別作品ランキング(2000年代後半編)
トトオです。 イン・フレイムスレビュー第三弾です。 今回は、彼らが2000年代後半に発表した、 二枚の作品をレビューします。 前回の記事はコチラです。 この記事は、 以下のような方にオススメです。 『Clayman』以降離...

この記事は以下の方にオススメです。

イン・フレイムスの最大の問題作を知りたい

史上最もしんどいレビュー

ネガティヴ記事は書かない方針

当サイトは、基本的に私が気に入った作品しか紹介しません。オススメしないものは、書かない方針です。

しかし、アイアン・メイデン やイン・フレイムスのような、特に好きなバンドは全作品レビューしていますので、彼らの作品の中での優劣はあります。

そのため、こういった場合に限り、作品によってはネガティブな記事も書かざるを得ません。

過去最高にしんどいレビュー

何を言いたいかというと、本レビューはかなりネガティヴなレビューになっています。

百数十本書いてきましたが、正直書くのが一番辛かったです。

これよりも、辛口で書いたのは、TM NETWORK『SPEEDWAY』くらいですが、あれは本当に良くないと思ったので、それほど書くのは辛くなかったです(笑)。

【祝!小室復活】活動時期別 TM NETWORKレビュー(第4回/例の事件前・2000年代)
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本作はオススメしません

結論から言うと、私は本作をオススメしません。

イン・フレイムスは、初期の作品でも近作でも、素晴らしいものがありますので、そちらをオススメします。

このレビューは、私の本作の評価に興味がある人だけお読みください。

2010年代のイン・フレイムス

イェスパー脱退という衝撃

バンドの創設者であり、メインソングライターのイェスパー・ストロムブラードが2010年にバンドを去りました。

イン・フレイムスというバンドの魅力は、このイェスパーの天才的な作曲センスによるところが大きかったため、このニュースは衝撃的でした。

多数のファンは、「バンドが解散するのでは?」と心配したかと思います。

しかし、イェスパー抜きで、バンドは継続する道を選びます。

2010年代の作品一覧

2011 Sounds of a Playground Fading 
2014 Siren Charms
2016 Battles
2019 I, the Mask

2010年代は上記の四作品発表しています。作品毎のインターバルはやや伸びたものの、それでもまだまだコンスタントに出しています。

今回は、2010年代の一枚目の作品になる、『Sounds of a Playground Fading』を紹介します。

『Sounds of a Playground Fading』(2011)

概要

2011年6月発表の通算十作目です。

イェスパー脱退直後で、ビョーン・イエロッテが曲を書いています。

初期から前作『A Sense of Purpose』に至るまで、イェスパーとこのビョーンの二人がソングライターで共に作曲してきました。そのため、この流れはとても自然です。

注目点は、イェスパーの代わりはアルバム制作時には入れずに、四人体制で作り上げていることです。アルバム発表後に、ニクラス・エンゲリンが正式メンバーとして加入しました。

発表当時の強烈な印象

皆さん、この作品を初めて聴いた時どう思いました?

私の発表当時の感想は、

「とにかく耳に残る曲がない」

というもので、悪い意味で衝撃でした。

当時の世間の感想も、私が知る限りでは、圧倒的にネガティブなものが多かった印象です。

今回、レビューのために数十回聴き直し、改めて本作と向き合いました。

楽曲レビュー

インフレイムス最大の問題作
メロデスからの脱却を目指すも
イェスパーの呪縛

インフレイムス最大の問題作

このレビューを書いている今が2021年ですので、すでに本作発表から10年経過しています。

本作品の後の作品も全て聴いた上で、本作はインフレイムス史上最大の問題作だと思います。

橋渡し的作品

それは、本作が次作『Siren Charms』以降のニュー イン・フレイムスと、イェスパーがいた2000年代のオールド イン・フレイムスの、橋渡し的な作品にならざるを得なかったからです。

オールド イン・フレイムス

2000年代までは、紆余曲折ありながらも、その核にあるのは、バンド創設者イェスパーの影響が大きい、メロディック・デスメタルというスタイルでした。

ニュー イン・フレイムス

本作の次の『Siren Charms』以降は、完全に新しいバンドスタイルを確立させます。端的に表現すると、ボーカルがメロディアスなヘヴィメタル(もしくはロック)バンドでしょうか。

