トトオです。
今回の「好きなんなんなん」は、コーンの『Untitled(無題)』です。
前回の記事はこちらです。
今回の記事のポイントはこちらです。
キャリア史上唯一の「三人KORN」!
概要
2007年に発表された、KORN通算8枚目の作品です。
本作のポイントはこちらの三つです。
ゴシックKORNの新境地
進化する「元祖」ヘヴィロック
キャリア史上唯一!三人KORN
KORNは1994年のデビューです。
その後、10年ほどの期間を、ボーカル・ツインギター・ベース・ドラムの五人体制で活動を続けました。
しかし、2000年代中頃から、メンバーが少しずつ抜け始めます。
まず、2003年の『Take a Look in the Mirror』発表後に、ツインギターの一人、ヘッドが抜けました。
さらにその後、2005年の『See You on the Other Side』の後に、ドラムのデイヴィッド・シルヴェリアも抜けました。
結果、本作『Untitled(無題)』発表時点では、ボーカル・ギター・ベースの三人しか残っていませんでした。
ギターが一人でもなんとかなることは、前作『See You – 』の時点で、すでに証明済でした。
しかし、「ドラムまでいなくなってどうするの?」というのが、本作制作時の状況です。
彼らはこの窮地を、
ボーカルがドラムを叩く
というユニークな方法で乗り切ります。
ゲストにまさかのテリー・ボジオ
ゲストの大物ドラマーとは、テリー・ボジオです。
彼は、ジャンル的にはフュージョンやプログレ畑のプレイヤーであり、かなり意外な人選でした。
見てください、このセット。化け物ですね。
単にデイヴィッドの代わりになるような人を探さなかったのが、KORNの面白いところです。
ちなみに、テリー以外のゲストとして、ブルックス・ワッカーマンも複数曲で叩いています。
(インフェクシャス・グルーヴスとかスイサイダル・テンデンシーズとかにいた人)
(意外と)叩けるボーカル、ジョナサン
ゲストのドラマーに、全て依頼したわけではありません。
ボーカルであるジョナサン・デイヴィスが、数曲で叩いています。
実は、四作目の『Issues』でも、彼はドラムプレイを披露していました。
但し、当時はあくまでデイヴィッドがメインのドラマーでした。
本作で聴けるジョナサンのドラムプレイは、予想以上に上手いです。
デイヴィッドのように、パワフルで複雑なプレイではありません。
しかし、ジョナサンの軽快且つストレートなビートには、不思議な魅力があります。
バグパイプも吹けますし、彼は本当に器用ですね。
ゴシックKORNの新境地
ドラマーの穴は、上記のように工夫して乗り越えました。
しかし、二人も正式メンバーが欠けたパワーダウンは、やはり否めません。
そこで彼らが取った手は、「作風を大きく変化させる」でした。
本作では、ゴシックテイストをアルバム全編に散りばめており、これまでにない世界観を構築しています。
この方向性の実現のため、正式にキーボーディストまで採用しています。
結果、ピアノを中心に据えた曲や、効果的にシンセを使った曲が、本作には多いです。
前作『See You -』も大きな方向転換でしたが、本作は更に意匠を凝らした作品と言えます。
ゴシックテイストとバンドの相性は良く、これはこれで断然アリです。
進化する「元祖」ヘヴィロック
彼らの全キャリアにおいて、三人体制のKORNはこの作品だけです。
次作の『Korn III: Remember Who You Are』では、新たなドラマーを加えて四人になります。
その後は、
ヘッドが突然バンドに復帰したり
フィールディーが一時休業したり
予想外のことが起こり続けるバンドです。
紆余曲折あり過ぎるバンドですが、彼らの一番凄いところは、
ヘヴィロックなKORNのイメージが未だ崩れていない
という点です。
このあたり、マネジメントの戦略が優秀なのでしょう。
このおかげで、本作のようなゴシック作品でも、KORNの新作として受け入れられました。
その後も、コアなバンドの魅力はそのままに、新作では実験要素を取り入れて飽きさせません。
結果、このように息の長いバンドになり得たのでしょう。
トトオのオススメ名曲ランキング
オススメ
ランキング
1位『Evolution』
2位『Love and Luxury』
3位『Hushabye』
終わりに
彼らは、初期の作風を考えると、まず長続きしなさそうなバンドだと、皆感じていたはずです。
しかし、ニューメタル系バンドとしては、最もコンスタントに作品を発表し、結果を出しています。
この事実こそが、まさに彼らが実力者である証左と言えるでしょう。
コメント