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【規格外バンドのアナザーサイド】Alice in Chains『Jar of Flies』/ トトオのオールタイムベスト㉜

アリス・イン・チェインズ JOF 写真 ブログ用 オールタイムベスト

トトオです。

今回のオールタイムベストは、アリス・イン・チェインズ(以下AIC)の『Jar of Flies』です。

前回記事はこちらです。

この記事のポイントはこちらです。

トトオ
この記事の
ポイント

規格外バンドの傑作アコースティック作品

規格外バンド Alice in Chains

初のルール適用外

当ブログのオールタイムベストは、「一アーティスト一枚」というルールに従って選んでいます。

AICは、すでに『Dirt』を選んだので、本来もう対象から外すべきです。

しかし、このバンドはちょっと特別でした。

『Dirt』という傑作とは全く異なる方向性で、もう一枚奇跡の名盤がありました。

ということで、今回は特別に二回目の選出となります。
(今後なし崩し的になりそうな予感はあります・・・)

独特なディスコグラフィー

ボーカルにレイン・ステイリーが在籍した時代は、下記のようなディスコグラフィーです。

Facelift
Sap
Dirt
Jar of Flies
Alice in Chains
MTV Unplugged

太字がスタジオアルバムで、それ以外がEPもしくは企画盤です。

ここからわかることは、アルバムとEPが交互に発表されていることです。

また、アルバムはいわゆるオルタナメタルですが、EPは全てアコースティック作品となっています。

完璧なアコースティック作品

レイン在籍時のアリスの作品は全て驚異的に素晴らしいのですが、バンドとしてのパフォーマンスが完全に発揮できた期間は短いです。

バンドが最高の状態で発表した二つの傑作が、『Dirt』と『Jar of Flies』になります。

以前紹介した『Dirt』は、彼らのオルタナメタルとしての最高傑作です。

今回紹介するのは、彼らのアコースティック作品のナンバーワンです。

Alice in Chains 『Jar of Flies』(1994年)

天才ギタリストの「アナザー・サイド」

『Jar of Flies』は、邦題が『アナザー・サイド・オブ・アリス』です。

あまり好きな邦題ではありませんが、たしかに『Dirt』とは違うAICの側面が見える作品です。

アコースティックの前作にあたる『Sap』も良い曲ばかりですが、曲数が少なく、企画盤ならではのお遊び感が強いです。

アコースティック二作目となる本作『Jar of Flies』は、曲数も増え、曲のアレンジも練られ、バンドとしての技量も格段にアップしています。

中でも、特筆すべきはやはりギターです。

ジェリー・カントレルは、90年代を代表するメタル系のギタープレイヤーなのは間違いありません。

その彼の真価は、本作で見られる丁寧なアコースティックギターによるプレイです。

ディストーションの装飾がない分、素のメロディが浮き彫りになっています。

これほど素晴らしいメランコリックなギターアンサンブルは、他にはありません。

彼は後に『Boggy Depot』という本作と似たコンセプトのソロ作品を出しています。

こちらはAICのバンドでやったことを、一人で表現したような世界観でした。

反面本作は、メタル的な表現を一切排除して、アコースティックに特化したという意味で、焦点がより定まっており、クオリティは最高です。

最期の灯火 レインとジェリー

本作が、バンドの最も充実していた時期に発表されたという証左は、ボーカル面で顕著です。

本作の次に発表された作品『Alice in Chains』では、レインのコンディションの悪化は明らかで、存在感が低下しています。
(それを差し引いても素晴らしい作品ですが)

その点本作は、ボーカルレインの最後の輝きとも言える奇跡的な歌唱に、ジェリーの美麗なボーカルが合わさり、孤高のハーモニーが堪能できます。

『Above』というプロジェクトでも、レインはアコースティックサウンドに合わせた美声を披露していますが、やはりそこにはジェリーがおらず、もの足りません。
(AICと別物としては楽しめます)

哀愁を支えるバンドの地力

既述の通り、前作のアコースティック作品である『Sap』も捨てがたい作品です。

しかし、本作に至るまでの数年間で培った、バンドの実力アップには凄まじいものがあります。

ジェリーやレインがどうしても目立つバンドですが、リズム隊も十分個性的です。

ベースのマイク・アイネズは、オジー・オズボーンバンドでも活躍する実力者で、アコースティックでも安定感抜群です。

そして、なによりドラムのショーン・キニーが素晴らしい。

彼は体幹が相当強いようで、一発一発のヒットが真を食っていて、まさにバンドの屋台骨です。

本作は多分に憂いを帯びた作品で、ともすれば重苦しくもなりがちですが、彼の軽快且つシャープなドラムプレイで、不思議と聴きやすいです。

やはり、これだけの実力者が揃っているからこそ、単なる企画盤というレベルを超えたクオリティに仕上がったのでしょう。

終わりに

私にとってのAICの魅力は、やはりレインとジェリーのツインボーカルでした。

その後の作品も全てフォローしましたが、やはりレイン時代の作品への思い入れが強く、つい比較してしまいます。

ニルヴァーナが未だに別格の扱いを受けているように、その瞬間に全てをかけたアーティストの輝きに、人はどうしても惹きつけられるのかもしれません。

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