少なくとも、『Siren Charms』『Battles』は、2000年代の彼らとは決定的に違います。

本作の問題点

本作は、

2000年代までのオールド イン・フレイムス

と、

2010年代のニュー イン・フレイムス
(『Siren Charms』以降)

の、間に挟まれた作品です。

おそらく、彼らはこの作品の時点で、『Siren Charms』以降の作品の方向性をすでに目指していたと思われますが、過去の作風を振り切るには至っていません。

これが、本作を問題作たらしめる理由です。

メロデスからの脱却を目指すも

ボーカルスタイル

ボーカルのアンダース・フリーデンは、本作ではほぼデス声やグロウルを封印しています。

サビの部分では、クリーンボイスで歌唱していますが、そのボーカルにはエフェクトがかけられているので、デスボイスではないものの、迫力があります。

リズム隊

本作の大きな特徴として、ドラムやベースのリズム隊によるグルーヴが強調されているということです。

この結果本作は、作品全体がダークな雰囲気で統一されて、演奏もラウドな印象です。

リズム隊のプレイは非常に凝っていて、一曲毎に複雑すぎるほど詰め込んでいます。

ギター

そして、肝心のギターですが、シャープさとグルーヴを強調したフレーズが多いです。

曲によっては要所要所でメロディックなフレーズは残されてはいるものの、全体的にかなり抑えています。

メロデスではない

そもそも当時のメンバーの発言に、「本作はメロデスではない」というものがあります。

つまり彼らは意図して、メロディックデスメタルの表現方法を避けたわけです。

その結果、

メロディはボーカルで
ヘヴィネスはグルーヴで

というようにシフト(しようと)しました。

新旧スタイル混ざり合った結果

イェスパーの呪縛

上記の通り、ボーカルメロディが充実したヘヴィなロック作品を本作では目指しましたが、本作と『Siren Charms』では、決定的な違いがあります。

それはギターです。

本作では、2000年代、つまりイェスパーが作り上げた、メロディックなギターのイン・フレイムスを、完全に捨てきれていません。

既述のように、ボーカルに力を入れて、グルーヴでヘヴィネスを強化しましたが、本作では旧来のスタイルも残された形となりました。

この曲なんかは、ボーカルは完全に新スタイルですが、部分的にかなり過去作に近いギターフレーズが差し込まれています。

独特のアルバム構成

私は当時、本作に悪い印象しかなかったと述べましたが、本作を聴き込むにつれて、アルバム後半尻上がりに曲が良くなっているように感じました。

これは、やはり私自身オールドファンであると言うことが理由でしょう。

過去作でもそういった傾向がありましたが、本作でも、新機軸曲はアルバム前半に、それまでのスタイルの曲はアルバム後半に入れられています。

やはりアルバムの顔である前半で、自分たちの方向性を示そうとしているわけです。

新しいファンと旧来のファン

本作を聴いた旧来のファンは、

オールド イン・フレイムス的な部分もあるけれど、それだったらやはり昔の方が良い、

という感想になり、

新しいファンは本作を聴いて、

それほど魅力あるニュー イン・フレイムスがまだ感じられない(特に歌)、

という結果になったのではないでしょうか。

10年以上経過して

本作はネガティブな意見が当時多かったようですが、これは当たり前です。

そもそも、当時本作をタイムリーに聴いた人は、それまでのイン・フレイムスのファンが大半であったはずです。

そのファンが期待するものをあえて外しに行ったわけで、賛否でも否定が多くなるのは仕方ありません。

問題は、イェスパーが抜けて間なしで、完全に振り切れていなかったという点でしょう。

その後の意見を見ると、本作をポジティブに捉える声も確認できます。

これは時間が経過して、その後のインフレイムスの作品も浸透して、彼らの新しいスタイルそのものが支持を受けるようになって、本作も見直されたのではないでしょうか。

終わりに

実は私は本作を聴いた当時、本当にその良さがわからなくて、ここで一旦ファンを辞めています。

次作に関しては、発売された時にタイムリーに作品を買うこともしませんでした。

しかし、やはりバンドへの思い入れは強く、しばらくして再び彼らをフォローすることになりました。

そして、その後のイン・フレイムスの作品を聴いて、驚愕することになります。

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